2010年3月29日月曜日

春になったり冬になったり、体調はいかがですか?

3月もうすぐ終了で、4月も間近ではあるのですが、弘前は今でも雪が降ったり、寒くなったり、なかなか春が来ません。春らしい天気になる時もあるのですが、翌日雪がドッと積もっていたり。

勿論、暖房はまだ欠かせないのですが、最近は、気温も上がり温度調節を低めに設定していると早朝、凍えるような寒さだったり、もうダウンを着るほどの天気でもないし、ジャケットだけで外に出るとえらい目にあったり、体内の温度調整が大変です。

体調が悪くなると、決まって登場するのがヘルペス。待ってましたとばかり出現します。自分では体調不良に気づかなくてもこの出現で、ああ、疲れてるんだと自覚しますので、良い健康のバロメーターではあるのですが、ないに越したことないですよね。

若い時はこんなことはなかったのに歳なのかな?いや、これにはなにか原因があるのだろうと色々と考えていたら、最近、体重が減っていたことが判明しました。

一昨日、温泉施設で体重計に久々に乗ったら58kgでした。BMIが19です。しばらく61kg,BMI22を維持して体調がいいなと思っていたのですが、びっくりしました。

これはすこし炭水化物とタンパク質をちょっと摂ったほうがいいなと思いました。カロリー制限が長寿に良いことはその通りなのですが、行きすぎは勿論良くありません。ベジタリアンも概して健康的な人が多いのですが、骨粗しょう症に気を付けないといけないとか、低炭水化物療法の行きすぎは、元気がなくなるとか脳の働きが鈍るとか弱点も十分理解しなければなりません。

また、サプリメントもあまりにも頼りすぎるのもよくありません。基本は食事から万遍なく栄養を摂るのが正解で、サプリメントも、補助的に使うつもりでいたほうがいいと思います。ビタミンAやビタミンEは脂溶性で体内に蓄積する物質ですから摂りすぎはよくありません。また、ビタミン摂取群のほうが短命だという報告も散見されたりしますので、サプリメントの過信には注意かと思います。


最近、100歳万歳で登場する高齢者の方を見て思うのは、まず、笑顔、家族に囲まれて暮らしている方が多いようです。長寿の秘訣を聞かれても、非常に謙虚の回答。秘訣はないとか、気づいたら100歳だったとか、運命なのかなとか、健康のための運動や食事を摂っているといった積極的な回答を期待しているのですが、長寿の人は概して無頓着です。

ただ言えるのは、生きていることに感謝していること、笑顔であること。これが秘訣かな?

頑張ってアンチエイジング医学を勉強している私にとって、頑張りすぎることは命を短くしていることだなと思う今日この頃です。

2010年3月17日水曜日

医療費を削減した地域医師会や開業医には功労金を

アンチエイジング医学とは究極の予防医学なわけで、病気にある手前の未病の状態からさらなる健康状態、つまりオプティマルレンジといわれる30歳代の健康状態を目標にしてます。

従来の医療は、病気になってから薬や手術などで治療していたわけですが、アンチエイジング医学が目指す医療は、病気になる前から病気になる危険のある生活習慣や運動不足や偏った食事を改めるように行動変容のためにアドバイスしたり、行動介入することです。

しかし、現状の日本の医療体制では、アンチエイジング医学が目指す予防医学はできません。医療経営は検査代や薬の処方、外来や手術の診療行為に対する診療報酬が大半で、患者の指導、健康アドバイスに対する報酬はごくわずかなのが現実なのです。

ですから、必要以上に薬の処方箋も増え、必要以上に検査をするというのが、日本の医療の現状かと思います。

しかも、患者さんは、自助努力なしで薬で治ってくれることを期待します。薬に対する信頼は確かに日本人は厚いと思います。それは日本の医学の進歩に認めている証拠でもあり、うれしいことでもあるのですが。

実際、高血圧症に対する初期の治療は、運動と減塩食事だと思いますが、どれだけの人が真剣に取り組んでいるでしょう。初めから自分の誤った生活習慣を改善することなく高血圧の薬を飲み、多くの医師が躊躇なく高血圧の薬を処方しているのではないでしょうか。

医師も患者に具体的に運動療法や食事療法などを時間をかけて指導、アドバイスすることは、根気のいる大変な仕事です。しかも、それに見合う報酬も十分ではない現状では尚更です。

また、生活習慣を変えることは、机上の指導やアドバイスでは不可能に近いとも言えます。「もっと運動してくださいね」「野菜中心の食事に変えてくださいね。塩分は6gまでですよ」といっても患者さんはその場では「はい、わかりました」と言われますが、どのような運動をしたらいいか?6gの塩分とはどのくらいで、どんな塩梅にしたらいいのか?わからないはずです。実演してみないと実際、行動変容に反映しないと思います。

周りのコメディカルのサポートが必要ですし、地域を挙げて健康教室を沢山、定期的に実践していくべきでしょう。


高血圧症の塩分制限指導だけでなく、禁煙指導然り、メタボリック症候群に対する運動指導、食事指導然り、すべて同じことが言えます。

これからは病気を治すために患者が病院で来る時代から病気にならないために医師が住民に啓蒙に行く時代になるでしょう。

これから病院も大きく変わらなければなりません。診療報酬体系も抜本から大きく変わらないと対応できなくなります。

住民は病気にならないに越したことはない。それを医師も望んでいるのです。

日本の医療費は年間36兆円を超す時代になりました。医療費は削減しなければなりません。未然に予防できる病気は、医師の啓蒙と患者の自助努力で予防していかなければなりません。

医療費の少ない地域を作るために地域の医師は協力して住民の健康を守る必要があります。医療費が少ない地域を作ったことに対して、国や県や保険組合は、地域医師会に功労金を支給、開業医に分配するとか、報酬体系を変えて行かなければなりません。

これからの開業医の役割は、このような所に活路を見出していくべきでしょう。そのことで確実に医療費は大幅に削減できると思います。

日本医師会、地域医師会、政府、厚労省すべてが一丸となってこれからの日本の医療改革をしていかなければ近い将来、医療費増大で日本は崩壊することは間違いないことですからね。

ですから、アンチエイジング医学は、その基盤となりえると思いますから益々勉強しなければなりません。

今日は、えらい鼻息が荒いなあ。こんなこと書くつもりはなかったのに、今の民主党を見ていると、将来の日本の先行きを憂いてしまいます。

2010年3月15日月曜日

歳を取ると時間が短く感じませんか?

日常の忙しさに流されている今日この頃。ただ、続けていることは犬の散歩と筋トレ。昼間のウォーキングは50%減。

一日があっという間に消えていきます。みんな平等に一日24時間あるはずなのに私の自由時間は短いと嘆いております。

8時間の社会奉仕的な仕事と2時間の雑務と7時間の睡眠と7時間の私的な時間、計算したらちゃんと7時間あるのにあっという間に毎日寝る時間がすぐ来てしまう。

早朝の邪魔されない4時間が私にとって至福な有意義な時間ですが、これもあっという間に終わってしまう。寝る時間は短くしたくないし、こうやって駆け足で歳は取っていくのでしょうね。

子供の頃は時間はもっとゆっくり経過していた気がするのですが、歳を取るとスピードがアップする気がします。

これは、行ったことのない場所に行くときは時間が長く感じるけど、帰り道は時間が短く感じるということと非常に似ているように思います。

ということは、私は人生の帰り道を歩いているのでしょうか?人生100歳なら今51歳ですから年齢的は折り返し地点は通過はしていますし、否定はしませんが、それでいいのだろうかと不安に思います。

時間が短く感じることは、老化による精神の衰えなんでしょうか?どうもネガティーブに考えてしまいます。

でも、恐らく、さっきの時間の感覚の違いは、未知な空間に入り、精神的不安を感じることから、ストレス、つまり快くない時間として記憶されるために時間を長く感じるのでしょうね。帰りは既知の空間ですからストレスが少なくなり不快な時間が短くなるから、時間が短く感じるのでしょうね。

歳を取ると、今までの経験量から未知の領域が減り、その分、不安を感じるストレスが減るために時間が短く感じると解釈していいのかな?

また、夢中になると時間を忘れて熱中しますよね。これも自分にとって快い時間を過ごしているから時間が短く感じるわけだから、精神衛生面でもよいことなんですね。

歳を取って時間を短く感じることは、いいことなんだ!なんか、こうやってブログを書いているうちに、自分で納得してしまいました。でも、これって、みんな知ってることでなにも目新しいことでもないですね。

今日は、徒然に頭を空っぽにしてブログをしたためてます。深く追求しないでください。自分のモチベーションを上げるための儀式みたいなもんですから。

2010年3月9日火曜日

スギ花粉症の薬は重症度と病型により使い分けを

いよいよ、弘前にも少しですがスギ花粉が飛んできております。まだ、飛散開始宣言はしておりませんが、松原先生の予測では3~4日後の3月12日頃でないでしょうか?本格的に飛ぶ始めるのは3月17日頃でしょうか?

スギ花粉症の治療は、基本的には、根治治療は難しく対症療法になります。つまり、症状を抑えるための治療ということです。

例年、重症の花粉症症状に悩む患者さんには、花粉飛散前後に薬物療法を開始する初期療法がお勧めです。鼻の粘膜の過敏性を抑えるのが目的です。

症状が悪化してから薬を飲んだのでは、十分な効果はあまり期待できないことがよくあるのです。また、不必要に薬の種類を増やしたり、強い薬を飲まなければならないのです。また、代表的な副作用の眠気に悩まされることにもなります。

花粉症の薬は、飲み薬と鼻に噴霧する外用薬を併用することになりますが、飲み薬は作用機序の違いにより8種類、また、噴霧外用薬も4種類ほどあります。それらを重症度と病型に応じて選択します。

患者さんの重症度、病型はさまざまです。最重症の人は、1日くしゃみ発作を20回以上、鼻を噛む回数が20回以上、1日中完全に鼻が詰まっている、寝れない、仕事や学業にまったく意欲が湧かないなど生活に支障を来たす状態になります。

病型は、くしゃみ・鼻漏型と鼻閉型の2種類になります。前者には抗ヒスタミン剤、後者には抗ロイコトリエン剤が有効です。

重症度と病型の組み合わせで薬が決まります。耳鼻咽喉科専門医であれば、花粉症患者さんを見れば、患者さんから申告されなくてもどの分類か、大体わかります。

一般的に医師は患者さんの症状を問診し、鼻内の視診と鼻汁好酸球検査の結果を参考に、薬を選択します。

基本的に、花粉飛散量に比例して花粉症症状は重症化しますから、花粉飛散情報は毎日チェックしていたほうがいいと思います。

薬には、効果の切れ味に違いがあり、また個人差があります。また、代表的な副作用である眠気も、程度の差と個人差があります。

軽い症状の時は、切れ味がなくても眠気の少ない薬を選択したり、重症の時には、眠気はあるけど切れ味が良い薬を選択し、また鼻噴霧用ステロイド薬を併用したり、最重症の時は、経口ステロイドを頓服として使ってもいいでしょう。

患者さんのライフスタイルによっても、薬は選択していかなければなりません。車の運転や学校の試験など、眠気が出たら大変です。絶対に眠気の出ない薬を選択します。逆に多少眠気が出ても効果の強い薬を希望する患者さんもいます。

患者さんのニーズは様々ですから、医師と相談して患者さんに合った薬をお互いに探していくことが大切だと思います。

大方の人は、花粉飛散量が大量な日で症状が強烈な時に、耳鼻咽喉科を受診します。ですから、待合室は人で溢れ返っています。1時間も待って3分診療、とりあえず薬をドッともらって帰るということになりかねません。

やはり、症状の軽い時、まだ花粉飛散が開始する前か花粉飛散の少ない時に、受診されることをお勧めします。

2010年3月8日月曜日

スギ花粉の予防、準備してますか?

青森市が3月5日にスギ花粉飛散開始しました。弘前市も今日あたり、飛散開始の報告が出る頃でしょう。本格的に飛び始めるのは後1週間くらいですが、敏感な人はすでにくしゃみ、鼻水、鼻づまりの症状が出ております。急いで予防対策を立ててください。

まず、対策を立てる際、大切なことは敵(スギ花粉)を知るということです。でも、肉眼ではスギ花粉は見えないのでわかりませんね。しかし、顕微鏡を覗くと見えてきます。スライドガラスの1平方センチメートル内に何個花粉があるか数えるのです。これがスギ花粉情報として、新聞やテレビやネットで公開されるわけです。ですからまず、この情報を得ることが一番です。

青森県には、青森県花粉情報研究会という会があります。弘前大学耳鼻咽喉科教室の松原篤准教授が主宰しており、ネットで見ることができます。

松原先生は、毎年、スギ花粉が飛散開始日を予想するのですが、すごく正確に予想されます。全国的に一般化した予想計算式というものがあるのですが、青森県の場合、雪や寒波の影響で、この計算式が使えず、松原先生は青森県独自の計算式を編み出し、毎年、ズバリと飛散開始日を当てるのです。その明晰な頭脳で競馬の予想もしてほしいといつも思っているのですが。

なぜ、それほどに花粉飛散開始日を予測することに情熱を傾けておられるかというと、症状が発症する前に薬を飲んだほうが効果があるからです。これを初期療法といいますが、簡単に言うと薬の予防投与ということです。この目的は、鼻粘膜の過敏性亢進を抑えておくためです。

さて、スギ花粉症の予防で一番大切なことは、何かというとスギ花粉からの回避です。つまり、スギ花粉を近づけない、スギ花粉から逃げるということ。

そのために、スギ花粉飛散の特徴を知っておくべきです。まず、風の強い日、天気の良い日はかなり飛びます。逆に雨の日は、ほとんど飛散しません、したとしても雨滴で洗い流されます。飛散の多い日は、できるだけ外出は控えたほうがいいです。

また外出するときは、マスク、ゴーグル眼鏡、帽子、花粉が付着しずらい衣服の着用に気を付けることです。また、室内に入る時も、室内に花粉を持ち込まないように掃うことです。外の洗濯物を干すのも控えたほうがいいです。

また、ストレスやウイルス感染が症状を悪化させたりしますので、日常生活でも規則正しい生活を心掛けたほうがよいでしょう。

スギ花粉症の方は国民の26%がいるわけですが、医療機関に受診する人は、そのうちの3分の1だそうです。残りの3分の2の人は、我慢しているか、薬局でOTCの薬を買って内服、点鼻外用していることでしょう。

我慢することが一番よくありません。咽頭痛、頭痛、睡眠不足、うつ状態、集中力低下など沢山の随伴症状が出てくる他に、ますます、アレルギー疾患が年々増悪してきます。

是非、耳鼻咽喉科に受診されることをお勧めいたします。

2010年3月7日日曜日

超清潔社会もアレルギー疾患の要因

さて、超清潔社会となった現代において、アレルギー疾患が増加したという話ですが、私は耳鼻咽喉科の医師をしていると、それがつくづく実感します。

学校検診をしても、20年前は副鼻腔炎が3割はいました。アレルギー性鼻炎は1割くらいでした。今ではアレルギー性鼻炎が3割います。副鼻腔炎は1割もいません。

私が小さかった頃、鼻を垂れた子供が普通でした。袖は鼻水を拭った後でカピカピになっていたし、寄生虫に罹っていた子もいました。私も虫下しを飲んでいた記憶があります。

幼少時に家畜を飼っている農家の子と都会でマンション暮らしの子ではアレルギー疾患の発症率は、明らかに後者が多いようです。また、兄弟間では第1子のほうが、第2,3子よりアレルギー疾患発症率は高いようです。

このことは、乳幼児期に様々な細菌やウイルスに感染する確率が高いほどアレルギー疾患に罹りにくいといえます。

つまり、細菌やウイルスを攻撃する細胞性免疫のほうに優位になれば、アレルギー疾患に罹りにくく、ダニや寄生虫を攻撃する体液性免疫のほうに優位になるとアレルギー疾患に罹りやすいと言われています。

生後1年以内に形成される免疫のバランスが外界からの異物によって優位の変化が生じてくるのです。

また、感染症に対する乳幼児期の抗生物質の使用もアレルギーに関わります。2歳までに上気道炎やその他の疾患に対してセフェム系抗生物質を使用していた群とペニシリン系抗生物質を使用していた群では、前者がアレルギー疾患に罹りやすいことが報告されています。

乳幼児期は腸管免疫が大きく関与するので、抗生物質による腸内細菌の変化は好ましくないわけです。

耳鼻咽喉科に通う乳幼児を観察していても、副鼻腔炎に罹患していても抗生物質は控えて、根気よく鼻水を吸引いたり、ネブライザー吸入したりしている子は小学校中学年にもなると、通院しなくなります。アレルギー疾患にも罹ってないようです。この間にしっかり免疫力を獲得していくんでしょう。

今、家畜の糞が注目を集めています。乳幼児を連れた母親が牛舎に足繁く通っているというニュースも耳にします。牛の糞を通販で売っている牧場も出現しました。家畜の糞のなかにエンドトキシンという物質があり、これに接触している乳幼児はアレルギー疾患に罹りにくいという論文がドイツのミュンヘン大学から出たのです。

昭和20年代まで日本も70%が農村で家畜と共存しておりましたが、今では家畜と触れ合う環境も失われています。現代のような細菌、寄生虫を遠ざけた超清潔生活を見直さなければならないかもしれませんね。

スギ花粉前線、弘前に接近!

ここ、津軽地方、弘前にもスギ花粉前線が間近に接近してきております。雪が解け始め春の到来で心浮き浮きする季節であるのですが、スギ花粉症の方にとっては憂鬱な季節の始まりでもあります。

今やスギ花粉症は日本の国民病と言えます。なんと、スギ花粉症有病率は26%です。年齢別だと、0~4歳が1%、5~9歳が14%、10歳代~50歳代が30%、特に40歳台は40%の高有病率です。

この10年間でスギ花粉症有病率は10ポイントも上昇しているのです。また、段々、低年齢化してきています。

さらに血液検査でスギ花粉特異的IgE抗体を調べるとスギ花粉に感作されている陽性率は50%を超えています。まだ、スギ花粉症が発症はしていないけど、将来に発症するであろう、いわゆるスギ花粉症予備軍が国民の半分もいるのです。

なぜ、このように、スギ花粉症が増えてきたのか?その要因は単一ではなく、複数の生活環境の変化にあると言われます。

最も大きな要因は、抗原量の増加、つまり、スギ花粉量の増加です。スギは戦後の国土復旧のための木材需要により植林が盛んに行われましたが、1975年頃より林業産業の衰退のため成長木の伐採が行われなくなりました。これにより、花粉を沢山産生する樹齢30~40年のスギの木が非常に増えているのです。

スギは1本の成長木で平均約1kgの花粉を産生します。日本のスギ林は450万ヘクタールで日本の国土面積の12%で、年間450万トンのスギ花粉量が飛散していることになります。ヒノキ花粉もスギ花粉と同類の花粉で花粉症を発症しますので、合わせると、650万トンにもなります。日本の人口1億2000万人で割ると、一人当たり、50kgの花粉に相当します。

林野庁は花粉の少ない品種改良と植林に取り組んでおり、10年後に花粉量50%削減を目標に掲げています。

しかし、アレルギーの原因はスギ花粉だけではありません。まず、始めに感作されるのは、塵ダニ(ハウスダスト)です。

気密性の高い住宅で、ベットやソファー、じゅうたんのある、冷暖房完備の部屋でテレビゲームをしたり、ビデオを見たりして、生活する現代では、乳幼児期に莫大な量のダニに曝露しております。そこでダニ抗体を保有してしまい、次にスギ花粉に感作されるのです。

それでは、ダニの少ない超清潔な環境で生活すれば、アレルギーは発症しないのでしょうか。否です。答えはそう単純なものでもないのです。

むしろ、超清潔社会になって、乳幼児期の細菌感染症が減少したことが、アレルギー疾患が増加した原因だというのです。

2010年3月3日水曜日

PPKを目指して

PPKってご存知ですか?そんな専門用語わからないという方も、正解を聞いたらズッコケてしまいます。ピンピンコロリの略なんだそうです。長野県の高森町で体力、健康つくりのキャッチフレーズとして、1979年から言われていたようです。わかりやすいと言えばわかりやすい。KY(空気が読めない人)というのが2,3年前流行りましたが、それ以前からあったんですね。すごい SY!(先を読んでる!)

いうまでもなく、PPKとは寿命までぴんぴんと生きて最後の数カ月でころりと死ぬ。これが、理想的な健康長寿社会であり、高齢になれば切にこの生き方を本人も家族も社会も望んでいます。

日本は世界で最も長寿の国の一つで、平均寿命は80歳を超えております。しかし、平均して亡くなる前6年余りは寝たきりや認知症の状況で生きております。

このことが、老後に対するみんなの不安であり、今後少子高齢化が進むに従って深刻な社会的問題となってきています。

寝たきりとは、つまり、簡潔にいえば、老化による筋肉の衰えによるもの。であれば、仕方のないものなのでしょうか?

実際、筋力の低下は日常生活のみの場合、1年間で1%だそうです。病気などで寝たきりになると2日で1%の筋力低下、宇宙飛行は1日で1%の筋力低下だそうです。

このことより、私たちが地球上で重力に対抗して死ぬまで2本の足で立っているためには、適度の運動が不可欠ということが言えます。

日本人の歩行歩数を調べてみると、50,60歳代では、4000~6000歩が多く、1万歩以上が2割以上ですが、70歳以上になると、歩行が4000歩未満の人が50%を超え、1万歩以上は1割以下だそうです。

加齢とともに、退行性疾患や骨粗しょう症や変形性膝関節症などで歩行が困難になってくるのが原因のようです。

つまり、寝たきりを予防するには、まず、退行性疾患にならないように早期から適度の運動が必要だということです。過剰な運動は怪我のもとですから気をつけましょう。

次に、認知症ですが、大別すると脳血管性認知症とアルツハイマー病があります。つまり、原因は脳動脈硬化と脳神経のタンパク蓄積ですから、これも生活習慣の乱れから来ることが多いと言えます。

予防法は、適度の運動、魚や緑黄色野菜の摂取、ストレスの少ない生活ということになります。これも早期から予防するに越したことはありません。

PPKを目指すのも、並大抵ではありません。個人個人の努力が必要だということです。地球上で生きていく以上、死ぬまで絶えず筋肉を鍛え、血管を鍛え、脳を鍛えなければならないということです。

地球で生きていれば、楽しいことも多くありますから、そのための最低条件だと思って頑張りましょう。

2010年3月1日月曜日

アスタキサンチンの凄い効果

さて、老化の一原因である活性酸素を除去してくれる抗酸化物質。ビタミンC、ビタミンE、αーリポ酸、コエンザイムQ10、ポリフェノール、カロテノイド、などが有名です。

その中で、カロチノイドは、主に野菜や果物に含まれている成分で、ガン予防効果があるといわれております。

カロテノイドはカロテン類とキサントフィン類の2種類に分類され、カロテン類ではニンジンに多いβ-カロテンやトマトに多いリコピンが有名です。

キサントフィン類はカボチャに多いルテインやエビやカニの表皮や鮭などの赤色色素に多いアスタキサンチンが有名です。

最近特に注目を集めているのが、アスタキサンチンであります。京都府立医科大学の消化器内科教授の吉川敏一先生を中心とするグループを筆頭にアスタキサンチンの効果を沢山の論文で発表しております。

 研究結果を箇条書きします。
LDLコレステロールの酸化抑制効果
冷えや肩こり、疲労などの緩和
眼精疲労の緩和、眼の調整力の改善
運動時の体脂肪利用のの促進
運動時の視機能向上
シミ、シワ、くすみなどの肌ダメージの抑制
睡眠リズムの安定化

私も、医療用サプリメントのアスタリールACT(富士化学工業株式会社)を一日2粒ずつ飲んでます。また、患者さんにも勧めていますが、効いているような気がします。患者さんの感想として、目の疲れがとれる、元気になる、ということを聞いてます。



確かに強力な抗酸化力があるようです。ビタミンCの5000倍だそうです。このデータを見ただけでも説得力がありますよね。私は沢山のサプリを飲んでいるのでどれが効いているかは判断できないのですが、このようなデータを信じて飲んでるだけなんです。