2010年3月7日日曜日

スギ花粉前線、弘前に接近!

ここ、津軽地方、弘前にもスギ花粉前線が間近に接近してきております。雪が解け始め春の到来で心浮き浮きする季節であるのですが、スギ花粉症の方にとっては憂鬱な季節の始まりでもあります。

今やスギ花粉症は日本の国民病と言えます。なんと、スギ花粉症有病率は26%です。年齢別だと、0~4歳が1%、5~9歳が14%、10歳代~50歳代が30%、特に40歳台は40%の高有病率です。

この10年間でスギ花粉症有病率は10ポイントも上昇しているのです。また、段々、低年齢化してきています。

さらに血液検査でスギ花粉特異的IgE抗体を調べるとスギ花粉に感作されている陽性率は50%を超えています。まだ、スギ花粉症が発症はしていないけど、将来に発症するであろう、いわゆるスギ花粉症予備軍が国民の半分もいるのです。

なぜ、このように、スギ花粉症が増えてきたのか?その要因は単一ではなく、複数の生活環境の変化にあると言われます。

最も大きな要因は、抗原量の増加、つまり、スギ花粉量の増加です。スギは戦後の国土復旧のための木材需要により植林が盛んに行われましたが、1975年頃より林業産業の衰退のため成長木の伐採が行われなくなりました。これにより、花粉を沢山産生する樹齢30~40年のスギの木が非常に増えているのです。

スギは1本の成長木で平均約1kgの花粉を産生します。日本のスギ林は450万ヘクタールで日本の国土面積の12%で、年間450万トンのスギ花粉量が飛散していることになります。ヒノキ花粉もスギ花粉と同類の花粉で花粉症を発症しますので、合わせると、650万トンにもなります。日本の人口1億2000万人で割ると、一人当たり、50kgの花粉に相当します。

林野庁は花粉の少ない品種改良と植林に取り組んでおり、10年後に花粉量50%削減を目標に掲げています。

しかし、アレルギーの原因はスギ花粉だけではありません。まず、始めに感作されるのは、塵ダニ(ハウスダスト)です。

気密性の高い住宅で、ベットやソファー、じゅうたんのある、冷暖房完備の部屋でテレビゲームをしたり、ビデオを見たりして、生活する現代では、乳幼児期に莫大な量のダニに曝露しております。そこでダニ抗体を保有してしまい、次にスギ花粉に感作されるのです。

それでは、ダニの少ない超清潔な環境で生活すれば、アレルギーは発症しないのでしょうか。否です。答えはそう単純なものでもないのです。

むしろ、超清潔社会になって、乳幼児期の細菌感染症が減少したことが、アレルギー疾患が増加した原因だというのです。

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