2010年8月4日水曜日

トランス脂肪酸とは?

さて、アンチエイジングにとって、油は大変重要なキーワードになります。油は酸化されやすく細胞の老化を早めてしまうからです。

だからといって油の摂取を減らせば良いということではありません。油は細胞膜やホルモン、ビタミンDの原料になるので身体には欠かせないものだからです。

要は良質の油を必要最小限に摂取せよということになります。

最悪な油はトランス脂肪酸。欧米では、食べるプラスチック、常温でおいても腐らない油、ネズミも口にしないと、最悪な油の代名詞にされています。

天然に存在する脂肪酸は、液体でシス型という立体構造を形成してますが、これに水素添加をすると、常温でも半固形で、加工しやすく保存性の優れたトランス脂肪酸ができるわけです。また、植物性油も高熱処理する時もトランス脂肪酸が発生します。

トランス脂肪酸の悪玉といわれる所以は、動脈硬化作用、発がん作用があるからです。トランス脂肪酸は、血管にコレステロールを沈着させる悪玉(LDL)コレステロールを増加させ、その一方血管からコレステロールを運び去る善玉(HDL)コレステロールを低下させるといわれております。それによって動脈硬化が加速し心筋梗塞などになりやすいと言われています。

先進国ではすでにトランス脂肪酸を含む食品の一部は販売禁止、ドイツはトランス脂肪酸を含むマーガリンは完全販売禁止です。ニューヨーク市も含有食品の販売を禁止、日本は残念ながら行政的な規制はありません。

一部食品メーカーは自主的に含有量を低く抑える取り組みをしていますが、ファストフードに使用する油はまだ、トランス脂肪酸の含有量は多いようです。

家庭内でも身近にあるトランス脂肪酸の多い食品を挙げますと、マーガリン、クッキーなどの西洋菓子、コーヒーフレッシュ、インスタント食品、冷凍食品、何度も加熱されるフライ物などです。

基本的に訳のわからない油ものは口にしないことが賢明かもしれません。

現在のところ、推奨される油は、オメガ3脂肪酸といわれる種類でアルファリノレン酸(エゴマ油、アマニ油に多く含有)やEPA、DHA(イワシやサバなどの魚油)やオメガ9脂肪酸(オリーブオイル、グレープシードなどに多い)が挙げられます。

10年前にリノール酸神話として推奨されていたオメガ6脂肪酸(紅花油、大豆油、ひまわり油など)は、現在ではアレルギー性疾患や自己免疫疾患を悪化させるとして、取り過ぎに注意したほうがよいということになっています。これも無責任な話ですが、医学の進歩とともにあえなく神話は崩壊したわけです。

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