2010年3月9日火曜日

スギ花粉症の薬は重症度と病型により使い分けを

いよいよ、弘前にも少しですがスギ花粉が飛んできております。まだ、飛散開始宣言はしておりませんが、松原先生の予測では3~4日後の3月12日頃でないでしょうか?本格的に飛ぶ始めるのは3月17日頃でしょうか?

スギ花粉症の治療は、基本的には、根治治療は難しく対症療法になります。つまり、症状を抑えるための治療ということです。

例年、重症の花粉症症状に悩む患者さんには、花粉飛散前後に薬物療法を開始する初期療法がお勧めです。鼻の粘膜の過敏性を抑えるのが目的です。

症状が悪化してから薬を飲んだのでは、十分な効果はあまり期待できないことがよくあるのです。また、不必要に薬の種類を増やしたり、強い薬を飲まなければならないのです。また、代表的な副作用の眠気に悩まされることにもなります。

花粉症の薬は、飲み薬と鼻に噴霧する外用薬を併用することになりますが、飲み薬は作用機序の違いにより8種類、また、噴霧外用薬も4種類ほどあります。それらを重症度と病型に応じて選択します。

患者さんの重症度、病型はさまざまです。最重症の人は、1日くしゃみ発作を20回以上、鼻を噛む回数が20回以上、1日中完全に鼻が詰まっている、寝れない、仕事や学業にまったく意欲が湧かないなど生活に支障を来たす状態になります。

病型は、くしゃみ・鼻漏型と鼻閉型の2種類になります。前者には抗ヒスタミン剤、後者には抗ロイコトリエン剤が有効です。

重症度と病型の組み合わせで薬が決まります。耳鼻咽喉科専門医であれば、花粉症患者さんを見れば、患者さんから申告されなくてもどの分類か、大体わかります。

一般的に医師は患者さんの症状を問診し、鼻内の視診と鼻汁好酸球検査の結果を参考に、薬を選択します。

基本的に、花粉飛散量に比例して花粉症症状は重症化しますから、花粉飛散情報は毎日チェックしていたほうがいいと思います。

薬には、効果の切れ味に違いがあり、また個人差があります。また、代表的な副作用である眠気も、程度の差と個人差があります。

軽い症状の時は、切れ味がなくても眠気の少ない薬を選択したり、重症の時には、眠気はあるけど切れ味が良い薬を選択し、また鼻噴霧用ステロイド薬を併用したり、最重症の時は、経口ステロイドを頓服として使ってもいいでしょう。

患者さんのライフスタイルによっても、薬は選択していかなければなりません。車の運転や学校の試験など、眠気が出たら大変です。絶対に眠気の出ない薬を選択します。逆に多少眠気が出ても効果の強い薬を希望する患者さんもいます。

患者さんのニーズは様々ですから、医師と相談して患者さんに合った薬をお互いに探していくことが大切だと思います。

大方の人は、花粉飛散量が大量な日で症状が強烈な時に、耳鼻咽喉科を受診します。ですから、待合室は人で溢れ返っています。1時間も待って3分診療、とりあえず薬をドッともらって帰るということになりかねません。

やはり、症状の軽い時、まだ花粉飛散が開始する前か花粉飛散の少ない時に、受診されることをお勧めします。

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