2010年12月29日水曜日

痩せれない人は、まず基礎代謝量アップから

基礎代謝は、平均的な日本人の一日の消費エネルギーの6割を占めるという話は前回しました。あまり活動的でない人は生活活動の割合が少ない分、相対的に増え7割を占めることになります。

基礎代謝のピークは男性で18歳、女性で16歳ということで、それ以降緩やかに下降していきます。これは成長ホルモンの分泌の低下とタンパク質の生成能の低下によるものです。

18歳の時と同じ量だけの食事を続けるならば、加齢によって基礎代謝が低下する分だけ、消費エネルギーが低下しますから、余ったエネルギーーは脂肪として身体に蓄えられることになります。これは1年で男性0.4kg、女性0.3kgだそうです。つまり、40歳になると男性7kg、女性6kgの脂肪が増える計算になります。

ですから脂肪を貯えないためには、食事の量を加減するか、身体活動を増やすか、基礎代謝をアップさせるかの3つの選択しかありません。

今回は、基礎代謝アップについて考えます。身体の中で一番エネルギーを消費するのは筋肉です。筋肉は年齢とともにタンパク質の生成低下で少なくなります。そこで必要なのが筋肉トレーニングということになります。特に持久力が特徴の遅筋、赤筋を鍛える。

3ヶ月間、きっちり全身の筋肉トレーニングをすると筋肉量が2kg増え、一日の基礎代謝量が100kcalアップするそうです。100kcalとは体重60kgの女性が1時間弱散歩をするときに消費するエネルギーと同じです。

つまり、基礎代謝量が増えると、ゴロゴロ寝ているだけで1時間散歩しただけのエネルギーが勝手に消費され太りにくい体質、痩せやすい体質になるわけです。

筋トレといっても、そんなムキムキにする必要はありません。大腿筋、腹筋、背筋、上腕筋中心に週3回、20分くらいで十分だと思います。

筋肉が付くと身体を動かすことが億劫がらなくなりますから、日常の運動量も増えます、よって生活活動量も増えます。

ダイエットしても痩せない人やリバウンドした人は、是非、基礎代謝アップのために筋トレすることをお勧めします。

2010年12月28日火曜日

家事労働も若返りのための大切な運動です

運動することが一番の若返り法。これは、これまでにも何度となく言ってきたことですが、運動というと、トレーニングジムに行ったり、ランニングをしたり、負荷をかけて筋肉トレーニングをすることをイメージするかもしれませんが、日常の家事や仕事で動かす生活活動も立派な運動になります。

ですから小まめに家事労働している人やきびきび仕事をしている人は若々しく見えます。

私たちの平均的な一日の消費するエネルギーの内訳は基礎代謝が58%も占めます。つまり安静にしている時にも心臓を動かしたり体温を調節したりすることで消費されるエネルギーのことです。歩行、走行などの運動が9%、生活活動、つまり、掃除、洗濯、物運びなどの活動が14%、食事誘発性体熱産生が10%です。

基礎代謝で6割もエネルギーを消費することも驚きですが、生活活動が運動よりも多くエネルギーを消費していることも驚きではないですか。

そして、この生活活動が少ない人ほど肥満になっている傾向にあり、生活習慣病にかかっている人が多いようです。

肥満とは、単純な考え方ですが、食べるエネルギー量が消費エネルギー量を超える生活を長年続けることにより起こると言えます。

加齢により筋肉量が低下すると比例して基礎代謝量も減ります。さらに筋肉量が減ると身体を動かすことが余計に億劫になり生活活動も低下します。この連鎖で消費エネルギーは減少していきます。

運動を忙しい生活の中から時間を割いてするよりも、生活活動を増やすことは、ちょっとした心がけでできます。エレベーターを使わずに階段を小走りで昇るとか、通勤ではひと駅前で降りて歩くとか、トイレ掃除をしてみるとか、雑巾で床を水ぶきするとか、お風呂掃除をするとか、周りにも喜ばれることですから一石二鳥です。

私は、歩数計にさらに活動量が測定できる器械をベルトにつけてこの活動量を測定しています。運動強度や消費カロリーや基礎代謝量も測定してくれるので大変重宝しています。今日一日消費エネルギーが少ないなと思ったら風呂掃除をするといった具合です。

年越しに炬燵でミカンを食べながら紅白もいいけど年越しの日に家の中の大掃除もいいかもしれません。

2010年12月8日水曜日

ガンに効く生活

日本人の死亡原因の第1位はガンです。2位が心疾患で、3位は脳血管疾患です。3人のうち1人がガンで亡くなっています。それほど、ガンに罹患する人が多く、ポピュラーな病気で現代病、または流行病ともいえます、しかも、致命的で病気でもあります。

確かにガンは細胞のDNAの変異により起こる疾患ですから、老化や外部からの活性酸素などによりDNAは傷つけられ、容易にDNAのコピーミスを起こすようです。

人間の細胞は60兆個あるといわれています。毎日その1%の6000億個の細胞は生まれては死滅を繰り返しているわけですが、その中から5000個のガン細胞が毎日、発生していると言われています。ただ、ガンの塊として増殖しないように食い止めているのが免疫力なわけです。

ですから、ガン細胞は、誰にでもある身近な細胞であるわけで、それが増殖しないように私たちの身体は、本人が気付かなくても、毎日、コツコツと頑張ってガン細胞と戦っているわけです。なんと健気な自分の身体の仕組みなんでしょう。

でも、私たちは往々にして、頑張っている臓器のことを気遣うこともなく食べたいものを腹いっぱい食べたり、タバコをプカプカ吸ったり、お酒を二日酔いになるほど飲んだり、寝不足をしたり、体が悲鳴を上げていることも知らずに暮らしていることも多くあります。

40歳を過ぎたら、若い時と違い無理はできません。無理をしたら間違いなくガンが忍び寄ってきます。40歳を超えたら、自分の身体を労わりつつ、免疫力を鍛えておくことは非常に大切なように思います。

「がんに効く生活」(Anti Cancer  A New Way of Life) という本が昨年2月に日本でも初版されました。世界的にもベストセラーになっています。ダビッド.S.シュレベールというフランスの精神科医が、自らガンになり、克服しています。

彼は、ガン予防のために次の4つのアプローチ法を展開しました。

①私たちの取り巻いている環境汚染に存在するガンを助長する物質から身を守る

②腫瘍と戦うことができる植物の栄養(ファイトケミカル)をできるだけ摂取するように食生活を改善する

③ガンを成長させる生物学的メカニズムの後押しをするストレスを解消するように努める

④免疫システムを妨げる炎症を鎮静化する

このような方法で、自分の身体に語りかけながら、自分の身体と良好な関係を作り、ガンを克服していったのです。

ガンにならないために恐怖と不安を抱きながら予防するというよりも、ガンと闘うための積極的なライフワークと言ったほうがよいかもしれません。

まさしくタイトルのごとく、「ガンに効く生活」。うまい日本語訳です。

2010年11月9日火曜日

毛髪ミネラル検査で水銀、ヒ素が高濃度?!やばい!

3年前から弘前市の郊外、岩木山山麓に近いところで、畑を借りて野菜を無農薬栽培するようになりました。
このきっかけになったのが、毛髪ミネラル検査です。毛髪の毛根に近いところの3cmほどを30本ほど採取して、外注検査に出しました。そこで初めて知った驚くべき現実。
有害ミネラルが沢山、高濃度で検出していました。また必須ミネラルの不足。
特に有害ミネラルの高レベルが水銀とひ素。水銀は日本人で特に高濃度の頻度が多いようです。その原因は大型魚の過剰摂取、つまり、マグロ、カツオ、ブリなどの大型魚は食物連鎖で水銀の含有量が多いそうです。それを最終的に人間が食べると、水銀量は蓄積する一方になるわけです。また、サプリメントでDHA,EPAという魚油を健康のために摂取していたのですが、これもメーカーを厳密に選ばないと水銀含有量の多いサプリメントを取っている恐れもあります。
この検査を教訓にできるだけマグロなどの大型魚を減らして、イワシやサンマやアジ、サバなどの小さな魚を選んで食べるようにしました。またサプリメントも良質のものにセレクトしました。
次に、ヒ素ですが、これも日本人は高濃度の頻度が多いようです。原因の一つは農薬、それと私の場合、ヒジキの食べ過ぎ、ヒジキは毎食常備菜としてご飯の友として欠かさず食べていましたからショックでした。
これをきっかけに農薬を使わない野菜を自分で作ることにしました。岩木町の友人のお母さんが畑を貸してくれることになり、御好意で栽培も手伝ってくれております。本当にありがたいことです。お陰で春、夏、秋それぞれの季節野菜を沢山収穫でき、健康的な野菜を食べれるようになりました。
まだ、あれから2回目のミネラル検査はしていませんが、良い結果になっていることを信じております。

2010年10月20日水曜日

オーソモレキュラー療法(栄養療法)という医学

9月20日の第10回抗加齢医学の実際というセミナーに、新宿溝口クリニックの溝口徹先生が講師をされました。

溝口先生は栄養の不足から病気を診断し、治療していく医学を学んでいます。栄養療法、オーソモレキュラー療法といってライナス・ポーリング博士とエイブラム・ホッファー博士が確立した医療です。

特に得意とする疾患は、ビタミン不足から来るうつや統合失調症などの精神疾患やコレステロール低下による子供の行動異常や糖分の取り過ぎによる乱降下型低血糖によるパニック発作や不安症などです。

また、ビタミンやタンパク質不足から来る神経伝達物質の欠乏による集中力低下や鉄不足からくる頭痛や冷え症、めまい、耳鳴りなども、検査により診断し、栄養補給することで、患者さんは改善しているようです。

考えてみれば、我々の身体は自分の細胞から作られるホルモンの作用により代謝が旨く行っているわけで、ホルモンの原料である外からの栄養が不足すれば、正常な代謝は機能しなくなるのは当たり前のことであります。

現代の西洋医学は、血液検査ででたデータの正常範囲と言われる数値が非常に幅広いように思います。確かに異常値なら、そこに着目して治療するでしょうが、数値の下限値であったも、その数値から栄養不足を推測することはあまり、なかったと思います。

現代の医学は、あまり栄養学を重視してこなかった経過があります。これは大変反省すべきことだと思います。

ですから、溝口先生の講演は大変有意義でありました。

興味のある方は、以下の本を参照ください。

「脳の栄養不足」が老化を早める! 溝口徹著  青春新書
「うつ」は食べ物が原因だった!  溝口徹著  青春新書
心療内科へ行く前に食事を変えなさい 姫野友美著 

2010年10月16日土曜日

高効率ミトコンドリアを鍛える

高齢者の方で若者以上にお元気な方がいらっしゃいます。果たしてお元気な方とはどこが違うのか?長年の疑問でした。しかし、解明してきました。それはミトコンドリアの性能です。

ミトコンドリアとは、私たちの筋肉細胞のなかにあるエネルギー製造工場のことです。脳や心臓にもありますが、80%は筋肉の中にあります。一つの筋肉細胞の中に2000個ほどのミトコンドリアが住んでいます。酸素を消費して大量のATPというエネルギーを産生してくれます。同時に酸素をうまく使えなかった時には活性酸素を産生します。活性酸素は私たちの身体に傷害を与え、老化の元凶でもあります。

ミトコンドリアは車のエンジンに例えることができます。ブドウ糖と脂肪が燃料のガソリンとなり、エンジンの馬力となるATPを生み出します。排気ガスに当たるのが活性酸素ということになります。

性能の良いミトコンドリアとは、少量の燃料で沢山のエネルギーを産生し、少ない排気ガスを出すものと言えます。まさにエコカーです。高効率ミトコンドリアと呼んでいます。

高効率ミトコンドリアを手に入れるにはどうしたらいいか?
それはちょいきつめの運動です。運動をするとミトコンドリアは酸素不足になります。すると、筋肉細胞は虚血状態になり、これが信号となりPCG-1を活性化して、ミトコンドリアの数を増やそうと働きます。

きつめの運動だと逆に大量の排気ガスである活性酸素を産生し細胞に傷害を与えてしまいます。ですから、ちょいきつめの運動というのがポイントとなります。

筋肉の老化に関わる遺伝子596個のなかの179遺伝子が運動により回復すると言われています。

まさに運動は、若返りのスーパーサプリメントと言われる所以であります。

2010年9月24日金曜日

第10回抗加齢医学の実際を聴講してきました

9月19,20日の連休を利用して東京、大手町で「第10回抗加齢医学の実際」のセミナーを聴講してきました。

抗加齢医学の最前線の内容盛り沢山の大変有意義なセミナーでした。2日間で14時間の休憩時間も惜しんでの長丁場のセミナーでしたが、各先生の講義は、名調子で飽きることもなく、興味が尽きないものばかりでした。

吉川敏一先生(京都府立医科大学)、坪田一男先生(慶応大学)はじめ、素晴らしい企画を誠にありがとうございます。

今回参加を決意したのはプロスキーヤーの三浦雄一郎さんが特別講演をされるということが挙げられます。

世界の最高峰を7つも制覇し、しかも75歳でエベレスト登頂に成功された、いわば抗加齢医学会を代表するスーパースターであります。

実は三浦雄一郎さんは弘前高等学校出身で私の母校の先輩であり、雲の上の憧れの人ではありますが、親近感もありました。

雄一郎さんは、現在165cm、80kgだそうで、アスリートの割には失礼ながら太っているのかなと思いました。毎日の食事もその年齢にしては大変旺盛で焼き肉も500gくらいは食べるのだそうです。

しかし、2年後さらにエベレスト登頂予定があるようで、その時に向けて体重を絞り込み、身体作りは半端じゃないくらいのトレーニングだそうです。両足に20kgの重し、背中には30kgだったかのリュックサックを背負ってウオーキングするのだそうです。

これまでの冒険で数か所も骨折をしているようですし、意外にも、不整脈とか肥満による生活習慣病の持病も色々あるようです。

これらを強靭な意志と幸運で乗り切ってきたということ、これが、なによりも素晴らしいことです。諦めることなく倒れてもまた起き上がる、この精神こそ見習いたいものです。

2010年9月17日金曜日

アンチエイジングドックの勧め(入門編4)

若返りをしたいなら、まず今の自分の身体の老化度を客観的に測定することが先決です。

病的老化や老化危険因子は生活習慣のなかに原因があります。ですから、正しい健康に関する知識を持ち、正しい生活習慣に改善していく必要があります。

具体的に、骨、血管、筋肉、神経、ホルモンの5種類の各パーツ毎の臓器年齢を測定します。

また、老化危険因子判定として免疫機能、代謝機能、抗酸化能、ストレス抵抗性、生活習慣の5種も測定します。

検査は約40分要します。

また、オプションとして不足ミネラルや有害ミネラルを毛髪から測定することもできます。

これらの結果の説明とアドバイスは後日、約1時間、アンチエイジング指導医が、各自のライフスタイルに合わせて、具体的に食事療法と運動療法とストレスケアを中心にアドバイスします。

実際、患者さんに、これまでの生活習慣を変えてもらうことはかなりの抵抗を受けます。

仕事が忙しい人は、帰宅後にスポーツジムに行って運動することはほとんど不可能です。このような方は仕事中の移動時間にできる階段を使った筋肉トレーニングを提案します。

膝に故障を持っている人には、椅子を使って、膝に負担の少ないハーフスクワットを提案します。

食事が炭水化物に偏っている方は、インスリンの分泌がジェットコースターのようにアップダウンするので、食欲コントロール不能状態であり、炭水化物中毒から抜け出すことは至難の業でもあります。

まずは、ちょっとだけを続けてもらう。これによって得られた成果を体感してもらう。これで本人が健康になったという体感を得られれば次からは率先して行動を継続してくれるはずです。

アンチエイジングドックの目的は、健康管理のきっかけ作りのお手伝いをさせていただくことだと思っております。

そして、継続して頂くためのモチベーションを向上させることだと認識しております。

アンチエイジングドックのデータは正確に体内年齢を反映してますから、頑張った成果が素直にデータに出てきます。これがやる気を持続させる決め手になります。

まずは、患者さんの治したいところに焦点を当て、そこを糸口にする。そして患者さんの視点に立って患者さんの心に響く説明をさせていただくよう努めております。

長寿遺伝子をオンにする方法②運動(入門編3)

長寿遺伝子のスイッチをオンにする方法の2つ目は運動をすることです。

運動をするとエネルギーの見張り番であるAMPキナーゼが活性化して長寿遺伝子のスイッチをオンにします。

私たちの先祖は1万年前サバンナを毎日20kmから40km移動して獲物を獲って生きていたわけです。サバンナを生き抜いてきた遺伝子が現代の我々の身体の中に脈々と受け継がれていたのです。

しかし、現代人はファーストフードやコンビニ食といった便利で安価なエサで飼いならされた家畜のような生活で、筋肉を動かせば回転するはずの代謝が不完全燃焼を起こしている状態であります。

運動をすると細胞内ではどんなことが起きるかと言うと、細胞内のエネルギー製造工場であるミトコンドリアが増えて効率のよい馬力の強いエンジンを持った細胞が増えます。しかも燃費のいいエコノミーで良質なミトコンドリアが増える為に排気ガスも軽減するのです。

排気ガスが減れば、有害な活性酸素も減ります。さらに、抗酸化酵素を生産する活性酸素防御機構も活発に働き、活性酸素を消してくれるわけです。活性酸素が減れば老化は予防できるということです。

それだけではなく、運動すると沢山の特典があります。脳から癒しのホルモンであるセロトニンが分泌します。それによってストレスに強くなります。

脂肪細胞からは善玉ホルモンのアディポネクチンが増えて、代謝を良くし、動脈硬化を抑えます、若返り作用があります。

さらに脳からは成長ホルモンがでて、免疫力が強化されます。

運動はアンチエイジング指導医がお薦めする最強のサプリメントだといえます。しかもタダですから尚更よいですね。

2010年9月16日木曜日

長寿遺伝子をオンにする方法①カロリー制限(入門編2)

カロリー制限をすれば長寿遺伝子のスイッチがオンになり、元気に長寿を享受できることがこれまでの実験でわかってきました。

特に糖質、つまり炭水化物を制限するとそれが著明に表れてきます。糖質を摂ると、血糖が上がり、すい臓からインスリンがでます。インスリンの働きで、糖質は細胞内に取り込まれエネルギーを作ります。

同時に有害な排気ガスである活性酸素も排出します。また、インスリンの働きで活性酸素防御機構もストップしてさらに活性酸素が増加します。これが自らの細胞のDNAを攻撃し、ガンや生活習慣病や老化の原因になるといわれています。

ですから、糖質やインスリンは勿論、なければ生きてはいけませんが、若返りにとっては敵なのです。

それでは、どのような食事を摂れば若返りにはよいかと言えば、インスリンをあまり出さない食事をすればよいということです。低インスリンダイエットとか低炭水化物ダイエットともいわれます。

インスリンは糖に反応して分泌しますから糖質の割合の少ない食材から食べることがよいようです。

つまり、野菜、魚、大豆などです。炭水化物類でも玄米、全粒粉のほうが精白米や精白小麦より糖質の割合が少ないです。

お酒で言えば、焼酎やウイスキーのほうが、ビールや日本酒より糖質が少ないです。

私も低炭水化物食に変えてから体重が18kg減りましたが、外部からの糖質からではなく自分のため込んだ脂肪を分解して糖質に変えてエネルギー源にしています。このほうが、エネルギーの燃焼がよく、無理なく痩せることができます。

カロリー制限が若返りモデルであるのに対し、メタボリック症候群は真逆の老化モデルです。

メタボリック症候群は内臓脂肪型肥満から発症するものですが、この内臓脂肪細胞から沢山の悪玉ホルモンが産生されていたことが分かってきました。これがメタボリックドミノと言われる高血圧、脂質異常、糖尿病、脳梗塞、ガン、さらには認知症、透析、失明に進行するわけです。

カロリー制限して、インスリンを節約した食事方法に変えれば、若かった頃の体型に戻り、長寿遺伝子のスイッチをオンにすることができます。

アンチエイジング医学とは(入門編1)

アンチエイジング医学とは何ですか、一言で答えなさいと問われれば、老化予防の医学、さらに突き詰めれば若返りの医学だといえます。

美容的なところで言えば、顔のしみ、しわ、たるみですが、これは皮膚の老化です。なにが主な原因かと言えば紫外線です。皆さんは日傘をさしたり、日焼け止めクリームを塗ったりUVケアをしますよね。

これと同様に、外見だけではなく身体の内部の各臓器、骨、筋肉、血管、神経、内臓ホルモンに対してもそれぞれ老化予防を実践してますかということなのです。

各臓器の老化予防、さらには若返りに関する医学的知識を理解してもらい、実践してもらうことが、アンチエイジング医学の目的です。

皮膚の老化の主な原因は紫外線と言いましたが、内部の臓器の老化の原因のひとつに悪玉酸素といわれる活性酸素があります。

活性酸素は、外界のものでは、タバコ、放射線、紫外線、大気汚染に含まれておりますが、体内からも発生します。

私たちの細胞の中にはミトコンドリアという、酸素を吸ってブドウ糖からエネルギーを作る製造工場がありますが、そこからの有害な排気ガスが活性酸素です。

これが自らの細胞を攻撃し、ガンや生活習慣病の原因をつくり、老化を進行させます。

この活性酸素という言葉は、アンチエイジング医学ではよく登場します。キーワードのひとつです。

さて、皆さんは、UVケアのように熱心に、体内臓器の健康管理は、日頃から気を配っておられますか?でも正しい健康管理方法がわからないと言う方も多いのではないでしょうか?

今から10年前にアメリカのウィスコンシン大学で20年間にわたって普通のエサを与えられたサルと30%カロリー制限したエサを与えられたサルの老化を比較した論文が発表されました。

普通のエサのサルは目に力がなく、白髪で毛並みも艶がなく、背中が曲がった老人ですが、カロリー制限したサルは、毛並みも良く、眼力も鋭く、歩く姿も勇ましい青年のようです。写真を見るとこの違いに皆さんびっくりします。

この論文以来、カロリー制限という言葉もアンチエイジング医学のキーワードの一つとなっております。

実は同じ年にもう一つの論文が発表されました。レオナルド・ギャランティー博士の酵母菌の長寿遺伝子の発見です。

カロリー制限すると長寿遺伝子のスイッチがオンになり、寿命が延びるという内容でした。奇しくもカロリー制限という言葉がここでも登場しました。

この長寿遺伝子とは、細胞の設計図といわれるDNAに傷が付かないように保護するシートの役割をする遺伝子です。

このような長寿遺伝子はすべての人間誰でも保有している遺伝子なのですが、スイッチがオンになっている人とオフになっている人がいるというのです。

アンチエイジング医学は長寿遺伝子のスイッチをオンにする方法を研究、実践する医学であり、元気で長寿を享受することを目指す実践的科学であります。

あなたも長寿遺伝子のスイッチをオンにしてみませんか?

2010年9月8日水曜日

86歳のおばあちゃんのアンチエイジングの挑戦

先日、86歳の御婦人のアンチエイジングドックをいたしました。結果は実年齢より高齢に判定され、残念な結果となりました。後日、結果説明とアドバイスをいたしました。

まず、これまでに運動の習慣はありますか?とお聞きしたところ、長い間、ヨガと1時間の散歩を毎日欠かさずされていたということでした。

ただ、5年前に腰椎椎間板ヘルニアの手術をしてそれ以来、運動はしなくなったということでした。この5年間の運動不足が悪い結果にでたのだなと思いました。

このおばあちゃん、お話をしていても86歳には到底思えないほど反応がよく、耳も達者で頭脳は明晰でした。

まず、これまでの食事習慣についてお聞きしましたが、、長寿のための理想的な食事をされておりました。魚は週5回は食べておられますし、リンゴは半分毎日食べておりました。また、よく噛んで食べておりました。

しかし、残念ながら糖尿病予備軍の検査データがありましたので、インスリンを上げない食べ方についてアドバイスをいたしました。たとえば、ご飯はお茶碗半分で一番最後に箸をつける、糖質は1食40g以内に抑えるとか、高齢になるとタンパク質が減少するので大豆食品を増やすように、、、とか。

次に、運動療法の説明をしましたが、以前運動習慣がありますので、左程伝授するのに困りませんでした。ただ、腰痛の持病がありますので無理はできません。椅子を使った腕立てやスクワットや腹筋などの高齢者用の軽いメニューの筋肉トレーニングを実践しながら説明いたしました。おばあちゃんも真似て実践してくれました。その動作の軽やかなこと、驚いてしまいました。手応えが十分ありました。

まず、習慣化するために、散歩する時間を決めてもらいました。朝は5時起床だということで本人の都合で6時から15分することに決めました。腰痛がありますのでまずはゆっくり無理をせずが原則です。これから涼しくなりますから気持ちよく散歩できるでしょう。

次に、筋肉トレーニングをする時間を検討しました。朝食を7時から取りますから後片づけが終わって8時から10分だけすることに決めました。夕方も5分だけ筋肉トレーニングしてもらうことにしました。夕食後1時間後です。

まずは、運動をする習慣をつけてもらうことが肝心です。そのためには毎日同じ時間帯に短時間だけ苦しくない程度の軽いメニューからすることが秘訣です。

ご本人もやる気になっていただきましたので、次回3ヶ月後に運動や食事療法が順調にいっているか確認して、順調ならご本人の体力に応じてレベルアップする予定です。

まずは、今の健康状態を客観的に把握していただき、正しい運動、正しい食生活を知っていただき、習慣化してもらう。3ヶ月後に、その成果をご自身で感じてもらい、本人のやる気を後ろ盾することが、次回のアドバイスの目的になります。6ヶ月後には再度、アンチエイジングドックをして、さまざまな検査を数値化して比較検討します。

恐らく、このおばあちゃんは6ヶ月後には、5歳は簡単に若返っていると思います。今から楽しみです。

2010年9月2日木曜日

ドクター江部の「やせる食べ方」=糖質制限食の効果

2010年4月第1刷発行の 京都の名医がおしえる「やせる食べ方」 江部康二著を買って読みました。以前からブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」は拝見しておりましたが、糖質制限食の内容を知りたくて読みました。私も4年前から糖質制限食を自己流でやってきて、その効果のほどは実証済みであります。

ドクター江部の1回の食事の糖質の総量は20g以内ということです。精白米ご飯で勘算すると56gに相当します。茶碗普通盛りで150gですので、約3分の1です。糖質は米やパン、麺類などの小麦粉などの主食以外にもイモ類やカボチャなどの根野菜にも多く含まれます。また果物や調味料、ビールなどの醗酵酒にも多く含まれますので、ドクター江部の糖類20g以内という目安はかなり厳しい感じがします。

私の場合、それに比べるとまだ穏やかな制限です。唯一決めているのは、昼食はソイジョイ2本。朝と夜のご飯はできるだけ五穀米にして90gということです。五穀米90gは糖質31gに相当します。それ以外は野菜、魚が中心の主菜と果物です。ビール350ml(糖質10.9g)は欠かさず飲みます。その後焼酎100ml(糖質0g)を飲みますので、夜食だけで糖質は50gは超えていると思います。

それでも、今までの食事から比べればかなり糖質は制限しております。体重も15kgが徐々に減り健康体になりましたから糖質制限はカロリー制限や脂質制限より明らかに減量には効果があると思います。理想的体重になってからも同様の食事をするとさらに体重が落ちますから逆に体重を維持することに気をつけなければなりません。

さて、そのメカニズムですが、糖質は摂取すると消化器粘膜から吸収されて血糖が上昇します。するとインスリンがすい臓から分泌し、ブドウ糖は筋肉や脳に取り込まれます。ブドウ糖はエネルギー源として使われます。また余分なブドウ糖は肝臓で脂肪として貯蔵されます。

一方、糖質制限をすると、身体を動かすエネルギー源は摂取されたブドウ糖が少ないので肝臓で脂肪酸を分解してできたブドウ糖を使います。これは糖新生と言いますがその製造には余分のエネルギーを消費します。つまり、脂肪は分解してくれるし糖新生で運動をしなくてもエネルギーは勝手に消費してくれるし、余分な脂肪は確実に減る仕組みなのです。

しかも糖質制限するとインスリンの分泌も少なく節約できるので糖尿病にもかかりにくいし、インスリン量が安定しているので食欲をコントロールしやすいし精神的に安定します。さらに細胞の酸化を抑えますので老化を食い止めます。

現代の人間の食生活をみると明らかに糖質に頼っているところがあります。スーパーマーケットに行っても恐ろしいほどに糖質の山です。野生のトラがスーパーマーケットに紛れ込んで陳列棚の食品を食い漁ったら間違いなくそのトラはメタボになり病気になることでしょう。

脳のエネルギー源は唯一、ブドウ糖だけという迷信に囚われ、糖質から抜け出せない方、すでに糖質中毒になっているかもしれません。

2010年8月18日水曜日

家森幸男先生の健康長寿の食生活

カスピ海ヨーグルトを日本に普及させたことでも有名な家森幸男先生。今も武庫川女子大学健康開発研究所所長として、健康長寿の食生活をテーマに世界調査を続けておられます。この先生の総説がアンチエイジング医学会雑誌2010 Vol.6 No.4 に載ってましたので紹介します。

題名は、世界調査からみた健康長寿の食生活ーアボリジニから学ぶー  です。

結論から言うと、健康長寿の国の人々の食べている食材は、魚と大豆とナッツ類。成分で言うとタウリンとマグネシウム。

逆に短命な国の人々の食べている食材は、塩、精白米、精白小麦、肉、大量の脂肪、つまり、食生活の都市化、工業化、欧米化が進行している国が食べている食材です。

要するに肥満の多い国、代表的地域で言うとアメリカ、現在のオーストラリアのアボリジニ民族の地域、カナダのニューファンドランド島です。

アボリジニ民族は、アフリカで誕生した人類が地球上を移動し、日本より遥か遠いオーストラリア大陸に上陸するまで飢餓に打ち勝って生き延びてきました。

このような困難な条件を克服してきた過程で、優れた倹約遺伝子を有して来たわけです。

この民族が、飽食の時代になって伝統食を失い、欧米化した食生活に急激に変えてきたから、身体が正常に代謝できずに心血管疾患を中心とした生活習慣病が沢山出現し、短命になったと言われております。

日本人も然りです。倹約遺伝子をしっかり持っています。だから、欧米人より糖尿病、脳梗塞、高血圧などの生活習慣病になり易いのです。

もともと、アボリジニ民族は主食がマカデミアンナッツ、主菜は魚介類でした。つまり、ナッツからはマグネシウムを摂取し、魚介類からはタウリンを摂取してきたということです。


一方、長寿国である中国貴州省の貴陽という地域、ミャオ族の住んでいる地域は主食が大豆、主菜は湖から採れる淡水魚、大豆はマグネシウムの豊富な鍾乳洞の石灰を用いて豆腐を作ります。ミャオ族は心血管疾患が少なく長寿です。

日本も、第二次世界大戦前までは、シジミのみそ汁に野菜、ひじき、おから、雑穀米の食事でした。京都では特に、出汁を効かした塩分控えめの薄味が主流です。沖縄も長寿県と言われておりましたが、最近、食の欧米化で肥満者が増加しランキングを下げております。

私的解釈も入れますと、肥満にならない食生活、つまり精白米、精白小麦、炭水化物、糖分の過剰摂取は避け、魚と大豆と野菜を中心とした食事が倹約遺伝子所有の日本人には適しているということですね。

2010年8月4日水曜日

トランス脂肪酸とは?

さて、アンチエイジングにとって、油は大変重要なキーワードになります。油は酸化されやすく細胞の老化を早めてしまうからです。

だからといって油の摂取を減らせば良いということではありません。油は細胞膜やホルモン、ビタミンDの原料になるので身体には欠かせないものだからです。

要は良質の油を必要最小限に摂取せよということになります。

最悪な油はトランス脂肪酸。欧米では、食べるプラスチック、常温でおいても腐らない油、ネズミも口にしないと、最悪な油の代名詞にされています。

天然に存在する脂肪酸は、液体でシス型という立体構造を形成してますが、これに水素添加をすると、常温でも半固形で、加工しやすく保存性の優れたトランス脂肪酸ができるわけです。また、植物性油も高熱処理する時もトランス脂肪酸が発生します。

トランス脂肪酸の悪玉といわれる所以は、動脈硬化作用、発がん作用があるからです。トランス脂肪酸は、血管にコレステロールを沈着させる悪玉(LDL)コレステロールを増加させ、その一方血管からコレステロールを運び去る善玉(HDL)コレステロールを低下させるといわれております。それによって動脈硬化が加速し心筋梗塞などになりやすいと言われています。

先進国ではすでにトランス脂肪酸を含む食品の一部は販売禁止、ドイツはトランス脂肪酸を含むマーガリンは完全販売禁止です。ニューヨーク市も含有食品の販売を禁止、日本は残念ながら行政的な規制はありません。

一部食品メーカーは自主的に含有量を低く抑える取り組みをしていますが、ファストフードに使用する油はまだ、トランス脂肪酸の含有量は多いようです。

家庭内でも身近にあるトランス脂肪酸の多い食品を挙げますと、マーガリン、クッキーなどの西洋菓子、コーヒーフレッシュ、インスタント食品、冷凍食品、何度も加熱されるフライ物などです。

基本的に訳のわからない油ものは口にしないことが賢明かもしれません。

現在のところ、推奨される油は、オメガ3脂肪酸といわれる種類でアルファリノレン酸(エゴマ油、アマニ油に多く含有)やEPA、DHA(イワシやサバなどの魚油)やオメガ9脂肪酸(オリーブオイル、グレープシードなどに多い)が挙げられます。

10年前にリノール酸神話として推奨されていたオメガ6脂肪酸(紅花油、大豆油、ひまわり油など)は、現在ではアレルギー性疾患や自己免疫疾患を悪化させるとして、取り過ぎに注意したほうがよいということになっています。これも無責任な話ですが、医学の進歩とともにあえなく神話は崩壊したわけです。

2010年7月17日土曜日

アンチエイジング・ミニドックのサマーキャンペーン中

当院、福島耳鼻咽喉科では只今、アンチエイジング・ミニドックその他、各臓器別検査(血管年齢、骨年齢)のサマーキャンペーン中です。

アンチエイジング・ミニドックとは、血管年齢、骨年齢、筋年齢、神経年齢の4つを測定する簡易の検査です。

ホルモン検査など血液検査を省いているために、お手頃な値段でできる基本的な体内年齢を調べることができます。

入門編として検査されてもいいですし、定期的に経時的変化を把握するにも有効だと思います。

検査時間は、予約なしで30分、説明、アドバイスは別日予約で10分です。

通常8400円(税込)ですが、サマーキャンペーン中、8月末までは7000円(税込)にしています。

また、血管年齢は通常1500円(税込)が1000円(税込)、骨年齢が通常2100円が1500円(税込)になっております。

またとない機会ですので、是非、御調べになることをお勧めいまします。

健康管理に日頃、がんばっておられる方、是非、ご自分の日頃の成果を数値で把握されて、参考にされてはいかがでしょうか?

実年齢より若く評価されると、実に嬉しく、また、明日からの健康管理の向上心が湧いて来ますよ。

逆に、健康を気にはしてても、日頃の健康管理は特にしていないという方、是非、この際アンチエイジングドックを受けて、ご自分の体内年齢を調べて弱点があるなら、強化するためのアドバイスをいたしますので、若返りの強化対策を一緒にしていきましょう。

アンチエイジング医学は若返りの医学であり、究極の予防医学です。病気にならないための身体作り、つまり、健康の危機管理です。

地震に備えて、耐震設計の家に改造したり、防災グッズを用意するのと同じです。地震が起きてからでは手遅れです。

2010年7月14日水曜日

私のアンチエイジングドックの7ヶ月後の成果は?

私(現在の実年齢51歳、男性)は、昨年11月と今年6月に、アンチエイジングドックを受けました。今回は、その成果はいかに?というお話です。

老化判定グラフから比較します。筋年齢38歳>>39歳、血管年齢53.8歳>>48.0歳、神経年齢38.0歳>>39歳、ホルモン年齢38歳>>39歳、骨年齢35歳>>36歳。血管年齢以外は1歳年齢が増した分1歳臓器年齢が1歳増えてます。

特筆すべきは血管年齢です。7か月前は53.8歳で実年齢より3.8歳老けてましたが、今回は48.0歳で、実年齢より3歳若返りました。

単純計算で血管年齢の若返度は5.8歳です。他の年齢も実年齢から比較すると実年齢より12歳若く、オプチマルレンジ(理想的健康年齢)範囲内ですので、まずは合格点だと思います。

今回、血管年齢が若返った原因を検討すると、

①ホモシスチロールのサプリメント内服
②減塩食
③野菜中心、低炭水化物の食事
④ウォーキングと筋トレによる運動

ホモシスチロールは葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12含有のサプリメントです。肉食から摂取されるメチオニンから代謝されるホモシスチンを減らします。

ホモシスチンは過剰になると悪玉コレステロールのLDLと肝臓で結合して血管内に運搬され、マクロファージに貪食され動脈硬化を促進するといわれています。

これが、今回の血管年齢を改善させた最大の原因だと思っています。

なぜなら、それまで②から④までは1年以上継続していたわけで、新たにホモシスチロール内服が追加することで良好な成績になったわけですから。

実際、ホモシスチンの数値も13.1nmol/mlから9.9nmol/mlに低下し、葉酸の数値も4.0ng/mlから112.0ng/mlに増加しました。

アンチエイジングドックを経時的に施行すると、健康管理の成績が明確に出てきます。これは、確実にモチベーションが上がります。弱点が見つかれば、そこに集中して強化対策も取れますから非常に良い指標になると思います。

2010年7月9日金曜日

酸化ストレスを測定できます

酸化ストレスとは、活性酸素やフリーラジカルによって細胞が酸化傷害を生じ、脂質の過酸化反応、タンパク質の変性、DNA損傷を引き起こすことがわかっています。この酸化ストレスが老化や癌を始め種々の生活習慣病の原因になっていると言われています。

ですから、活性酸素やフリーラジカルを①外部から体内に入れない、また②体内で作らない、③作っても除去することが重要になってきます。

でも、活性酸素やフリーラジカルは全くの悪玉かというとそんなこともなく、殺菌作用や抗腫瘍効果もあり、重要な役割を果たしています。要は、過剰な活性酸素、フリーラジカルの暴露を避け、防御機構が正常に働いて、バランス良く機能していれば問題ないわけです。

活性酸素は、外部からは大気汚染、放射線、紫外線、タバコが挙げられます。

体内で生成するところは、主にミトコンドリアというエネルギー製造工場です。食べ物を原料に酸素を介してエネルギーを作りますが、活性酸素やフリーラジカルは、工場から出る排気ガスのようなものです。

この活性酸素という排気ガスを除去してくれる防御機構が、私たちの身体に中には誰でもあるわけですが、この機構が働くためには条件があります。

それは、運動している時と空腹でいるときです。

ですから、運動、腹7分目のカロリー制限は非常に健康のためには良いということが科学的にも立証されているのです。

活性酸素を除去する機構には3段階の防御網があります。

第1段階は、SODやカタラーゼやグルタチオンペルオキシターゼという酵素群です。第2段階としては、私たちが食べ物やサプリメントから摂取するビタミンCやビタミンEやCoQ10などの抗酸化物質です。第3段階が、酸化傷害を修復するホスホリパーゼやプロテアーゼなどの酵素群です。これらの防御網をくり抜けた細胞が、老化や病気の原因になっていくわけです。

基本的には、運動とカロリー制限と抗酸化物質の摂取が酸化ストレスから身体を守るためには必要になってきますが、個人差が大きいですので、データとしてご自分の酸化ストレス度や抗酸化力は知っておいたほうが賢明だと思います。

それに対する対策方法もありますから、きっと改善してくると思いますよ。

因みに、私の場合、昨年2月の酸化ストレス度(d-ROM)が400と中程度ストレスレベル、今年の6月の酸化ストレス度が314で軽度ストレスレベルに改善しました。(200-300:正常)

ちょっとは、サプリメントと運動とカロリー制限の効果がでてきたのかなとホッとしておりました。

2010年7月7日水曜日

筋肉が喜び、代謝フル回転するウオーキング

ストレスを感じると体内から分泌する副腎皮質ホルモンであるコルチゾル。これを測定することによりあなたのストレス度を調べることができます。

コルチゾルは脳の記憶を司る海馬にダメージを与え脳委縮を起こすといわれていますので、コルチゾルは10.0μg/dl以下が理想といわれています。

昨年9月の私のデータが19.2μg/dlでしたのでかなり、ストレスを抱えていたことがわかります。

ストレスを解消する方法として良いとされていることが、リズム運動だということでした。単純なリズム運動としてはウオーキング、ゆっくりとした腹式呼吸をする座禅やヨガがあります。

これによって脳内から癒しのホルモンであるセロトニンが分泌されるとストレスは解消されるということでした。

また、映画やドラマを観たり、人に悩みを聞いてもらって、涙を流すということも脳がリセットできる良い方法のようです。私は特に前者のウオーキング1万歩と座禅(精々10分ですが)をしました。

これが功を奏したのか、今年の6月に測定したコルチゾルが9.4μg/dlでした。なんとか正常範囲内に到達しました。

また、DHEA-sという性ホルモンの前期物質ですが、これは歳とともに低下するホルモンですが、長寿者ほど数値が高いことが知られており、長寿の指標にしたり、元気度の目安になります。理想的な数値として2000ng/ml以上とされており、DHEA-s/コルチゾルの比が20以上が理想とされております。

昨年の私のDHEA-sが1529ng/ml、今年の6月が2180ng/mlと上昇しておりました。ですから昨年のDHEA-s/コルチゾルは7.96、今年が23.2で、かなり理想的数値にまで改善されております。

やはり、人間の本来の太古の昔から備わっている狩猟の遺伝子に則り、一日10km以上草原を駆け廻って食べ物を獲るという行為は身体の代謝が正常に回転し、善玉の遺伝子を選択的に活性化されているのだと痛感します。

筋肉を動かして初めて動き出す代謝、筋肉をあまり使わない現代社会において身体の本来の代謝が不完全燃焼している人々が沢山いると思います。

炭水化物過剰摂取、運動不足からインスリン過剰消費を起こしたら糖尿病になるし、ストレスと運動不足からセロトニンの分泌不足を起こしたら、うつ病になるし、現代病は肥満とストレス社会と運動不足が原因であることが多いように思います。

歩くと言うことはお金もかからないし、怪我をするリスクも少ないので、大変よいアンチエイジング法だと思います。

是非、太古の昔から長い間保存されてきた生命維持に不可欠な狩猟遺伝子を大いに活性化するために歩きましょう。

2010年7月3日土曜日

動脈硬化予防にはホモシスチイン対策がお勧め

先日、久しぶりに動脈硬化の程度がわかる加速度脈圧計で測定しました。CAVIという機械で測定所要時間は3分くらいで簡単です。

昨年の3月のデータが右8.5、左8.2と高め。8.0未満が正常で、8.0以上9.0未満が注意領域、9.0以上が動脈硬化領域となります。

だから、ちょっと注意領域で、実年齢の平均値より少し高いので気になっていたのです。

それから、動脈硬化を軽減するためにしたことは、350gの野菜の摂取、炭水化物の摂取制限(70g)、塩分制限(6g)、有酸素運動(ウオーキング、1万歩)と筋トレ。

それで6か月経過して、昨年の10月のデータが右8.4、左8.0とちょっとだけ下がった?誤差範囲かな?でもまだ、注意領域内。

そこで、肉食制限とホモシスチンというアミノ酸の蓄積を抑える効果のある葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12が含まれているサプリメントを飲み始めました。

このホモシスチンとは動脈硬化の原因として注目されている物質です。動物性たんぱく質のメチオニンから肝臓で代謝されるホモシスチンですが、過剰にホモシスチンが存在すると悪玉コレステロールのLDLと肝臓で結合して、動脈壁に存在するマクロファージに貪食され、泡状細胞になって血管壁にプラク形成して動脈硬化が進行すると言われています。

だから、LDLが正常でも動脈硬化が進行している人は、ホモシスチンの数値が高い人が多いのです。

実際、私の昨年の9月のホモシスチン値が13.1(正常は7.0以内)と高かったのですが、葉酸含有のサプリを飲んでから9.9まで下がりました。

しかも、今年の6月のCAVIのデータが右7.9、左8.0とちょっとだけ正常範囲内に改善しました。

また、血圧も改善しました。昨年3月が140/90だったのが、今年の6月は123/83になりました。

このホモシスチンを抑制するサプリメントは各社で売られていますが(たとえば、商品名ホモシスチロール、ダグラスラボラトリーズ、ジャパン社)、1日1錠で20円しないくらい安いサプリですから経済的です。

たしかに血圧降下剤や脂質異常改善剤のスタチンは良い薬ですが、境界ラインの人や加齢による動脈硬化を未然に予防したいと思う人にはお勧めのサプリだと思います。

2010年6月25日金曜日

老眼に対するアンチエイジング

悲しいかな、50歳を過ぎてから私も近くのものに焦点が合わなくなりました。世に言う老眼です。このあまりにも直球な言葉、シニア世代にはきつ過ぎます。たとえばジェントルアイとかカッコいいネイミングにしてほしいものです。
さて、この老眼、従来なら老眼鏡をかけるしかないところでしたが、今やまだ、オプションがあります。

遠近両用タイプのコンタクトレンズと外科的治療。外科手術は白内障のとき用いるマルチフォーカル眼内レンズ、

また、角膜アプローチとしてモノビジョンLASIK、Conductive Keratoplasty(CK)、老眼LASIK、AcuFocusインレイ。

まだ、誕生して間もないのですぐに飛びつく気はないですが、長期の成績を見ながら検討したいと思っています。

さて、老眼の新治療は進行中ではありますが老眼の予防となるとまだ十分な治験はできておりません。これも手探りの状態です。機序的には酸化ストレスが大きな原因になっていることは間違いないことなので抗酸化物質の摂取はまずしなければなりません。運動も恐らく老眼にはいいと個人的には思いますが、医学的根拠はまだないようです。

これからの医学の発展を待つしかありません。でも、私には、結論がでてももう遅いだろうなあ。

2010年6月22日火曜日

顔の輪郭をよくするパタカラ


先日の日本抗加齢医学会でパタカラが話題になっておりました。

これは歯と唇の間に挟めて口唇を閉鎖することで、口唇周辺の骨格筋の筋トレをするものです。

本来の開発目的は、脳梗塞後の摂食障害や認知症を治療するための咀嚼機能の回復訓練法です。

顔面筋を鍛えると咀嚼と同様、前頭葉脳血流量が増加し、脳が活性化し認知症に効果があります。

また口腔咽頭筋が鍛えられ、嚥下障害や摂食障害、構音機能障害も改善します。

さらに、いびきや睡眠時無呼吸症候群の原因である舌根沈下も改善する可能性があります。

見た目のアンチエイジングとしては、顔面筋の表情筋を鍛えられますので、顔のたるみにも効果があります。

顔面筋を鍛えることは、皮膚組織の下に分厚い脂肪があるために外部から負荷がかかりにくく、難しいのですが、パタカラだと口腔内から負荷をかけるので直接、顔面の骨格筋を鍛えられるということです。

いつまでも若く、美しくあるために1回3分1日4回の絶え間ない努力をしてみませんか?

2010年6月20日日曜日

私のアンチエイジングライフ

2010年7月号のビバ弘前のリレーメッセージという欄の載る記事です。

私のアンチエイジングライフ

最近、マスコミでもよく耳にするアンチエイジングという言葉。若返りたい、美しくありたいといった美容的イメージが一人歩きしてますが、本当のアンチエイジング医学は、もっと体内の若さを追及しています、死ぬまで気力、体力とも充実した生活を維持したいという庶民のごく普通に抱く希望を叶えるための医学です。

しかし、従来の治療型医療にそれを期待できるでしょうか。病気になってから病院に行って治療するのではなく、自らが、日頃から病気にならないように、正しい食事と適度な運動と平穏な心の維持に努め、それに対し、医師は最新の医学知識を提供し、健康的な生活を送れるようにアドバイスをする、このような究極の予防医学がアンチエイジング医学の本当の姿だと思っています。

私がアンチエイジングに興味を持ったのは、愛犬のお陰です。愛犬が健康管理専属トレーナーをしてくれました。

早朝4時に起こしてくれるし、朝夕の散歩を催促するし、夜は留守にすると吠えるし、ウンチ、おしっこ処理に奔走させられるし、そうこうしているうちに、徐々に体調がよくなり、早朝から畑を借りて野菜作りを始めるようになり、ウサギのように山盛りの野菜サラダを食べ、ご飯を一日180gに制限し、一日1万歩歩き、朝15分筋トレをし、75kgあった体重は60kgまで減り、体脂肪率も9%まで下がりメタボリックな身体は、アスリート体型に変わりました。

このモチベーションを向上させてくれたのが、アンチエイジングドックでした。5つの臓器の体内年齢を測定して病的老化を見つけ出すもので、私も初めは体内年齢54歳と実年齢より4歳も老けておりましたが、今は38歳に若返りました。

また、血液検査でストレス度や元気度や免疫力を数値化できるので、根気のいるトレーニングの励みになりました。

最新の研究でカロリー制限をすると長寿遺伝子が活性化することがわかっています。また、栄養学にも革命的変化が起きています。

自分の体で若返りのメカニズムを体感できるのも楽しいことです。皆さんも一度体験され以前の自分に戻ってみませんか?

興味のある方は「弘前発!ハッピーエイジングライフ」ブログをご覧ください。http://hirosakiaginglife.blogspot.com/

まつ毛のアンチエイジング

6月11,12,13日の3日間、国立京都国際会館で第10回日本抗加齢医学会総会に出席してきました。今年も医学は着実に進歩していると実感した内容でした。しかし、革新的なトピックスというより、アンチエイジングの基本である食事と運動の重要性を再認識する内容であり、また、この日本のアンチエイジング医学の10年間を冷静に判断している科学者の目もそこにはあり、営利目的の強いサプリメントや美容関係の製品に対するエビデンスにも厳しい目を注いでいるように見えます。

実際のアンチエイジングは、昔からよく言われる養生訓に近い正しい生活習慣を身につけ、病気にならない身体をつくりましょうという地味な予防医学な訳ですが、しかし、身体に悪いとわかっちゃいるけど、してしまうのが人間で、そんな苦労をしなくても健康でいたい、若くいたい、美しくありたいという欲望は誰でもが抱いているのも事実です。

それに応えてくれそうなのも、アンチエイジング医学なので、注目を浴びているわけでもあるわけです。

さて、今回の総会で私が興味を持ったのは、まつ毛の育毛治療。今までにはそんな薬はなかった訳ですから初めての演題ではなかったかと思います。

最近、50,60歳代でもまつ毛メイクのエクステンションをつけている人をよく見かけます。歳にふさわしくなく、超長い人を見るとアレッと思ってしまいますが、確かに長くクリンと上向きにカールしているまつ毛をしている人は、きれいに見えます。

この演題は、湘南鎌倉総合病院形成外科美容外科の松尾由紀先生、山下理絵先生のところで発表しておりました。40歳代以降からまつ毛は徐々に短くなってくるようです。それぞれの年代で以下のような平均結果でした。20代6.275mm、30代 5.875mm、40代 5.15mm、50代 5.14mm 60代 5.3mm 70代 3.9mm

合成プロスタグランジンF2誘導体である睫毛育毛剤「Latisse TM」を16週間使用してもらった結果、平均4.2mmの育毛効果があったということでした。全例で密度が上がり、濃くなったと実感したということです。副作用は少数あり、眼瞼周囲の色素沈着、刺激症状、他部位の育毛などがあったということです。

ちょっと興味をそそられませんか?

2010年6月8日火曜日

幸福度を上げる方法

6月11日から13日まで第10回日本抗加齢医学会が国際京都会議場で開催されます。私も参加いたします。

じっくり勉強して来ようと思っております。毎年、新しいトピックスがあって飽きずに聞くことができます。本当に医学の進歩は目覚ましく、老化の仕組みが徐々に明らかになってきております。

ゲノム解析も進化してきていますので、近い将来、個人レベルでのゲノム解析によるテーラーメイド治療は十分可能なところまで来ております。

老化を食い止めることはできないにしても、老化を遅らせることはできる時代です。

しかし、ただ長生きすることが幸せに繋がるわけではありません。この世に生まれたからには万人が幸せに暮らすことが一番です。

人間、死ぬまで身体は健康で軽く、心は明るく楽しく、人様のためにお役にたてる仕事ができ、心地よい疲労感を感じつつ、熟睡する。これが基本形の幸せのスタイルだと思います。

出世とか名誉とかお金儲けとか、そんな欲望はいりません。ただ、健康で楽しく働けること。これに幸せは尽きると思います。

「他人のために働く」これが人間の場合、幸せのキーワードのような気がします。しかし、そのためには少なくとも自分は健康体であることが望ましいです。

セリグマンという大学教授が「幸福度を上げる方法」として、7つ挙げています。

①他人のためにお金を使う
②他人に親切にする
③他人を感謝する
④他人を許す
⑤自分の尺度で考える
⑥細部より全体を見るようにする
⑦その日の良い出来事を3つ記録する

また、ハーバード大学の心理学者のシャハー博士は4つの幸せモデルを挙げています。
①快楽型
②出世競争型
③悲観型
④至福型

これは現在の幸せ、不幸せと未来の幸せ、不幸せの組み合わせの分類となります。

④が現在も未来も幸せという型になります。つまり、今にも将来にも幸福を見出すことができるタイプ。

毎日の小さな幸せを一つ一つ積み重ねていくことが大事で、がんばって着実に積み上げることで、初めて幸福感を持続させ幸福度をさらに上げていくことができるとしています。

至福の人生を送れる人が、結局、健康長寿の人生を生きられるのかもしれません。

2010年6月4日金曜日

朝食は生野菜たっぷり



近くに農地を借りて畑で野菜を作ってます。今は、アスパラガスとサニーレタスと二十日大根と小松菜が収穫中です。朝の生野菜も早朝に収穫したものが食卓に出てくるので超新鮮。エゴマ油とワインビネガーとクレイジーソルトを配合して自家製ドレッシングで食べます。食べる順番は、まず、グリセミック・インデックスの低い野菜から。



魚はやはり、オメガ3の不飽和脂肪酸が豊富。DHA,EPAを摂取してボケつつある脳に栄養を。



タケノコ、津軽地方はこの季節、各家が早朝からお忍びのように山へ出かけてタケノコを採りに行きます。山の山菜のある在処は秘密です。



二十日大根の甘酢漬け、これも畑で採れたものを調理します。これがなかなか箸が進みます。



納豆かけご飯、ご飯は90gを秤で測って盛りつけています。知らぬ間に段々増えて行きますからね。醗酵食品は一日1食は食べたいもの。

2010年5月24日月曜日

感受性遺伝子診断でテーラーメイド医療

我が国の高血圧症の患者さんは約3500万人もいるそうです。放置すると、脳梗塞、心筋梗塞、腎臓障害など合併症が進行し、命にかかわる病気に間違いはありません。

基本は生活習慣によるものが多く、塩分の取りすぎやカロリーの摂りすぎによる肥満が主な原因であります。ですから、治療は、まず、塩分制限、カロリー制限を中心とした食事指導と体重減量を目的とした運動指導から始まります。降圧剤は2の次ということです。

さて、じっくり時間をかけて生活習慣を改善して、標準体重になったし、塩分も制限しているけど、まだ、高血圧があるということも実はよくあることです。つまり、生活習慣以外に高血圧の原因には遺伝的要因が複雑に関与しているということです。

ゲノム医学の進展で高血圧などの動脈硬化疾患に対する遺伝子診断が可能になってきました。つまり、遺伝子は各個人毎に一塩基多型(SNPs)のようなバリエーションがあります。動脈硬化疾患などが発症するリスクが高い遺伝子を持っているかどうかを調べることができます。

先天性疾患の発症前の遺伝子診断とは違い、病気になり易いかどうかを調べるもので、感受性遺伝子と呼ばれています。

たとえば、アンギオテンシン変換酵素(ACE)の欠失型の遺伝子を持つ人は血中ACE濃度が上昇、R-A系が活性化されて高血圧が進行しやすい。(まだ、仮説の証明は不明)よって、ACE阻害剤を使用する。

また、メチレンテトラ葉酸還元酵素のT677C型遺伝子を持つ人はホモシスチンの再メチル化に支障をきたし、血中ホモシスチン濃度が上昇し高血圧が進行する。よって、葉酸の摂取を多めにする必要がある。

このように、各個人の遺伝子情報を基にテーラーメイド治療が可能になっていっています。

まだまだ、保険診療ができる状況ではないですが、真に有効な治療をするために、自分のサイズにぴったりの洋服を仕立てるような医療ができればいいですね。

2010年5月13日木曜日

ストレス解消法には、腹式呼吸と情動の涙

ストレスは色々な病気の原因となります。また、老化の促進もします。記憶を司る海馬の神経細胞にダメージを与えます。さらに免疫力を低下させ、生殖機能も低下させます。

現代社会は、溢れる情報と高度技術を要する管理化社会のなかで人間関係は疎遠になり、ストレスの多い社会であります。この社会ではストレスをなくすることは不可能です。

私自身、ストレスの指標であるコルチゾール値は19と非常に高く、下げるために試行錯誤している状態でありますが、そう簡単には下がりません。

私のかかりつけの歯科医は、私の歯を見るなり、睡眠時の歯ぎしりを指摘し、医療関係者はストレスが多いからねえと言っていました。

ストレスをなくすることはできないので、どのようにストレスを解消するか?が問題となってきます。

よく言われるのは、運動や趣味や温泉、また座禅やヨガなど瞑想すること。また、笑いはストレス解消には良いことが一般的に言われてきました。

先日、たまたま、本屋さんで、積んでいる本のタイトルに目が行きました。手に取ってパラパラと見ました。作者は有田秀穂、 東邦大学医学部教授。タイトルが脳からストレスを消す技術。面白そうなので、買ってみました。

この本はストレスの機序や解消法を医学的に証明してくれて、改めて認識を深めてくれました。

我々の脳には3種類の脳があり、学習脳と仕事脳と共感脳であります。それぞれの伝達物質はドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンです。

簡単に言うとドーパミンは快楽、ノルアドレナリンは興奮、セロトニンは前者2つを抑制して、平常心を作ります。

セロトニンが十分にあると頭がクリアになり、元気がみなぎり、心は安定しストレスや痛みに強くなります。

一方、少なくなると、逆の症状がでて、ストレスに弱くなります。

では、どうやってセロトニン神経を鍛えることができるか?

それにはリズム運動、簡単な方法として推奨しているのが、腹式呼吸です。たとえば、座禅。

さらに情動の涙。映画やドラマで涙が止めどもなく涙は、確かにすっきり感があります。脳のなかのストレスが涙で洗い流れた感じをすることがあります。

早速、やってみることにします。

2010年5月5日水曜日

元気な百寿者になるために筋肉を鍛えよう

日本の百寿者は2007年で32295名です。男性が4613人、女性が27682人で女性が男性の6倍だそうです。

この60年間で300倍に増加しました。大変めでたいことではあるのですが、欧米に比べて寝たきりが多いこと
が懸念されます。

せっかく長生きしているのですから、元気でいてほしいものです。

寝たきりは、色々な原因がありますが、多くは骨折や変形性膝関節症や入院を要する病気が基で、ベット生活を開始しだすところから始まります。1週間ベット上の生活をすると筋力は20%低下すると言われます。さらに延期すると、即座に起立、歩行することは不可能になります。

退行性疾患にならないように、生活習慣から起こる病気はできるだけ予防する必要がありますし、もし、ベット生活を余儀なくされても、ベットからできるだけ離れるような努力は必要でしょう。

約30歳を超えると筋力は徐々に加齢性の筋力低下が起こります。2年間で約1%ずつ筋力低下し、40年間で25%の筋力低下するといわれております。特に腹部と大腿前部の筋力低下は著明です。起立する時も歩く時も大変大切な筋肉ですから、この筋力低下は致命的となります。

ですから、遅くとも50歳代から運動機能の低下の少ない時から無理をしない程度に、筋肉トレーニングと有酸素運動はするべきだと思います。

無理は禁物です。せっかくの運動が怪我の原因になることは多くあることなので、十分に注意して軽めから始めることをお勧めします。

特に、女性は、閉経とともに動脈硬化や骨粗鬆症が進行しやすいです。また、変形性膝関節症も多く発症しますので、運動したくてもできないということがよくあります。無理に運動して、骨折をするとか、膝関節を悪化させたという話はよく聞きます。自分の筋力や骨密度を調べて弱点があれば早めに対処したほうがいいでしょう。

最近、ロコモティブシンドロームという言葉をよく耳にするようになりました。運動器障害のために要介護となる危険性の高い状態のことを言いますが、高齢とともに、低栄養や筋肉萎縮が進行しているわけです。

中年者はメタボリックシンドロームが大敵ですが、高齢者になると、ロコモティブシンドロームに気を付けなければなりません。つまり、栄養過多より、消化管の吸収力低下などもあり、低栄養になりやすいのでタンパク質をしっかり獲る必要があります。

それと筋肉トレーニングと有酸素運動で筋力強化。

先程、軽めからのスタートをお勧めしましたが、実際に筋力を維持するには最大筋力の20%~30%の強度のトレーニングをしないと無理です。筋力増加のためには最大筋力の30%以上の強度が必要です。

ウォーキングでしたら、普通歩行では効果はありません。速歩で腕を振るくらいのスピードでないと効果はでないことが証明されております。でも、継続していくと、そのようなレベルに到達すると思います。継続は力です。コツコツと続けてください。

2010年4月22日木曜日

アンチエイジング商品は慎重吟味を

ネットを見ていると、若返る、元気になる、美肌になる、シワが消える、、、。魅惑的な言葉が溢れています。サプリメント、化粧品、健康グッズは、恐ろしいほど溢れ返っております。

著名人、有名人などの推薦となると、つい信用したくもなります。実際に健康商品は、長期間使用してみないと、効能は実感することは難しいということもあり、半信半疑で買って使用している人も沢山おられるだろうと思います。

我々アンチエイジング医学に携わる人間としては、科学的な根拠に基づいたものでない限り、無責任に推奨することは極に慎まなければならないと思っております。

今の日本の医学部で教えている西洋医学でさえ、医学の進歩とともに事実が覆されることも過去には多々あったわけです。統合医療、漢方医学、アーユルヴェーダ医学など世界には沢山の医学体系があります。長い伝統を持つ先人の知恵が濃縮された医学には、真実は存在すると思いますが、現在の医学では理解できないことも多々あります。

すべてを真摯な目で検証することは、医学を学ぶ人間としては必要だろうと思います。

私が今、検証しているものがいくつかあります。果たしてそれは、有効なのか、無効なのか、はたまた有害なのか?不明ではあるが、魅惑的なサプリメントかなと思っています。
①水素水  ②サンゴカルシウム  ③ゲロバイタル  ④DHEA  ⑤メラトニン

DHEAとメラトニンは抗加齢医学会でも推奨しているので、信憑性はありますが、それとて、長期の使用による効能の文献はまだないので、未知なところもあります。

ゲロバイタルとはプロカインという麻酔薬ですが、若返りの薬としてルーマニアのアナ・アスラン博士が開発されたものです。まだ使用したことがないので、ノーコメントです。

サンゴカルシウム、これはエビデンスがあるのだろうか?調べた限りでは、納得する文献には出会っておりません。

水素水、これは抗加齢医学会でもディベートされてことがありますが、エビデンスは確立されているものですが、市販されているものにはかなり、偽りのものが横行しているようなので注意が必要だろうと思います。

とにかく、今、アンチエイジング商品は、混乱の極致だろうと思います。偽物、悪い品質、管理不良など、さまざまな問題を抱えていることは確かです。第3者の評価機構の審査が必ず必要だと思います。

確かなのは、新鮮な野菜、果物の摂取とカロリーオーバーにならないことと適度の運動とストレスケアと生きがいを持つこと。

サプリメントは、エビデンスのあるものを自らが吟味し、自己責任のもとに慎重に摂取することをお勧めします。

2010年4月14日水曜日

「ドクター由美の脳力育成HACKS!」面白い本でした

早速、川田浩志先生の「ドクター由美の脳力育成HACKS」を読みました。ストーリー形式になっていて、今までのHACKS本とは違い、読んだ後の爽快感が大変良いです。

それこそ、川田先生が最後に書かれている幸福度100%になること間違いない本です。

脳に関する科学的根拠(エビデンス)だけのネタで構成されているところに価値があります。個人的見解は極力回避して、非常に客観的で説得力がでてきます。

さらにこれらの文献をつなぎ合わせて、ストーリー性を持たせ、読者に飽きさせない、休まず先を読みたくなるワクワク感があります。

これは爆発的に売れる予感が致します。ストーリーの内容を詳しく書くことは控えます。目次を列記します。目次だけだとなんら面白みは見えてきませんが、本編を読むときのお楽しみししてください。

1、プロローグ 脳は育てるもの
2、スタートライン 脳を知る
    遺伝は頭のデキを左右するのか?
    あなたが自分の脳力を向上できる科学的根拠
3、ホップ 脳を育てる準備をする
    脳に良い肥料を与える
    脳の環境を整える
    脳を上手に寝かせる
4、ステップ 脳を育てる
    ソンな思考を軌道修正する
    勉強脳を育てる
    サビない脳にする
5、ジャンプ 脳を活かす
    ストレスに勝つ
    仕事を征する
    幸せになる
6、エピローグ

2010年4月9日金曜日

サクセスフルエイジングの熱血男、川田浩志先生

4月4日、東京で日本抗加齢医学会主催のセミナーが行われましたが、今回も第4弾として著名な講師先生の講義を振り返ってみます。

今回は、アンチエイジング医学会でも特に有名な熱中男、東海大学抗加齢ドック准教授の川田浩志先生。オタク的雰囲気も若干醸し出していますが、自らの身体をアンチエイジングサイボーグ化し、動く抗加齢医学会の広告塔です。

さて、私も川田先生の著書を気づけば3冊持っており、新作の「ドクター由美の脳力育成HACKS!」をアマゾンで注文したばっかりです。また川田先生のブログをいつもチェックして新しい情報をゲットしております。自分もしっかりオタク化してました。

川田先生もアンチエイジングドック医として患者さんへのアドバイスに携わっておられますので、患者さんの生活習慣を変えてもらうことの難しさは、身に沁みて感じていることでしょう。しかし、川田先生の強みは何と言っても、身体から発散する情熱ではないでしょうか。それが患者さんの心を揺り動かすのではないでしょうか。

私が一番、感銘を受けたのは、川田先生自らのミトコンドリアDNAのハブログループの遺伝子診断。これはなかなインパクトがあります。つまり、人類がアフリカ大陸で発生してどこへ辿って日本人として今いるかを遺伝的に判断するというものです。

大変興味があります。自分の骨格からしてヨーロッパ系では決してないでしょうが、アジア系でもどの分類なのか?東アジアなのか中央アジアなのか南アジアなのか?自分のルーツを知ることは楽しみであります。しかし、これを知ることによってそれ以上の情報が得られるのかな?勉強不足なのでわかりませんが、たぶん何かがわかるのでしょうね。

また、肥満の遺伝子も調べていました。肥満、高血圧、メタボ、糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞の発症リスクをオッズ比で判定してくれます。これは、悪い結果が出ると、やはり落ち込みそうですがこの悪い遺伝子が発現しないような生活をするように気を付けるという気持ちが強く湧いてきそうなので、モチベーションを上げるにはいい検査だろうと思います。

もうひとつ、為になったことは、ホルミシス効果という言葉。本来は生体にとって有害なものが、ある程度の量だと、かえって体に良い作用を発揮する現象。つまり、わかりやすい例でいうと、お酒。多少の量のお酒は百薬の長ということ。これと同様に運動に関しても、適度の運動は良いが過度の運動は逆効果。さらに抗酸化物質、つまり、ビタミンCやビタミンEなどですが、これも気を付けないと毒になりえるということです。この辺のバランス。これが実は非常に大切です。つい、熱中すると陥りやすい逆ホルミスト効果。

川田先生は、このホルミスト効果を自分を戒めるように講義をされていたのが印象的でした。

私も今までに、健康に良かれと思っていた行為が、過剰になりすぎて有害になっていたことが多々あります。アンチエイジング指導医は特に気を付けなければなりません。

2010年4月8日木曜日

メタボリックシンドロームVS カロリー制限

前回に引き続き、先日のセミナーでメタボリックシンドローム(MS)とアンチエイジングというタイトルで慶応大学医学部老年内科の新村健先生が講演されました。MSもかなり世間に馴染んできた言葉ですが、まだまだ奥の深い症候群であることが、新村先生のお話で改めて実感いたしました。

まずMSの診断基準(2005年)ですが、ウェスト周囲径 男性85cm以上、女性90cm以上
これに加えて以下のうち2項目以上を満たす
①トリグリセライド150mg/dlかつ・またはHDL-コレステロール値40mg/dl未満
②収縮期血圧130mmHg以上かつ・または拡張期血圧85mmHg以上
③空腹時血糖値110mg/dl

この基準からすると日本人の男性の30%が当てはまり、予備軍も含めると50%以上にもなり、これはかなり厳しい基準であると世間では批判がありましたが、詳しく医学的根拠を聞くと納得させられます。

メタボリックシンドロームという名前が定着するまでには、20年近くの歳月がかかっております。1986年にMultiple risk factor syndromeという名前で登場しました。その後、1988年Syndrome X、死の四重奏、インスリン抵抗性症候群、さらに1999年にMatsuzawa Yが内臓脂肪症候群の名前で発表しました。これが、MSの概念の基礎となっていると思います。つまり、内臓脂肪型肥満がすべての元凶で、次々と同一人物に個々の疾患が重複するというものです。

その後、脂肪細胞から善玉アディポネクチンが分泌されることや肥大化した脂肪細胞からは炎症促進タンパクであるアディポサイトカインや血圧に関係するアンジオテンシノーゲンが分泌することがわかり、糖尿病、高血圧、高脂血症、動脈硬化とのメカニズムが明確になってきました。

一方、アンチエイジング医学の目玉というべきCRという概念があります。カロリー制限(Caloric restriction)ですが、このCRはまったくMSとはすべてにおいて真逆であります。MSとCRは脂肪細胞の機能を基軸に証明された発症機序はまったく逆方向のベクトルなわけです。すなわち、MSは老化促進モデルであり、CRは老化抑制モデルということが言えます。

なんと簡潔明瞭な位置づけでしょう。目から鱗が剥がれた感のあるものでした。進化する医学に感心いたしました。

2010年4月7日水曜日

アンチエイジングドックの主目的はモチベーションの向上

今回は、先日のアンチエイジングセミナーの聖蹟サピアタワークリニックのアンチエイジング外来をされておられる渡邉美和子医師の講義を拝聴して、感銘を受けたのでご報告します。

渡邉先生は、大変穏やかな雰囲気をお持ちの才女です。しかも美人です。アンチエイジングドックを担当し患者さんに対しても大変懇切丁寧に説明されるのだろうなと容易に推測されます。

アンチエイジングドックは、患者さんの病的な老化や老化危険因子を早期発見、生活習慣や食事の見直し、運動の推進、ストレスケアを指導することが目的です。

しかし、生活習慣改善や健康に対する誤った認識を是正させることは、意外に難しいことでもあります。

患者さんのライフスタイルを根底から変えさせるのは、患者さんの抵抗感も強く、素直に受け付けてくれません。患者さんの個人個人のライフスタイルに合わせてオーダーメードの提案が必要なんです。

基本的に患者さんの立場に立ってアドバイスを差し上げられればいいわけです。

患者さんの生活習慣に馴染んだ行動を提示し、まず、ちょっとだけを続けてもらう。これによって得られた成果を体感してもらう。本人が健康になったという体感を得られれば、それからは率先して行動を継続、強化してくれるというわけです。つまり、最初のきっかけを作ってあげることが目的だと言われました。成程と思いました。

渡邉先生も最初は大変試行錯誤されながらコツを習得されたのではないでしょうか。渡邉先生の書かれたテキストの一字一句が珠玉の言葉として私の心にも響いてきます。

渡邉先生は、アンチエイジングドックの主目的はモチベーションの向上だと明言しております。私もこれには賛同です。

今回、私は渡邉先生から大変貴重なヒントを得ました。
①まず、説明の仕方を違った視点からアプローチする。
②患者さんの治したいところに焦点を当てて、そこを糸口にするということ。
③患者さんの視点に立って患者さんの心に響く説明をする。
④患者さんのライフスタイルに合った行動のきっかけ作りをしてあげる。

このヒントを基に自分なりに説明の仕方を構築し、明日からの診療に役立てたいと思います。

2010年4月6日火曜日

女性ホルモン補充療法は長寿社会の生きる道

先日、4月4日、アンチエイジング医学学会主催のセミナーに行ってきました。行くたびに新たな発見があり、実り多い収穫を得ることができました。

6人の講師陣それぞれ感銘を受けましたが、今日の話題は、女性ホルモン補充療法について取り上げます。東京歯科大学市川総合病院の産婦人科医、高松潔先生の講義から拝聴したことをまとめたいと思います。

まず、今の日本の女性の平均寿命は86.05歳です。閉経年齢は平均50.54歳ですから、閉経後の約35年間は女性ホルモンの分泌が低下した状態で暮さなければいけないことになります。

むしろ同年齢の男性のほうが女性ホルモンであるエストロゲン量が多いくらいです。男女ともヒトとして生きて行くうえで、沢山の臓器がエストロゲンを必要としています。

ですから、エストロゲンが欠乏すると色々な症状が出現します。たとえば自律神経失調症状、精神神経症状、泌尿生殖器の委縮症状、脂質異常症、心血管系疾患、骨量減少症、骨粗しょう症などです。

前者が、いわゆる更年期障害症状ですが、特に、疲れやすい、肩こりがある、不安感などが多いようです。また、背景として機能障害以外に家族、仕事、コミュニティーの中で抱える悩みや女性性の喪失感、将来の不安があり、複雑に絡み合っています。

つまり、更年期障害とは自分の身体に自らが容易にほぐすことのできない糸でグルグルに巻きつけられた状態だというわけです。

後者の症状、つまり脂質異常症と骨粗しょう症。これこそ60歳を超えてから深刻に考えなければいけない現象です。

骨折、心筋梗塞、脳梗塞、そして認知症、挙句に寝たきり、悲しい老後ではありませんか。日本も50年前の平均寿命は70歳に届かなかったわけで、更年期障害についての十分な知識もなく、また期間も短かったわけで、社会的現象としての認識もなかったものと思われます。しかし、これからの将来は平均寿命は延長していき、女性の人生の半分を占める長い期間になるわけですから、真剣に検討しなければいけない時代になってます。

2009年、ランセットに一つの論文が発表されました。日本の2007年生まれの子の平均余命は107歳だそうです。現代よりさらに21年長生きするということです。

つまり、時代の流れは、長寿を許容せざるをえません。健康で長寿はすべての人の願いです。ならば、不足したホルモンは補って健康に長生きする道を選ぶしかないでしょう。

日本人は確かにホルモンという言葉に敏感です。危険な匂いを察知しています。確かに無知な医師が処方することは危険極まりないことです。また、乳がんのリスク、血栓症のリスクもあり、十分、投与前に説明をすることは必要です。

2001年WHIでショッキングな記事を出しました。米国での1.6万人の臨床試験で、女性ホルモン補充療法(HRT)群に乳がん(HRT群 38人 VS プラセボ群 30人 = 1万人当たり)が発病したというものです。また、心臓発作、脳卒中のリスクもプラセボ群よりわずかに多く発生しています。一方、大腸がんと大腿骨頚部骨折はHRT群が減少しているという結果でした。

乳がんの発病は確かにHRTの期間の累積に比例してリスクが増すことは事実ですから、投与期間については慎重であるべきでしょう。一方、HRT施行期間が長期になるに従って死亡リスクは未施行群より下がるという文献もあります。つまり、未施行群は乳がんや心筋梗塞や脳梗塞以外の病気でHRT施行群より早く死亡しているということです。

女性ホルモン補充療法は、今後、これらの問題を解決しながら進化していくことは間違いないでしょう。日本産婦人科学会も推進する方向のようで、頼もしい限りです。

将来も閉経年齢はそんなに変わらないと思うけど、寿命は延びて行っているわけですから、閉経後50年以上も女性ホルモンが欠乏した状態で女性が衰えモードで人生の半分を生きることはもったいないことだと思いませんか?

2010年3月29日月曜日

春になったり冬になったり、体調はいかがですか?

3月もうすぐ終了で、4月も間近ではあるのですが、弘前は今でも雪が降ったり、寒くなったり、なかなか春が来ません。春らしい天気になる時もあるのですが、翌日雪がドッと積もっていたり。

勿論、暖房はまだ欠かせないのですが、最近は、気温も上がり温度調節を低めに設定していると早朝、凍えるような寒さだったり、もうダウンを着るほどの天気でもないし、ジャケットだけで外に出るとえらい目にあったり、体内の温度調整が大変です。

体調が悪くなると、決まって登場するのがヘルペス。待ってましたとばかり出現します。自分では体調不良に気づかなくてもこの出現で、ああ、疲れてるんだと自覚しますので、良い健康のバロメーターではあるのですが、ないに越したことないですよね。

若い時はこんなことはなかったのに歳なのかな?いや、これにはなにか原因があるのだろうと色々と考えていたら、最近、体重が減っていたことが判明しました。

一昨日、温泉施設で体重計に久々に乗ったら58kgでした。BMIが19です。しばらく61kg,BMI22を維持して体調がいいなと思っていたのですが、びっくりしました。

これはすこし炭水化物とタンパク質をちょっと摂ったほうがいいなと思いました。カロリー制限が長寿に良いことはその通りなのですが、行きすぎは勿論良くありません。ベジタリアンも概して健康的な人が多いのですが、骨粗しょう症に気を付けないといけないとか、低炭水化物療法の行きすぎは、元気がなくなるとか脳の働きが鈍るとか弱点も十分理解しなければなりません。

また、サプリメントもあまりにも頼りすぎるのもよくありません。基本は食事から万遍なく栄養を摂るのが正解で、サプリメントも、補助的に使うつもりでいたほうがいいと思います。ビタミンAやビタミンEは脂溶性で体内に蓄積する物質ですから摂りすぎはよくありません。また、ビタミン摂取群のほうが短命だという報告も散見されたりしますので、サプリメントの過信には注意かと思います。


最近、100歳万歳で登場する高齢者の方を見て思うのは、まず、笑顔、家族に囲まれて暮らしている方が多いようです。長寿の秘訣を聞かれても、非常に謙虚の回答。秘訣はないとか、気づいたら100歳だったとか、運命なのかなとか、健康のための運動や食事を摂っているといった積極的な回答を期待しているのですが、長寿の人は概して無頓着です。

ただ言えるのは、生きていることに感謝していること、笑顔であること。これが秘訣かな?

頑張ってアンチエイジング医学を勉強している私にとって、頑張りすぎることは命を短くしていることだなと思う今日この頃です。

2010年3月17日水曜日

医療費を削減した地域医師会や開業医には功労金を

アンチエイジング医学とは究極の予防医学なわけで、病気にある手前の未病の状態からさらなる健康状態、つまりオプティマルレンジといわれる30歳代の健康状態を目標にしてます。

従来の医療は、病気になってから薬や手術などで治療していたわけですが、アンチエイジング医学が目指す医療は、病気になる前から病気になる危険のある生活習慣や運動不足や偏った食事を改めるように行動変容のためにアドバイスしたり、行動介入することです。

しかし、現状の日本の医療体制では、アンチエイジング医学が目指す予防医学はできません。医療経営は検査代や薬の処方、外来や手術の診療行為に対する診療報酬が大半で、患者の指導、健康アドバイスに対する報酬はごくわずかなのが現実なのです。

ですから、必要以上に薬の処方箋も増え、必要以上に検査をするというのが、日本の医療の現状かと思います。

しかも、患者さんは、自助努力なしで薬で治ってくれることを期待します。薬に対する信頼は確かに日本人は厚いと思います。それは日本の医学の進歩に認めている証拠でもあり、うれしいことでもあるのですが。

実際、高血圧症に対する初期の治療は、運動と減塩食事だと思いますが、どれだけの人が真剣に取り組んでいるでしょう。初めから自分の誤った生活習慣を改善することなく高血圧の薬を飲み、多くの医師が躊躇なく高血圧の薬を処方しているのではないでしょうか。

医師も患者に具体的に運動療法や食事療法などを時間をかけて指導、アドバイスすることは、根気のいる大変な仕事です。しかも、それに見合う報酬も十分ではない現状では尚更です。

また、生活習慣を変えることは、机上の指導やアドバイスでは不可能に近いとも言えます。「もっと運動してくださいね」「野菜中心の食事に変えてくださいね。塩分は6gまでですよ」といっても患者さんはその場では「はい、わかりました」と言われますが、どのような運動をしたらいいか?6gの塩分とはどのくらいで、どんな塩梅にしたらいいのか?わからないはずです。実演してみないと実際、行動変容に反映しないと思います。

周りのコメディカルのサポートが必要ですし、地域を挙げて健康教室を沢山、定期的に実践していくべきでしょう。


高血圧症の塩分制限指導だけでなく、禁煙指導然り、メタボリック症候群に対する運動指導、食事指導然り、すべて同じことが言えます。

これからは病気を治すために患者が病院で来る時代から病気にならないために医師が住民に啓蒙に行く時代になるでしょう。

これから病院も大きく変わらなければなりません。診療報酬体系も抜本から大きく変わらないと対応できなくなります。

住民は病気にならないに越したことはない。それを医師も望んでいるのです。

日本の医療費は年間36兆円を超す時代になりました。医療費は削減しなければなりません。未然に予防できる病気は、医師の啓蒙と患者の自助努力で予防していかなければなりません。

医療費の少ない地域を作るために地域の医師は協力して住民の健康を守る必要があります。医療費が少ない地域を作ったことに対して、国や県や保険組合は、地域医師会に功労金を支給、開業医に分配するとか、報酬体系を変えて行かなければなりません。

これからの開業医の役割は、このような所に活路を見出していくべきでしょう。そのことで確実に医療費は大幅に削減できると思います。

日本医師会、地域医師会、政府、厚労省すべてが一丸となってこれからの日本の医療改革をしていかなければ近い将来、医療費増大で日本は崩壊することは間違いないことですからね。

ですから、アンチエイジング医学は、その基盤となりえると思いますから益々勉強しなければなりません。

今日は、えらい鼻息が荒いなあ。こんなこと書くつもりはなかったのに、今の民主党を見ていると、将来の日本の先行きを憂いてしまいます。

2010年3月15日月曜日

歳を取ると時間が短く感じませんか?

日常の忙しさに流されている今日この頃。ただ、続けていることは犬の散歩と筋トレ。昼間のウォーキングは50%減。

一日があっという間に消えていきます。みんな平等に一日24時間あるはずなのに私の自由時間は短いと嘆いております。

8時間の社会奉仕的な仕事と2時間の雑務と7時間の睡眠と7時間の私的な時間、計算したらちゃんと7時間あるのにあっという間に毎日寝る時間がすぐ来てしまう。

早朝の邪魔されない4時間が私にとって至福な有意義な時間ですが、これもあっという間に終わってしまう。寝る時間は短くしたくないし、こうやって駆け足で歳は取っていくのでしょうね。

子供の頃は時間はもっとゆっくり経過していた気がするのですが、歳を取るとスピードがアップする気がします。

これは、行ったことのない場所に行くときは時間が長く感じるけど、帰り道は時間が短く感じるということと非常に似ているように思います。

ということは、私は人生の帰り道を歩いているのでしょうか?人生100歳なら今51歳ですから年齢的は折り返し地点は通過はしていますし、否定はしませんが、それでいいのだろうかと不安に思います。

時間が短く感じることは、老化による精神の衰えなんでしょうか?どうもネガティーブに考えてしまいます。

でも、恐らく、さっきの時間の感覚の違いは、未知な空間に入り、精神的不安を感じることから、ストレス、つまり快くない時間として記憶されるために時間を長く感じるのでしょうね。帰りは既知の空間ですからストレスが少なくなり不快な時間が短くなるから、時間が短く感じるのでしょうね。

歳を取ると、今までの経験量から未知の領域が減り、その分、不安を感じるストレスが減るために時間が短く感じると解釈していいのかな?

また、夢中になると時間を忘れて熱中しますよね。これも自分にとって快い時間を過ごしているから時間が短く感じるわけだから、精神衛生面でもよいことなんですね。

歳を取って時間を短く感じることは、いいことなんだ!なんか、こうやってブログを書いているうちに、自分で納得してしまいました。でも、これって、みんな知ってることでなにも目新しいことでもないですね。

今日は、徒然に頭を空っぽにしてブログをしたためてます。深く追求しないでください。自分のモチベーションを上げるための儀式みたいなもんですから。

2010年3月9日火曜日

スギ花粉症の薬は重症度と病型により使い分けを

いよいよ、弘前にも少しですがスギ花粉が飛んできております。まだ、飛散開始宣言はしておりませんが、松原先生の予測では3~4日後の3月12日頃でないでしょうか?本格的に飛ぶ始めるのは3月17日頃でしょうか?

スギ花粉症の治療は、基本的には、根治治療は難しく対症療法になります。つまり、症状を抑えるための治療ということです。

例年、重症の花粉症症状に悩む患者さんには、花粉飛散前後に薬物療法を開始する初期療法がお勧めです。鼻の粘膜の過敏性を抑えるのが目的です。

症状が悪化してから薬を飲んだのでは、十分な効果はあまり期待できないことがよくあるのです。また、不必要に薬の種類を増やしたり、強い薬を飲まなければならないのです。また、代表的な副作用の眠気に悩まされることにもなります。

花粉症の薬は、飲み薬と鼻に噴霧する外用薬を併用することになりますが、飲み薬は作用機序の違いにより8種類、また、噴霧外用薬も4種類ほどあります。それらを重症度と病型に応じて選択します。

患者さんの重症度、病型はさまざまです。最重症の人は、1日くしゃみ発作を20回以上、鼻を噛む回数が20回以上、1日中完全に鼻が詰まっている、寝れない、仕事や学業にまったく意欲が湧かないなど生活に支障を来たす状態になります。

病型は、くしゃみ・鼻漏型と鼻閉型の2種類になります。前者には抗ヒスタミン剤、後者には抗ロイコトリエン剤が有効です。

重症度と病型の組み合わせで薬が決まります。耳鼻咽喉科専門医であれば、花粉症患者さんを見れば、患者さんから申告されなくてもどの分類か、大体わかります。

一般的に医師は患者さんの症状を問診し、鼻内の視診と鼻汁好酸球検査の結果を参考に、薬を選択します。

基本的に、花粉飛散量に比例して花粉症症状は重症化しますから、花粉飛散情報は毎日チェックしていたほうがいいと思います。

薬には、効果の切れ味に違いがあり、また個人差があります。また、代表的な副作用である眠気も、程度の差と個人差があります。

軽い症状の時は、切れ味がなくても眠気の少ない薬を選択したり、重症の時には、眠気はあるけど切れ味が良い薬を選択し、また鼻噴霧用ステロイド薬を併用したり、最重症の時は、経口ステロイドを頓服として使ってもいいでしょう。

患者さんのライフスタイルによっても、薬は選択していかなければなりません。車の運転や学校の試験など、眠気が出たら大変です。絶対に眠気の出ない薬を選択します。逆に多少眠気が出ても効果の強い薬を希望する患者さんもいます。

患者さんのニーズは様々ですから、医師と相談して患者さんに合った薬をお互いに探していくことが大切だと思います。

大方の人は、花粉飛散量が大量な日で症状が強烈な時に、耳鼻咽喉科を受診します。ですから、待合室は人で溢れ返っています。1時間も待って3分診療、とりあえず薬をドッともらって帰るということになりかねません。

やはり、症状の軽い時、まだ花粉飛散が開始する前か花粉飛散の少ない時に、受診されることをお勧めします。

2010年3月8日月曜日

スギ花粉の予防、準備してますか?

青森市が3月5日にスギ花粉飛散開始しました。弘前市も今日あたり、飛散開始の報告が出る頃でしょう。本格的に飛び始めるのは後1週間くらいですが、敏感な人はすでにくしゃみ、鼻水、鼻づまりの症状が出ております。急いで予防対策を立ててください。

まず、対策を立てる際、大切なことは敵(スギ花粉)を知るということです。でも、肉眼ではスギ花粉は見えないのでわかりませんね。しかし、顕微鏡を覗くと見えてきます。スライドガラスの1平方センチメートル内に何個花粉があるか数えるのです。これがスギ花粉情報として、新聞やテレビやネットで公開されるわけです。ですからまず、この情報を得ることが一番です。

青森県には、青森県花粉情報研究会という会があります。弘前大学耳鼻咽喉科教室の松原篤准教授が主宰しており、ネットで見ることができます。

松原先生は、毎年、スギ花粉が飛散開始日を予想するのですが、すごく正確に予想されます。全国的に一般化した予想計算式というものがあるのですが、青森県の場合、雪や寒波の影響で、この計算式が使えず、松原先生は青森県独自の計算式を編み出し、毎年、ズバリと飛散開始日を当てるのです。その明晰な頭脳で競馬の予想もしてほしいといつも思っているのですが。

なぜ、それほどに花粉飛散開始日を予測することに情熱を傾けておられるかというと、症状が発症する前に薬を飲んだほうが効果があるからです。これを初期療法といいますが、簡単に言うと薬の予防投与ということです。この目的は、鼻粘膜の過敏性亢進を抑えておくためです。

さて、スギ花粉症の予防で一番大切なことは、何かというとスギ花粉からの回避です。つまり、スギ花粉を近づけない、スギ花粉から逃げるということ。

そのために、スギ花粉飛散の特徴を知っておくべきです。まず、風の強い日、天気の良い日はかなり飛びます。逆に雨の日は、ほとんど飛散しません、したとしても雨滴で洗い流されます。飛散の多い日は、できるだけ外出は控えたほうがいいです。

また外出するときは、マスク、ゴーグル眼鏡、帽子、花粉が付着しずらい衣服の着用に気を付けることです。また、室内に入る時も、室内に花粉を持ち込まないように掃うことです。外の洗濯物を干すのも控えたほうがいいです。

また、ストレスやウイルス感染が症状を悪化させたりしますので、日常生活でも規則正しい生活を心掛けたほうがよいでしょう。

スギ花粉症の方は国民の26%がいるわけですが、医療機関に受診する人は、そのうちの3分の1だそうです。残りの3分の2の人は、我慢しているか、薬局でOTCの薬を買って内服、点鼻外用していることでしょう。

我慢することが一番よくありません。咽頭痛、頭痛、睡眠不足、うつ状態、集中力低下など沢山の随伴症状が出てくる他に、ますます、アレルギー疾患が年々増悪してきます。

是非、耳鼻咽喉科に受診されることをお勧めいたします。

2010年3月7日日曜日

超清潔社会もアレルギー疾患の要因

さて、超清潔社会となった現代において、アレルギー疾患が増加したという話ですが、私は耳鼻咽喉科の医師をしていると、それがつくづく実感します。

学校検診をしても、20年前は副鼻腔炎が3割はいました。アレルギー性鼻炎は1割くらいでした。今ではアレルギー性鼻炎が3割います。副鼻腔炎は1割もいません。

私が小さかった頃、鼻を垂れた子供が普通でした。袖は鼻水を拭った後でカピカピになっていたし、寄生虫に罹っていた子もいました。私も虫下しを飲んでいた記憶があります。

幼少時に家畜を飼っている農家の子と都会でマンション暮らしの子ではアレルギー疾患の発症率は、明らかに後者が多いようです。また、兄弟間では第1子のほうが、第2,3子よりアレルギー疾患発症率は高いようです。

このことは、乳幼児期に様々な細菌やウイルスに感染する確率が高いほどアレルギー疾患に罹りにくいといえます。

つまり、細菌やウイルスを攻撃する細胞性免疫のほうに優位になれば、アレルギー疾患に罹りにくく、ダニや寄生虫を攻撃する体液性免疫のほうに優位になるとアレルギー疾患に罹りやすいと言われています。

生後1年以内に形成される免疫のバランスが外界からの異物によって優位の変化が生じてくるのです。

また、感染症に対する乳幼児期の抗生物質の使用もアレルギーに関わります。2歳までに上気道炎やその他の疾患に対してセフェム系抗生物質を使用していた群とペニシリン系抗生物質を使用していた群では、前者がアレルギー疾患に罹りやすいことが報告されています。

乳幼児期は腸管免疫が大きく関与するので、抗生物質による腸内細菌の変化は好ましくないわけです。

耳鼻咽喉科に通う乳幼児を観察していても、副鼻腔炎に罹患していても抗生物質は控えて、根気よく鼻水を吸引いたり、ネブライザー吸入したりしている子は小学校中学年にもなると、通院しなくなります。アレルギー疾患にも罹ってないようです。この間にしっかり免疫力を獲得していくんでしょう。

今、家畜の糞が注目を集めています。乳幼児を連れた母親が牛舎に足繁く通っているというニュースも耳にします。牛の糞を通販で売っている牧場も出現しました。家畜の糞のなかにエンドトキシンという物質があり、これに接触している乳幼児はアレルギー疾患に罹りにくいという論文がドイツのミュンヘン大学から出たのです。

昭和20年代まで日本も70%が農村で家畜と共存しておりましたが、今では家畜と触れ合う環境も失われています。現代のような細菌、寄生虫を遠ざけた超清潔生活を見直さなければならないかもしれませんね。

スギ花粉前線、弘前に接近!

ここ、津軽地方、弘前にもスギ花粉前線が間近に接近してきております。雪が解け始め春の到来で心浮き浮きする季節であるのですが、スギ花粉症の方にとっては憂鬱な季節の始まりでもあります。

今やスギ花粉症は日本の国民病と言えます。なんと、スギ花粉症有病率は26%です。年齢別だと、0~4歳が1%、5~9歳が14%、10歳代~50歳代が30%、特に40歳台は40%の高有病率です。

この10年間でスギ花粉症有病率は10ポイントも上昇しているのです。また、段々、低年齢化してきています。

さらに血液検査でスギ花粉特異的IgE抗体を調べるとスギ花粉に感作されている陽性率は50%を超えています。まだ、スギ花粉症が発症はしていないけど、将来に発症するであろう、いわゆるスギ花粉症予備軍が国民の半分もいるのです。

なぜ、このように、スギ花粉症が増えてきたのか?その要因は単一ではなく、複数の生活環境の変化にあると言われます。

最も大きな要因は、抗原量の増加、つまり、スギ花粉量の増加です。スギは戦後の国土復旧のための木材需要により植林が盛んに行われましたが、1975年頃より林業産業の衰退のため成長木の伐採が行われなくなりました。これにより、花粉を沢山産生する樹齢30~40年のスギの木が非常に増えているのです。

スギは1本の成長木で平均約1kgの花粉を産生します。日本のスギ林は450万ヘクタールで日本の国土面積の12%で、年間450万トンのスギ花粉量が飛散していることになります。ヒノキ花粉もスギ花粉と同類の花粉で花粉症を発症しますので、合わせると、650万トンにもなります。日本の人口1億2000万人で割ると、一人当たり、50kgの花粉に相当します。

林野庁は花粉の少ない品種改良と植林に取り組んでおり、10年後に花粉量50%削減を目標に掲げています。

しかし、アレルギーの原因はスギ花粉だけではありません。まず、始めに感作されるのは、塵ダニ(ハウスダスト)です。

気密性の高い住宅で、ベットやソファー、じゅうたんのある、冷暖房完備の部屋でテレビゲームをしたり、ビデオを見たりして、生活する現代では、乳幼児期に莫大な量のダニに曝露しております。そこでダニ抗体を保有してしまい、次にスギ花粉に感作されるのです。

それでは、ダニの少ない超清潔な環境で生活すれば、アレルギーは発症しないのでしょうか。否です。答えはそう単純なものでもないのです。

むしろ、超清潔社会になって、乳幼児期の細菌感染症が減少したことが、アレルギー疾患が増加した原因だというのです。

2010年3月3日水曜日

PPKを目指して

PPKってご存知ですか?そんな専門用語わからないという方も、正解を聞いたらズッコケてしまいます。ピンピンコロリの略なんだそうです。長野県の高森町で体力、健康つくりのキャッチフレーズとして、1979年から言われていたようです。わかりやすいと言えばわかりやすい。KY(空気が読めない人)というのが2,3年前流行りましたが、それ以前からあったんですね。すごい SY!(先を読んでる!)

いうまでもなく、PPKとは寿命までぴんぴんと生きて最後の数カ月でころりと死ぬ。これが、理想的な健康長寿社会であり、高齢になれば切にこの生き方を本人も家族も社会も望んでいます。

日本は世界で最も長寿の国の一つで、平均寿命は80歳を超えております。しかし、平均して亡くなる前6年余りは寝たきりや認知症の状況で生きております。

このことが、老後に対するみんなの不安であり、今後少子高齢化が進むに従って深刻な社会的問題となってきています。

寝たきりとは、つまり、簡潔にいえば、老化による筋肉の衰えによるもの。であれば、仕方のないものなのでしょうか?

実際、筋力の低下は日常生活のみの場合、1年間で1%だそうです。病気などで寝たきりになると2日で1%の筋力低下、宇宙飛行は1日で1%の筋力低下だそうです。

このことより、私たちが地球上で重力に対抗して死ぬまで2本の足で立っているためには、適度の運動が不可欠ということが言えます。

日本人の歩行歩数を調べてみると、50,60歳代では、4000~6000歩が多く、1万歩以上が2割以上ですが、70歳以上になると、歩行が4000歩未満の人が50%を超え、1万歩以上は1割以下だそうです。

加齢とともに、退行性疾患や骨粗しょう症や変形性膝関節症などで歩行が困難になってくるのが原因のようです。

つまり、寝たきりを予防するには、まず、退行性疾患にならないように早期から適度の運動が必要だということです。過剰な運動は怪我のもとですから気をつけましょう。

次に、認知症ですが、大別すると脳血管性認知症とアルツハイマー病があります。つまり、原因は脳動脈硬化と脳神経のタンパク蓄積ですから、これも生活習慣の乱れから来ることが多いと言えます。

予防法は、適度の運動、魚や緑黄色野菜の摂取、ストレスの少ない生活ということになります。これも早期から予防するに越したことはありません。

PPKを目指すのも、並大抵ではありません。個人個人の努力が必要だということです。地球上で生きていく以上、死ぬまで絶えず筋肉を鍛え、血管を鍛え、脳を鍛えなければならないということです。

地球で生きていれば、楽しいことも多くありますから、そのための最低条件だと思って頑張りましょう。

2010年3月1日月曜日

アスタキサンチンの凄い効果

さて、老化の一原因である活性酸素を除去してくれる抗酸化物質。ビタミンC、ビタミンE、αーリポ酸、コエンザイムQ10、ポリフェノール、カロテノイド、などが有名です。

その中で、カロチノイドは、主に野菜や果物に含まれている成分で、ガン予防効果があるといわれております。

カロテノイドはカロテン類とキサントフィン類の2種類に分類され、カロテン類ではニンジンに多いβ-カロテンやトマトに多いリコピンが有名です。

キサントフィン類はカボチャに多いルテインやエビやカニの表皮や鮭などの赤色色素に多いアスタキサンチンが有名です。

最近特に注目を集めているのが、アスタキサンチンであります。京都府立医科大学の消化器内科教授の吉川敏一先生を中心とするグループを筆頭にアスタキサンチンの効果を沢山の論文で発表しております。

 研究結果を箇条書きします。
LDLコレステロールの酸化抑制効果
冷えや肩こり、疲労などの緩和
眼精疲労の緩和、眼の調整力の改善
運動時の体脂肪利用のの促進
運動時の視機能向上
シミ、シワ、くすみなどの肌ダメージの抑制
睡眠リズムの安定化

私も、医療用サプリメントのアスタリールACT(富士化学工業株式会社)を一日2粒ずつ飲んでます。また、患者さんにも勧めていますが、効いているような気がします。患者さんの感想として、目の疲れがとれる、元気になる、ということを聞いてます。



確かに強力な抗酸化力があるようです。ビタミンCの5000倍だそうです。このデータを見ただけでも説得力がありますよね。私は沢山のサプリを飲んでいるのでどれが効いているかは判断できないのですが、このようなデータを信じて飲んでるだけなんです。

2010年2月27日土曜日

メタボリックドミノを食い止めろ!

2008年から特定健診、特定保健指導でメタボリックシンドロームについては馴染みのある症候群になってきました。

「メタボ」は肥満の代名詞のようになり、独り歩きしている状態で、ちょっと太ったおじさんも自虐的に使ったり、貫禄が出てきて満更でもないように思ったり、まだまだ、この症候群も軽く認識して、本当の正体を知らない人が多いように思います。



この図は慶応大学医学部内科教授の伊藤裕先生が作成した有名なメタボリックドミノです。御存じのようにドミノは上流のドミノが倒れ出したら一気に連鎖的に下流のドミノも倒れだし、止めようがなくなるというものです。

これが、「メタボ」の正体だ!と地獄絵図を見せられたようなショッキングな図であり、誤解されていた「メタボ」にしてみれば、わが意を得たりと納得させられる簡潔明瞭な図であります。おそらく医学界にも年間コピー大賞があれば、間違いなく大賞でしょう。

日本人のメタボリックシンドロームの人口は40歳以上の男性で2人に1人、女性で5人に1人の割でいるといわれております。この人たちがそのまま阻止せずにいると数年から十数年後には透析、失明、脳卒中、認知症、心不全になるのかと思うと怖い話です。

現在の日本では、高血圧患者3100万人、高脂血症患者3000万人、糖尿病1080万人います。透析患者は毎年10000人ずつ増加しています。これからもどんどん増えることが予想されます。

初めは生活習慣病の乱れから始まり、肥満が徐々に進行します。飽食の時代です、自らを律しないと中年になったら、一挙に進行します。次に、インスリン抵抗性が出現、つまり、インスリンがすい臓から分泌してもブドウ糖の細胞取り込みに異常が出てくる。

さらに進行すると、高インスリン血症となり、食後高血糖となる。と同時に高血圧、脂質異常が出現。このあたりでメタボリックシンドロームの診断基準に引っかかるレベルになるわけですが、すでにドミノは中流に来ておりかなり、動脈硬化も進行、脳心血管系や腎臓系のリスクも増加してくる状態です。

しかも、一つの病気だけではなく、糖尿病と高血圧と脂質異常が一人の人に時間差で次々発症し、動脈硬化も同時に進行し、最後のドミノが倒れるまで、容赦なく進行するのです。

また、下流で食い止めるのは至難の業です。no returnです。上流で阻止するしかないのです。生活習慣から地道に変えていくしかないのです。肥満を食事と運動で解消していくしかないのです。勿論、下流にすでに進行している人は、薬も使っていかなければいけません。でも、基本は上流の生活習慣の改善です。

アンチエイジング医学は、究極の予防医学ですから、メタボドミノに関して言えば、上流で未病の状態で介入するということが役割となります。

しかし、メタボドミノは、なんと、わかりやすい図なんでしょう。でも、なんて、恐ろしい地獄絵図なんでしょう。

2010年2月24日水曜日

良質の睡眠を摂ってますか?メラトニンに抗加齢効果

人生の3分の1が睡眠です。熟睡したあとのすっきり感はなんとも形容しがたい幸福感があります。ごきげんになりますよね。

一方、寝不足、浅い眠りは、疲れが残り、不機嫌になります。男女とも1日6~7時間睡眠が最も長生きするというデータがあります。7時間を超えても、短くても寿命が短くなるということです。不思議ですね。

さて、歳をとると、眠りが浅くなります。眠りの深さには4ステージありますが、高齢になるにつれて、ノンレム睡眠という深い睡眠は減少してきます。

このノンレム睡眠時には、老化を抑える成長ホルモンが分泌されます。最も多く分泌される時間帯が深夜2時前後だということですから、この時間帯にノンレム睡眠に入っていればベストということになります。

睡眠に関するホルモンで有名なのがメラトニンです。松果体から分泌される時刻情報の伝達物質ですが、他にも、活性酸素を除去してくれる機能や神経細胞を保護してくれる機能や骨吸収を抑制して骨粗しょう症を予防する機能もあることがわかってきました。

本来、メラトニンは必須アミノ酸のひとつであるトリプトファンからセロトニンを経て合成されるアミンという物質です。血中メラトニン濃度は光情報によって昼間に低く、夜間に高くなり、日周変動をします。しかし、加齢とともに減少します。70歳になると、ピーク時の10分の1になるそうです。

ですから、眠りが浅い、途中覚醒する、寝入りが悪いという症状を持つ中高年の方は、メラトニンの内服がお勧めです。しかも、抗加齢効果もありますから、願ってもないことです。

現在、日本ではメラトニンは医薬品として許可されておりません。ですから、海外から個人輸入するしかありません。

私も毎日寝る1時間前に内服しますが、良質の睡眠ができております。副作用も本来、体内で合成される物質ですから、補助的な分量であれば、問題ないと考えます。いずれにしても医師に相談の上に服用されることをお勧めします。

2010年2月22日月曜日

ビタミンDはエビデンスのあるサプリと注目

先日、日本抗加齢医学会雑誌の新刊が届きました。そこに興味深い記事がありました。慶応義塾大学の眼科教授で編集長の坪田一男先生のページです。

タイトルが「ビタミンDをもっと摂ろう!」でした。ビタミンDが米国のアンチエイジング医学の中で最もサイエンティフィックなエビデンスのあるサプリメントとして取り上げられているということです。

ビタミンDは骨粗しょう症ばかりではなく、うつ病、癌、自己免疫疾患、感染症、サルコペニアなど様々な病気に対してプラスに働くされていることが証明されたようです。

インフルエンザが冬に流行するのは、「冬は日光に当たる時間が少ないのでビタミンDの濃度が減少するからだ」という仮説があるようです。なるほど、そうかもしれないなと一人納得しております。

私が住んでいる青森県は冬の日照時間が短いので有名で、冬になると、朝から曇り空が続き、午後4時頃になると空は夕暮れとなり、5時には真っ暗になります。雪がシンシンと降り続けると、外出する回数も減り、気分も落ち込み、うつ状態になることが自分自身、よく体験することであります。

ですから、できるだけ昼、天気になったらウォーキングを30分するように心がけるようしております。確かにそのように日光に当たると気分はよくなります。

でも、坪井教授は、まだ、血中ビタミンDの最適値には達しないといいます。サプリメントで5000IUのビタミンDを1カ月摂取し、メンテナンスで2000IUが必要とのことでした。私も早速、摂るようにします。

2010年2月19日金曜日

ストレスは万病の元、コルチゾール値でチェックを

現代社会は、洪水のような情報の中で生活を強いられ、また深刻な不況下で、グローバル化による国際競争、少子高齢化など多くの難問に直面しています。

だから、現代人は不安やストレスを強く感じています。このストレスが原因で色々な病気になります。

また、ストレス解消のために、暴飲暴食をする、タバコを吸う、夜遊びをするなど、悪い生活習慣から生活が乱れて二次的に病気になるということもあります。

過度のストレスの身体に及ぼす機序は、複雑な相関があります。まず、大脳で感知したストレス情報は前頭前野と海馬を介して視床下部に伝わります。そこから、自律神経を介して各種臓器に伝わります。

心配事をすると、胃がキリキリするとか、便秘や下痢をするとかはその典型例といえましょう。

さらに免疫機能が低下して、風邪を引きやすくなったり、アレルギー疾患が悪化したりします。

この免疫系が産生するサイトカインが脳に作用して発熱、抑うつ状態などを引き起こします。

一方、視床下部の情報は下垂体を介して内分泌系の反応を引き起こします。副腎皮質からのコルチゾールを過剰に分泌したり性腺機能障害を起こしたりします。

また、過剰なコルチゾルは免疫機能を抑制したり、海馬を委縮させ、うつ病、認知症を引き起こします。

(アンチエイジング医学の基礎と臨床、田平武著引用)

このようにストレスを過剰に長期に晒されていると、免疫系も脳も生殖器も消化器などズタズタにされるわけです。

自分にはまったくストレスがないという人でも、自分では気づいていないだけで実は多くのストレスを抱えていることが多いです。

血中コルチゾールを測定すると自分のストレス度がわかります。もし、数値が10μg/dl以上あればストレスの危険レベルなので、積極的にストレス解消のための療法を実行したほうがいいでしょう。

何を隠そう、実は私はコルチゾール値19μg/dlありますから、私こそ超危険ゾーン。自律神経強化訓練、瞑想などやり始めてはいるのですが、果たして次回の結果は如何に?

2010年2月17日水曜日

アンチエイジングドックにミニドックコース新設しました

アンチエイジングドック、これは病的老化を早期発見、早期治療するための検査ですが、当院(福島耳鼻咽喉科、弘前 http://www.fukushimaent.com/)では以前から、お手軽なAコースから詳細なCコースまで設定しておりました。

しかし、さらに日常の診療に来られる患者さんにも、自分の老化に関心を持ってもらい、病気の予防をしてもらう意識を持ってもらいたいと思い、簡便な、入門編ともいうべきミニドックコースを開設することにしました。

これの内容は骨年齢(骨密度測定)、血管年齢(血管加速度脈波測定)、神経年齢(ウィスコンシンソーティングカードによる前頭葉検査)、筋年齢(体組成計)、ホルモン年齢(問診56項目による診断、既存の健康診断のデータ)を調べるものです。

予約要ですが、時間があればその日でも検査は可能です。

所要時間は30分で、料金は検査と医師のよる検査結果説明とアドバイス込で8400円(税込)。

耳鼻咽喉科の病気も、現代病ともいうべきメタボリック症候群が原因で起こる病気が沢山あるので、耳鼻咽喉科の医者であろうとも根幹のメタボリック症候群を見過ごすことはできない訳です。

耳鼻咽喉科の病気で一番関連するのは、舌根沈下による睡眠時無呼吸症候群、これが一番肥満と関係します

また、食事や生活習慣と関係する病気も沢山ありますが、アレルギー性鼻炎、喘息などのアレルギー疾患、副鼻腔炎、中耳炎などの炎症疾患、さらには各種ガン。ですから、患者さんの食事や生活習慣もやはり、目を配る必要があります。

病気になった患者さんが来れば勿論治療をいたしますが、できれば、再度病気にならないようにアドバイスができれば一番いい訳です。つまり、炎症を起こさない、ガンにならない生活方法を知っていただきたい。

これが私の目標であり、究極の予防医学であるアンチエイジング医学を志した理由です。

2010年2月16日火曜日

筋肉は糖、脂肪を燃焼し続ける鍛え甲斐のある臓器

なんといっても運動が一番の若返りのサプリメント。これは、前回も申し上げた通りです。

でもなかなか、運動を日常の忙しいときに習慣化することは難しいことでもあります。遅くても40歳から運動を習慣化しないと、今の時代では飽食の時代ですから、メタボリック症候群に向かうことは間違いないです。

運動といっても、スポーツクラブに参加するとか、またスポーツジムに行くとか、あまり大袈裟に考える必要はないです。むしろ自宅で少しの時間の合間に10分だけする筋トレや近所の散歩(速歩)を30分するといった気軽にできるようにしないとなかなか習慣化はしないものです。

たしかに今日はしたくないなという日もあるでしょう、またちょっとしか時間がないときもあるでしょう。そんなときでも5分だけでもしてみてください。さぼったという罪悪感がない分だけ精神衛生上いいですし、継続しているということが自信に繋がり、さぼる気持ちも減ってきます。

身体を動かすことを身体活動といいますが、これには運動と生活活動に分類されています。生活活動とは、掃除、洗濯などの家事全般や通勤、通学などで歩行、階段の上り下りなど、荷物の上げ下ろしなど仕事中の活動もすべて含まれます。意外と運動以外でかなりエネルギーは消費していることが分かると思います。

だから、人によってはあえて運動をしなくても十分なカロリーを消費し、筋肉を使用しているかもしれません。使う筋肉のバランスが悪いと怪我や病気の原因になりますから、インナーマッスルの強化、脊椎の矯正、骨盤の安定を整えるウォーキングは、基本的に毎日やることはいいことだと思います。

抗加齢医学会の推奨するウォーキングは一日10000歩です。また信州大学スポーツ医科学分野で開発した、3分毎のインターバル速歩(速歩と普通歩を繰り返す)。平成9年から、松本市と熟年体育大学と一体になって取り組んでいる4000名規模の科学的証拠を構築しており、血圧、血糖、中性脂肪、HDLコレステロールが正常化し、また筋力や持久力も向上しております。

これを長野県に拡大、さらには全国展開することを目標にしております。素晴らしい事業だと思います。弘前市もこのような事業を積極的にやっていきたいものです。

福井県も長寿県ですが、福井県医師会では若さ度チェック(簡易なアンチエイジングドック)を各医療機関でできるように推進しております。これからは医療費の削減を念頭に置いた予防医学を地域全体で考えていかないといけない時代なんですね。

実際、私の場合朝夕の犬の散歩で4000歩、昼に弘前公園の散歩で3000歩、生活活動で3000歩、合わせて10000歩を目標にしています。

また、筋トレは毎朝7時40分の定時から20分間だけ腕立て、背筋、腹筋、スクワットを2セットずつするようにしてます。習慣化するために毎日定時にすることは効果的だと思います。

筋肉は人体の4割を占める臓器です。筋肉がブドウ糖や脂肪を最も消費します。ですから、正常な糖代謝、脂肪代謝を維持するためには、筋肉を使うしかないのです。

筋肉を使わなければ、代謝がストップしてしまいます。すると、人間の活動がストップしてしまいます。自律神経もストップ、体重と脂肪だけが増加し、死を待つだけになります。人間もカツオも生きるためには動いていなければならない宿命なんですね。

2010年2月12日金曜日

医師の推奨する若返りの最高級のサプリメントは?

若返りの最高のサプリメントはどれ?よく聞かれる質問です。

アンチエイジング医学会が推奨しているサプリメントは抗酸化物質、つまり、ビタミンC、ビタミンE、コエンザンムQ10、αリポ酸。動脈硬化予防にDHA,EPAなどのαリノレン酸、若返りのホルモンのDHEA、さらに今注目されているアスタキサンチンなどでしょう。

でも基本は、バランスのとれた食事、野菜と魚中心の食事であり、サプリメントさえ飲んでたら食事はどうでもいいというのは完全に間違いであることは今更言うまでもないことです。

たくさんの人にどんなサプリを飲んでいるかを聞いてますが、一番多いのは、老眼予防のルテインやベリーと変形性膝関節症のヒアルロン酸などかもしれません。テレビショッピングでかなり宣伝してますから、それに比例しているような気がします。

でも、実際にこのサプリをずっと飲み続けていいものか心配している人もかなりいると思います。ひとりひとりに合ったサプリを医者の立場で処方できれば一番いい訳です。

そのためにも、アンチエイジングドックで自分の老化の進行している部位を見つけて、早期に対処したいものです。病気が発症する前の未病の状態、しかも早期の状態で食い止め、進行を予防しさらには若返るための治療をいたします。

私が推奨する最高級のサプリメントは、適度な運動です。運動こそ、他のどのサプリにも優る素晴らしい効能を沢山もってます。運動をすれば、抗酸化物質SODが増加します。脂肪の善玉ホルモン、アディポネクチンが増加します。成長ホルモン様IGF-Iが増加します。糖代謝が活発になりインスリン抵抗性が減ります。良質なミトコンドリアが増えます。

しかも、このサプリは只ですから、それが一番の素晴らしいところかもしれません。

2010年2月10日水曜日

老化予防とは活性酸素とフリーラジカルとの戦いです

活性酸素とかフリーラジカルという言葉を聞いたことはあるでしょうか?最近、テレビでも盛んに耳にするようになりました。わかりやすくいうと、リンゴの皮を剥いて放置すると黄色に変色しますね。つまり、リンゴの細胞が酸化され、傷んでしまった状態になったわけです。

人間の身体も、そのように酸化されていって老化していくわけです。老化だけではなく、高血圧、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞、糖尿病、自己免疫疾患、ガンなどの病気も活性酸素が引き金になっておこる病気です。

活性酸素やフリーラジカルは、紫外線や放射線やタバコや大気汚染などの外界から身体に入ってくるものと身体の中で作られるものとがあります。外界からのものは、自らを守るために回避すればいい訳です。

身体の中で作られる90%はミトコンドリアで発生します。ミトコンドリアといえば、特に筋肉の細胞に沢山存在しますがエネルギーを作る工場のようなものです。だから、活性酸素やフリーラジカルは工場から出る排気ガスみたいなものです。できるだけ、その排気ガスを軽減させるか、これが活性酸素から身を守る唯一の手段ということになります。では、その手段とは?①ミトコンドリアで余分なエネルギーを作らない②ミトコンドリアの性能をアップさせる③排気ガスを無毒化するシステムを強化する

①まず、余分なエネルギーは作らないとは、必要最低限のカロリーを摂取するということ、先日お話したカロリー制限と繋がるわけです。

②ミトコンドリアの性能アップとは、ミトコンドリアの量と大きさを増大させる、つまりは、筋トレして、筋肉量増やします。ミトコンドリアDNAも活性酸素のターゲットになるので、異常ミトコンドリアを増やさない。カロリー制限をすると、AMPキナーゼという酵素が働き、良質のミトコンドリアを生産してくれます。また、カロリー制限をすると転写因子のFOXOが活性化されてSODを生産してくれます。さらに長寿遺伝子にもスイッチがはいてonとなります。

③排気ガスを無毒化するとは、本来、人間の遺伝子の中には活性酸素をやっつける抗酸化酵素を作るシステムがあります。SODやカタラーゼやグルタチオンペルオキシターゼがそうです。それが活発に活動してもらうためにも、運動とカロリー制限はいいのです。また、抗酸化物質といわれているビタミンA、C、E、カロチノイド、フラボノイドなどを食事から積極的に摂取すること。

このようにできるだけ活性酸素やフリーラジカルから身体を守るために、運動、バランスのよい栄養を摂りながらのカロリー制限、ストレスケア、そして良質の睡眠を心掛けるように気をつけましょう。

ただ単に闇雲に他人から強制的に運動、カロリー制限食をしなさいといわれても、そのやる価値、根拠がわからないと積極的にできませんよね。みんなつらいことですからね。でも、身体の仕組みが徐々にわかってくれば、やる気が湧いてきませんか?自分の身体の中は、コンピューター以上に精密で、健気に毎日休まず、あなたのために頑張っているのです。感謝して恩返ししたいと思いませんか?

2010年2月8日月曜日

長寿遺伝子のスイッチをON

米国ウィスコンシン大学で行われた30%のカロリー制限をしたアカゲザルの20年間にわたる実験結果が2000年に発表されました。皆さんの中にはそのサルの違いをみられた方も多くおられるでしょう。

両者の違いは、一見してわかります。普通のエサを与えられたサルは、目に力がなく、白髪が生え、顔にはシワが刻まれ、背中は曲がり、毛にも艶がありません。一方のカロリー制限をしたサル、青年のような精悍な目力、毛並みもよく、背筋もぴんとしています。

この論文から私はアンチエイジング医学にはまったといっても過言ではありません。さらに、カロリー制限すると、長寿遺伝子なるものが活性化し、寿命が延びる、酵母菌での話ですが。これを証明したのがレオナルド・ギャランテ博士。長寿遺伝子なるものが存在すること自体驚きでした。

カルフォルニア大学のシンシア・ケニヨン博士は線虫で、daf-2遺伝子を傷つけることによって、8倍長生きすることを発見しています。彼女は人間も800歳まで生きる可能性をもっていると大胆発言をしています。SFのようなお話ですが。

これらの種類の長寿遺伝子は実は、人間でも見つかっており、しかも誰にも備わっている遺伝子だということ。ただ、その遺伝子のスイッチをonにしてるかoffにしてるかの違いだけだそうです。

それであれば、是非onにすべし。どうやればonにできるか、そこからアンチエイジングの興味は尽きなくなりました。今自分のなかの長寿遺伝子はonになっているでしょうか?それを臨床的に調べることはまだ難しいようですが、健康体に多く存在するホルモンを測定することで体内年齢は測定できます。近い将来、簡単に長寿遺伝子onかoffは調べることが可能になるでしょう。

つい最近まで、老化は仕方のないもの、治療でも治せないものというのが、一般的概念だったと思いますが、医学の進歩は著しく、今や、老化(正確には病的老化、老化危険因子)も予防できる時代に突入したといってもいいでしょう。諦めず、長寿遺伝子を鍛えましょう。

2010年2月6日土曜日

アディポネクチンの高い人は糖尿病、動脈硬化になりにくい

今日はアディポネクチンのお話。アディポネクチンとは脂肪細胞から分泌するホルモン。以前は脂肪細胞は生体内の余剰エネルギーを中性脂肪として蓄積する貯蔵庫としての働きしかないものと思っておりましたが、近年、大阪大学の先生が脂肪細胞から生理活性物質(アディポサイトカイン)が分泌することを発見したのです。

カロリーオーバーや運動不足で引き起こされた肥満の状態では、脂肪細胞が肥大化し、アディポネクチンの分泌量が低下します。逆にFFAやTNF-αの悪玉アディポサイトカインが多く分泌します。これが全身の高インスリン血症や動脈硬化を引き起こすと考えられております。

つまり、アディポネクチンが正常に分泌していれば、糖尿病も脳梗塞や心筋梗塞も発症しにくいということです。そのためにも、脂肪細胞を肥大化しないように、正しい食事と適度の運動は大切ということになるわけです。

健康に人一倍気を付けておられる方でも、糖尿病や動脈硬化になる方がいらっしゃいます。このような方は一度アディポネクチンを調べられることをお勧めします。逆にドックをしていると、肥満の人でも、アディポネクチンが高値の人もいます。このような方は確かに糖尿病や動脈硬化になっていないのです。不思議です。

2010年2月5日金曜日

アンチエイジングドックはやる気をキープしてくれる

さて、アンチエイジングドックとはどんなものか?人間ドックとどう違うか?から説明すると、人間ドックは生活習慣病やガンを早期発見、早期治療するための検査。

アンチエイジングドックは、病的老化や老化危険因子を早期発見、生活習慣の改善を促し、老化の進行および、生活習慣病やガンを予防し、さらなる健康状態を目指すための検査。ということになります。

老化判定としては、筋年齢、血管年齢、骨年齢、ホルモン年齢、神経年齢の5種類をします。老化危険因子判定として、免疫機能、代謝機能、抗酸化能、ストレス抵抗性、生活習慣の5種類を調べます。血液検査が主で、かなり正確に個人の老化度と比例するデータがでます。実年齢より老化で結果が出たらやっぱり、がっくりします。でも、諦めてはいけません。

食事療法、運動療法、ストレスケア療法をじっくり学んでいただき、実行していただければ、確実に若返ることができます。半年後にまた検査し、実年齢より若返ったデータがでたら、ほんと嬉しいものです。

実際に若返るためには、正しい運動の仕方、正しい食事の知識を知ってもらうことから始まりますし、実行するにも根気よく継続することが大切です。この継続するためのやる気、モチベーションを上げるにはドックの検査データが大変役立ちます。身体は正直ですから、頑張った分データに反映します。

たとえば、IGF-Iという検査、成長ホルモンの一種ですが、若い人ほど数値が高く、運動不足、睡眠不足、炭水化物とアルコール過多摂取、肥満で数値が下がります。大まかに言うと免疫力を反映します。これは運動をして筋肉がついてくれば上昇します。また、長寿になる人の特徴として、DHEA値が高い、インスリン値が低いということがあります。この数値を良好にするための知識もしっかり、学んでいただければ健康長寿も可能です。

まずは、ドックを受けて自分の体内年齢を素直に認める。そして、弱点があれば、生活習慣を改善し、若返るベクトルに舵を切る。人間は成長モードでいるか衰えモードにいるかの二者択一でしかないのです。
あなたは、ボケて寝たきりになりたいですか?それとも80歳になっても青春を謳歌していたいですか?

2010年2月3日水曜日

我が家のアンチエイジング食

今日の朝食です。まずは野菜たっぷりサラダ、ブロッコリー、きゅうり、ミニトマト、レタス、ミックスビィンズ(ひよこ豆、青色エンドウ豆、赤色インゲン豆)。ミックスビィンズはキューピーから出ているもので、50gの袋に入っていて使いやすいです。大皿に野菜を載せてもらいますが、一日350gが目標です。野菜と豆類は抗酸化力がありますから、ガン細胞を攻撃してくれます。若くて元気な人でも毎日少なくとも3000個のガン細胞が体内に発生しているといわれます。それを攻撃してくれるのが白血球のなかのNK細胞、この活性を上げるためにも免疫力をつけなければ。

サラダドレッシングは、エゴマ油、ワインビネガー、岩塩を振りかけて使います。エゴマはシソ科の植物で日本で油といえばエゴマ油というほど昔からなじみ深かった油です。今ではサラダ油が主流ですが、断然エゴマ油のほうが、不飽和脂肪酸としての質は良です。エゴマ油に多く含むαリノレン酸は炎症を引き起こすエイコサノイドを作りません。またDHAも作ってくれるので動脈硬化や脳痴呆にも効果があります。

サーモンフレークに亜麻の実ふりかけ、亜麻の実もαリノレン酸です。鮭の赤い色素はアスタキサンチン、ビタミンCの5000倍の抗酸化力があります。

ご飯は90g、今日は十六穀米です。秤で正確に測ります。副菜、主菜が終わってから最後に主食のご飯を食べます。今日のご飯の友は韓国のり。

2010年2月2日火曜日

エゴマ油、アマニ油、魚油は良い油

かつては、油はカロリーが高く太るからと敵対視されていたと思いますが、最近の研究で、そんなに悪者でもないことがわかってきました。脂肪は1g=9kcal、炭水化物1g=4kcalで2倍以上の獲得エネルギーを持っていますので、もちろん摂りすぎはよくありません。脂肪は身体のなかの大切なホルモンや細胞の膜の原料になりますから、必須な栄養素なのです。でも、油でも身体に良い油と悪い油があるので、それをしっかり見分けることが大切になります。まず、悪い油の代表は動物性脂肪、トランス脂肪酸、ショートニング、マーガリン。良い油の代表が、オメガ3脂肪酸の分類にはいる魚油、αリノレン酸。一昔にリノール酸神話がありましたが、崩壊しました。摂りすぎは心臓病になることがわかりました。今でもリノール酸を沢山含む油は主流で売られておりますので要注意です。αリノレン酸が多く含む油は、エゴマ油とアマニ油。少し割高だけど使う価値ありです。特にアレルギー性疾患の人や自己免疫疾患の人は気を付けて摂取されることです。オリーブオイルも良い油になります。魚油に含まれるDHA、EPAは特に血管の硬化を予防、痴呆を予防してくれる大切な油です。魚は週4回くらいは食べたいものです。でもマグロやブリなど大型魚は水銀の蓄積量も多いので、メザシやイワシなどの小さな魚を食べたほうが良いですね。

2010年2月1日月曜日

狩人の身体を受け継いだ以上動かすのが宿命

ニューヨークのヘンリー・ロッジ博士の本、「若返る人」のなかにこんな言葉があります。1万年前、我々の先祖は獲物を探すためにサバンナを1日20~40kmも移動しては狩猟をしていました。現代の我々の身体のなかには、このサバンナで生き抜くための遺伝子が脈々と受け継がれてきているのです。ですから、狩人の身体を受け継いだ以上、現代の我々も身体を動かすことは宿命なのです。現代人は、スーパーマーケットに迷い込んだトラのようなもの。チョコレートや牛乳やケーキを食べあさる、健康的な訳がない。やっぱり、トラはアフリカの荒野で走って獲物を獲って生きなければ健康は得られないと。また、藤田紘一郎の寄生虫博士の「不老の免疫学」という本にも面白いことが書いてありました。人類の家畜化現象、つまり、生物としても生きる力を奪われ、現代人は小さな家畜小屋を与えられ、ファーストフードやコンビニ食といった便利で安価な餌で飼いならされた家畜になってしまったと。両方とも言っていることは一緒で、現代の人間も荒野を走り回った頃の遺伝子を持っている以上、せめて1時間くらいは歩いて筋肉を使わないと、正常な身体の代謝は成り立ちませんよ、ということです。家畜化しないように、荒野を走り回りましょうね!

2010年1月29日金曜日

低炭水化物ダイエットは無理なく続けられます

ダイエットに関していえば、巷で流行する一品モノのダイエットは、まず不可能です。飽きて続けられない上に危険です。まったく医学的根拠がない。マスコミや流通業の陰謀としか思えない。正しいダイエット法はありますので、コツコツ続けることです。基本は基礎代謝とカロリー消費量以上に摂取カロリーを過剰にしないということだけです。余分なカロリーは体内に蓄積するだけですから。とはいっても、美味しいものを目の前にして食べたくなるのは人情。特に甘党にはつらいものでしょう。しかし、食べる順番を変えるだけで、かなり食欲はコントロールできるようになりますから、まず、そこからトライしては?まず、甘いものは最後。低インスリンダイエットというものです。血糖値が上がりにくい食材から食べ始める。つまり、野菜、おかず、ごはん、果物の順。しかもゆっくり噛んで。私の場合、野菜でお腹を膨らまします。ご飯は90g、これは賛否分かれるところですが、過剰な炭水化物は摂らないということは正解です。アトキンス式低炭水化物ダイエットとかバリーシアーズ博士の4・3・3ダイエットとか低インスリンダイエットとか、原理は少しずつ違うけど、炭水化物を過剰に摂るなということは共通しております。さらにうれしいことに血中インスリ値を低く抑えていると、老化を遅らせることができるということ。インスリンは老化の原因の活性酸素を結果的に多く排出してしまうからです。空腹感を感じたら、身体の余分な脂肪が燃焼しているのだと思ってください。そして、細胞が若返っているのだと思ってください。そう思うだけで嬉しくなりませんか?コツは、ご飯の量を正確に秤で測るということ。できたら、食事日記もこまめにつけること。

2010年1月28日木曜日

犬は専属トレーナー

4年前になりますか、犬を飼ってから徐々に健康的な生活になりました。それまでは夜型の人間、朝も遅いし仕事で慌ただしい生活でしたが、犬を飼ってから散歩を催促するのが、最初のころは朝3時とか4時、僕にとってまだ夜中の時間帯、布団からでている僕の腕を前足でガリガリするから起きざるを得ない状況。自然と夜も早く寝るようになったということ。4年前は体重78kgくらいあったかな?歳をとれば大方こんな体型になるのは仕方のないこと、周りもこんな感じだし食生活を見てもそんなに変わらないし。しかし、高血圧、高脂血症、痛風、いびき、など徐々に出てきてクスリの量も増えていったね。きっかけは胃痛で胃カメラを受けた頃かな。びらん性胃炎という診断。それからかな、食事にも気をつけ出したのは。あれから4年、今では体重61kg。ほんと身体が軽くなりました。

弘前発!ハッピーエイジングライフのブログ開始

アンチエイジングを自らをモルモットに実験中。野菜中心の食事、カロリー制限、低炭水化物食、サプリメント、筋トレ、有酸素運動、加圧トレーニングはアンチエイジングに対し本当に効果はあるのか。信じて実行する一医師の日記帳です。アンチエイジングドックの検査成績が若返りのバロメーター。モチベーションを上げてくれる強い味方。楽しく、軽やかに人生を過ごすために必要な身体づくりだけはしていこうという発想から始まったハッピーエイジングライフ。永遠に30代をキープしたら人生なんでもできる。これからよろしく。