2010年3月17日水曜日

医療費を削減した地域医師会や開業医には功労金を

アンチエイジング医学とは究極の予防医学なわけで、病気にある手前の未病の状態からさらなる健康状態、つまりオプティマルレンジといわれる30歳代の健康状態を目標にしてます。

従来の医療は、病気になってから薬や手術などで治療していたわけですが、アンチエイジング医学が目指す医療は、病気になる前から病気になる危険のある生活習慣や運動不足や偏った食事を改めるように行動変容のためにアドバイスしたり、行動介入することです。

しかし、現状の日本の医療体制では、アンチエイジング医学が目指す予防医学はできません。医療経営は検査代や薬の処方、外来や手術の診療行為に対する診療報酬が大半で、患者の指導、健康アドバイスに対する報酬はごくわずかなのが現実なのです。

ですから、必要以上に薬の処方箋も増え、必要以上に検査をするというのが、日本の医療の現状かと思います。

しかも、患者さんは、自助努力なしで薬で治ってくれることを期待します。薬に対する信頼は確かに日本人は厚いと思います。それは日本の医学の進歩に認めている証拠でもあり、うれしいことでもあるのですが。

実際、高血圧症に対する初期の治療は、運動と減塩食事だと思いますが、どれだけの人が真剣に取り組んでいるでしょう。初めから自分の誤った生活習慣を改善することなく高血圧の薬を飲み、多くの医師が躊躇なく高血圧の薬を処方しているのではないでしょうか。

医師も患者に具体的に運動療法や食事療法などを時間をかけて指導、アドバイスすることは、根気のいる大変な仕事です。しかも、それに見合う報酬も十分ではない現状では尚更です。

また、生活習慣を変えることは、机上の指導やアドバイスでは不可能に近いとも言えます。「もっと運動してくださいね」「野菜中心の食事に変えてくださいね。塩分は6gまでですよ」といっても患者さんはその場では「はい、わかりました」と言われますが、どのような運動をしたらいいか?6gの塩分とはどのくらいで、どんな塩梅にしたらいいのか?わからないはずです。実演してみないと実際、行動変容に反映しないと思います。

周りのコメディカルのサポートが必要ですし、地域を挙げて健康教室を沢山、定期的に実践していくべきでしょう。


高血圧症の塩分制限指導だけでなく、禁煙指導然り、メタボリック症候群に対する運動指導、食事指導然り、すべて同じことが言えます。

これからは病気を治すために患者が病院で来る時代から病気にならないために医師が住民に啓蒙に行く時代になるでしょう。

これから病院も大きく変わらなければなりません。診療報酬体系も抜本から大きく変わらないと対応できなくなります。

住民は病気にならないに越したことはない。それを医師も望んでいるのです。

日本の医療費は年間36兆円を超す時代になりました。医療費は削減しなければなりません。未然に予防できる病気は、医師の啓蒙と患者の自助努力で予防していかなければなりません。

医療費の少ない地域を作るために地域の医師は協力して住民の健康を守る必要があります。医療費が少ない地域を作ったことに対して、国や県や保険組合は、地域医師会に功労金を支給、開業医に分配するとか、報酬体系を変えて行かなければなりません。

これからの開業医の役割は、このような所に活路を見出していくべきでしょう。そのことで確実に医療費は大幅に削減できると思います。

日本医師会、地域医師会、政府、厚労省すべてが一丸となってこれからの日本の医療改革をしていかなければ近い将来、医療費増大で日本は崩壊することは間違いないことですからね。

ですから、アンチエイジング医学は、その基盤となりえると思いますから益々勉強しなければなりません。

今日は、えらい鼻息が荒いなあ。こんなこと書くつもりはなかったのに、今の民主党を見ていると、将来の日本の先行きを憂いてしまいます。

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