2011年9月9日金曜日

ウオーキングから始めるアンチエイジング(入門編4)

ウオーキングとはまさしく歩くこと、どんなに運動が苦手な人でも歩くことはできるはず。でも誰でもできるからといって、侮ってはいませんか?老人の暇つぶしと思っていませんか?

アンチエイジング医学にとってウオーキングはローリスク・ハイリターンのエクササイズです。しかも善玉ホルモンを一挙放出する玉手箱なんです。

まず、ウオーキングの優れた点も紹介します
①だれでもできる(高齢者、生活習慣病の持病者、運動の苦手な人、膝、腰の弱い人)
②運動強度を自由に変えられる
③手軽にいつでも、どこでもできる
④日常生活の中に習慣化しやすい
⑤怪我をする危険が少ない
⑥得るものが多い(スタミナ、心肺機能、筋力、基礎代謝、丈夫な骨)
⑦ストレス解消
⑧病気予防
⑨健康維持
⑩ダイエット

次に善玉ホルモン放出する玉手箱だといわれる所以を説明します。
①インスリンの働きを高まり、糖質燃焼が活発になります。よって糖尿病予防になります
②善玉コレステロールといわれるHDLコレステロールが分泌します。これによって動脈硬化を予防し血圧を下げます。
③脂肪燃焼が活発になります。これによって脂肪の善玉ホルモンのアディポネクチンが分泌し免疫力が上がりウイルスやガンに対して抵抗力が向上します
④良質のミトコンドリアが増えます。よって健康に長生きできるスタミナがつきます。
⑤体の酸化を防御する物質が増えます。よって老化を予防します。
⑥成長ホルモンが分泌します。よって、元気が出ます。
⑦癒しのホルモンであるセロトニンが分泌します。よってストレスが解消できます。
⑧着地のたびに骨に重力がかかり骨が丈夫になり骨粗しょう症を予防します。

これだけのホルモンが、もしサプリメントで売っていたとしたら、(実際は売ってませんが)毎月100万円はかかるかもしれません。
でも、ウオーキングさえしたら、只で手に入るのです。しかも、自家製だから免疫拒否反応もなく、体に素直に効いてくれます。
まさに、ウオーキングはスーパーサプリメントだと思いませんか?こんな優れたエクササイズは他にはありませんし、利用しない手はないですよね。

痩せる食事から始めるアンチエイジング(入門編3)

③痩せる食事から始めるアンチエイジング

前回2回は肌と体型の若返りからアンチエイジングを取り上げましたが、3回目の今日は、痩せるためのアンチエイジング食についてお話します。
私自身、4年前は体重が78kgありましたが、今は58㎏と20kgの減量に成功しました。今も同様の食事メニューですが、リバウンドもなく健康を害することもなく、シンプル故に楽しく無理なく長期間実践しております。

この食事法は地中海式メニューに似ておりますが、医学的にいえば糖質制限食ということになります。つまり、炭水化物や糖質を制限する食事です。最近では京都の江部康二先生が糖尿病患者さんに実践して有名です。
まず、簡単で無理がなく、楽であるということが長期間持続できる要素です。

私の場合は一食の五穀米のご飯の量を90gと決めています。茶碗普通盛りの半分になります。糖質量に換算すると31gほどになります。食卓秤で正確に測ります。和食か地中海食に近いものでフライ物や肉類は多くは摂りません。ただ、油はオリーブオイルかエゴマ油に決めています。それ以外はあまり以前と変わりません。ビールも普通に飲んでます。

注意したいのは極端に糖質を制限しないことです。極端だと脳と筋肉に悪い影響がでるのでよくありません。一日糖質量は最低限60gは必要だと思います。

また、食べる順番は決めています。まず生野菜のサラダをゆっくり10分かけて食べます。できれば一日量350gが目標です。次に、酢の物(野菜や海草類)、次に主菜の魚や肉です。次に、ご飯の上に納豆や昆布佃煮や紫蘇ひじきをトッピングして食べます。最後に果物を食べます。

この順番は糖質の少ない順番です。これによってインスリンの分泌を節約できるので糖尿病になりにくく、満腹中枢も満足します。

朝食と夕食はしっかり食べますので、昼はソイジョイやナッツやリンゴで空腹感を紛らわしています。

注意点は、糖質制限食をすると筋肉内のブドウ糖も消費しますので、筋肉も痩せていきます。すると基礎代謝も低下するのでリバウンドの原因になります。ですから筋肉トレーニングはする必要があります。

カロリー制限食と脂質制限食と糖質制限食の3群でダイエット効果を比較した医学論文がありますが、一番減量したのは糖質制限食でした。しかもリバウンド率が一番低かったのも糖質制限食でした。

これまでダイエットに失敗した人の原因は、①医学的根拠のない誤ったダイエット法をしていること、②短期間の無理なダイエット計画を立てたこと、③運動を取り入れてなかった、などにあるのではないでしょうか。

疲れたときやストレスを感じているときに甘いものは脳に幸福感を与えてくれます。ストレス社会といわれる現代において糖質は一種の麻薬みたいなものです。この糖質中毒になって肥満に陥っている人は世の中に多くいます。

このような方は、正しい痩せる食事法を知って、健康に痩せてほしいと思います。また、糖質制限食を経験しアンチエイジングの素晴らしい世界に足を一歩踏み入れてほしいと思います。

体型の若返りから始めるアンチエイジング(入門編2)

前回は見た目の若返りの第一弾としお肌の若返りを取り上げましたが、今回はお肌の次に加齢に伴い気になるところ、体型の崩れを取り上げます。

大手下着メーカーであるワコールでは1964年から45年間もの長い間4万人の女性の人体計測をしてきました。20代から50代になるまでの30年間の追跡調査をした人は100人に上ります。

この調査でわかったことは、すべての人が同じ順序で体型変化するということ、大きく変わる変化は5つあります。
①バストが下がる
②お腹がでる
③ヒップが下がる
④ウエストに脂肪がつく
⑤ウエストのくびれがなくなる

20代の頃は桃のように丸かったヒップが台形型になり、上を向いていたバストは重さと揺れの刺激でクーパー靭帯が伸びて垂れさがります。これはだれもか経験する老化現象ですから仕方のないことです。

しかし、体型変化の大きい人と少ない人のグループに分かれました。
体型変化の少なかった人たちには共通点がありました。
①体脂肪が少ない、
②持久力、筋力があり、
③すぐ眠れ、ストレスをうまく解消できる、
④生活習慣病を持っていない

また、体型維持をしている人の共通の生活習慣として、
①よく歩く、姿勢に気を付けて生活している、
②活動的な生活をしている、
③食事は食べ過ぎず、バランスよく食べている、
④ジャストフィットした下着を選んでいた

一方、体型が大きく変化した人は、25年間でウエストが10センチ太くなり、腹囲がバストと同じサイズになり、体重も5kg増量しました。体脂肪も増加しておりました。

やはり、肥満は、体型の崩れにも大きく影響することがわかりました。太っているだけで老けて見えますからさらに加齢によって尚更、体型が崩れて老けて見えるのは耐え難いですね。

見た目が若い人は体も健康であるということを証明する調査結果だったと思います。

体型を維持し見た目がきれいな人の特徴である、姿勢よく歩く、食べ過ぎず、バランスよく食べ、活動的に生活するということは、そんな特別な方法でもないですね。高級下着をつけるわけでもなく、エステに通っているわけでもなく、実にシンプルですぐ今日から実践できますよね。

アンチエイジング医学はは高額で手が出ないと勘違いしておられる方が多いですが、意外と基本的な医学的知識さえ持っていればお手軽に実践できることがおわかりだろうと思います。

ただ、美肌を維持することと同じで日々の健康生活を地道に積み重ねられるかというところに尽きます。継続は力ですね。

肌の若返りから始めるアンチエイジング(入門編1)

アンチエイジング医学とは、日本語で抗加齢医学といいます。つまり、加齢に伴う老化現象の速度を遅らせるための予防医学、究極をいえば、若返りということになります。

今回の企画は、アンチエイジングに対して少しだけでも興味を持っていただくためのものです。

アンチエイジングの医学的専門用語を極力使わず、わかりやすく、入門しやすいテーマであろう、「見た目」のアンチエイジングに的を絞り、特に①美肌と②美しい体型と③ダイエット食と④簡単にできるエクササイズについて、説明しようと思います。

さて、あなたは加齢に伴って心配しているところはどこですか?
容貌?スタイル?病気?

4000人の平均年齢41歳の日本人男女にアンケート調査をしました。あなたは加齢に伴って気になるところはどこですか?
女性の場合、8割が見た目と答えました。2割は体の中身でした。見た目のダントツトップは肌でした。2位以降はおなか回り、髪、お尻、首の順でした。男性の場合でも、5割が見た目でした。1位が髪、2位がおなか回り、3位が肌でした。

男女の違いでアンチエイジングの興味にも違いがあることがわかりますが、意外に男性でも見た目を気にしていることにびっくりします。

平均年齢が70歳だと、調査結果も大きく変わり、ガンや認知症や寝たきりとか体の中身の心配が大きなウエートを占めてくるだろうことは容易に想像できます。それぞれの年齢で心配部位が異なり、アンチエイジング医学はさらにそこから進行しないように予防する手段を提供しています。

しかし、18歳が成長のピークであとは徐々に老化の一途をたどるわけですから、アンチエイジングへの入門は若い時ほど良いことになります。

また、見た目を若く保つということは、健康的な日々の生活の積み重ねであり、結果的に体の中身を若く保つことに繋がり、健康長寿が可能になるわけです。

さて、多くの女性の興味のトップであった肌ですが、きめの細かい、張りがあって、色白で、透明感がある肌が現代の美肌といえましょう。

それに対して老化した肌とは、しわ、たるみがあり、しみ、くすみのある肌です。

肌老化の4大原因は紫外線、乾燥、酸化、糖化だと言われますので、お肌ケアとして大切なのは、紫外線対策をしっかりする、保湿剤を塗る、抗酸化剤である野菜をたくさん摂る、甘いものは控えることで予防できます。また、ストレスの少ない、規則正しい生活と睡眠はいうまでもありません。

また、老化により頭がい骨の骨格も変わります。前歯が出て、あごがしゃくれてきます。また、目が窪んできます。お猿さんに似てきます。これは特にカルシウム低下や女性ホルモンの低下により骨粗しょう症の進行が原因です。

これは特に閉経後の女性のかたの問題となりますが、予防するには日ごろから骨の原料となるカルシウムやビタミンDをたくさんと摂り、女性ホルモン様物質であるイソフラボンを摂り、適度の運動をして、骨を鍛えておく必要があります。美肌を獲得するためには全身の健康からということです。

ハイドロキノンの美白剤を塗ったり、ピーリングしたり、ヒアルロン酸やボトックスを注射してしわを消したり、たるんだ皮膚を切ったり、引っ張ったり、色々なことができるよい時代にはなってきてはおりますが、大切なことは美肌のための正確な医学知識を身に着けて、日々コツコツと健康的な生活を積み重ねることです。

2011年3月4日金曜日

老け顔の原因は頭蓋骨崩れ


(Health & Beauty Review 2011年2月号掲載引用)

顔のシワやたるみは、頭蓋骨の老化とも関係しているという論文が、アメリカの美容医療の雑誌「Plastic and Reconstructive Surgery Jounal 2011年1月号」に掲載されました。

今までは、コラーゲン繊維の劣化や保湿力の低下などの皮膚老化が顔のシワとたるみの原因とされておりましたが、実は頭蓋骨の老化、つまり骨粗しょう症も原因だと言うことです。

この研究は白人男女120人を対象に若者(20~40歳)、中年(41~64歳)、老人(65歳以上)に分類して分析してます。

特徴を言うと、上顎の突出(前歯が出歯になる)、下顎の突出(しゃくれ顔)、眼窩の拡大(目のくぼみ)。このイラストの左から右に頭蓋骨の形状が変わるわけで、わかり易く言うと、人間は老化すると、猿人類に戻るということ。確かに、身の回りの御老人を見ると、背中が曲がり、顎が突き出て目が窪んで、お猿さんに似ている人を見かけますよね。

美容形成外科でいくら、たるんだ皮膚を持ち上げたり、カットしたり、窪んだ処にヒアルロン酸で膨らましたりしても、なんか不自然なのは頭蓋骨の骨格が変形しているからなんですね。

徹底して美容形成をするなら骨の形成が必要ということになります。これから先、医学は進歩するので骨格の手術は盛んになるかもしれません。

できることなら、猿人類になる前に、顔の老化も遅らせたいというのが人類の希望でしょう。ならば、骨粗しょう症との戦いと言うことになります。

骨粗しょう症は女性ホルモンと非常に相関します。閉経後、女性ホルモンは著明に低下しますから、女性にとって骨粗しょう症は気を付けなければいけません。女性ホルモン類似物質のイソフラボンが含まれる大豆製品を適度に取ると良いようです。

また、骨の代謝は、運動やカルシウム、ビタミンDなどの栄養が必要です。

さらに、ストレスをため込まないように笑顔を忘れずに前向きな生活をすることも若々しい容貌を保つ秘訣でしょう。

あなたは、どちらを選びますか?

娘時代の若々しい美貌でいたいですか?それとも、しわだらけのお猿さんでいいですか?
かわいいお猿さんなら、そんなに悪くはないかな?

2011年2月24日木曜日

ミラクルピラティスの丹羽裕子さんのセミナーに行きました

1月30日にミラクルピィラティスの丹羽裕子先生のセミナーに行ってきました。

丹羽裕子先生は元々、ボディービルの日本チャンピョンを征しているほどの凄い人。

今57歳ということですが、どう見たってそんな年齢には見えません。今でも現役のようです。確かに脂肪率0%?と思えるほどの無駄のない締まった体をしてますが、それ以上に身体の柔らかいところには驚愕します。

最近はミラクルピィラティスといって主にインナーマッスルを鍛える、ワールドピィラティスという法人を設立して、京都、大阪を中心に普及活動をされております。

私が、腹筋、大腿筋、背筋、上腕筋のみを鍛える筋トレーニングをこれまでしてきましたが、なにか不足していることに気付き始めた頃でした。

最近、肩こりがするようになったこと、首を回しづらくなったこと、関節が固くなって柔軟性がなくなってきたこと、瞬発力がなくなってきたこと、身長が縮んだこと、などなど、

このままのトレーニングでは若さを維持できる筋肉は鍛えられないと思い、丹羽先生のセミナーに応募しました。

ここで知ったことは背骨を伸ばすということ、気持ちがよくなる運動を見つけること、自分の身体に耳を澄ますこと、身体を整えるということ。

直感的で、なかなか簡単には理解はできなかったけれども、少しでも真似して身体に聞いて体感していこうかな思っております。

私の解釈では、背骨がまず大切、一個ずつの背骨を繋いでいる靭帯と筋肉、さらに背骨に付着する頭蓋骨と肩甲骨と骨盤。この3つの骨と繋がっている背骨との間の筋肉、靭帯。これらをインナーマッスルというのだろうと思いますが、これが非常に大事!

そういうことだろうと思います。アウターマッスルも大事、でももっとインナーとのバランスが大事。簡単なようで難しい。

2011年2月12日土曜日

アンチエイジング医学は老化を予防する医学です

私も今年の1月から正式に日本抗加齢医学会専門医に認定されました。2619番の認定番号です。青森県には8人、弘前市では私一人のようです。

このアンチエイジング医学は日進月歩、進化しています。老化の仕組みも遺伝子レベルで解明してきています。不老不死というわけにはいかないですが、老化のスピードを遅くすることは可能になってきました。実年齢より身体年齢が老化している場合は、身体年齢を実年齢に近づけることは十分可能です。

私も老化予防のプログラムを実践しておりますが、実年齢52歳ですが平均38歳の身体年齢(5臓器)になりました。若返りも可能だと実感します。確かに老眼は始まっているし、記憶力は確実に低下しているし、見た目も38歳というわけにはいきませんが、でも、データがそのようにでていると悪い気はしません。

身体年齢はアンチエイジングドックで測定します。基本的には5臓器の年齢を調べます。その他に肌年齢、歯年齢、眼年齢、耳年齢などもパーツ毎に調べることができますが、当院ではやってません。5臓器とは筋肉、骨、血管、神経、ホルモンです。測定機械と血液検査で約1時間でできます。

老化の病的促進の根本的原因は、肥満と運動不足とビタミン、ミネラル不足、ストレスだと言えます。

まずこれを解消するべくプログラムを作成して、実践してもらうように介入することが、アンチエイジング外来の使命です。

しかし、これがまた一苦労ではあるのですが。今までの長年親しんだ生活習慣を変えさせることは、根気と時間が要ります。

行動変容の6つのステージというのがあります。ステップ1が無関心期、ステップ2が関心期、ステップ3が準備期、ステップ4が実行期、ステップ5が維持期、ステップ6が完了期となります。

必ずこの階段を通過しないと完了期には到達できないので、根気よく一段ずつクリアしていかなければいけません。ステージを進める原動力と達成感をいつも維持しながらの長い旅路です。

でも、頂点には若返った自分がいます。それを手に入れる為には、楽したい気持ちをちょっとだけ我慢して階段を昇るのです。

2011年2月11日金曜日

病院の処方は患者さんのニーズに合った薬を選択できる

スギ花粉症の対策として、セルフケアと病院の治療があります。病院の治療についてお話します。

実はスギ花粉症の方で病院に受診する人は3分の1だそうです。残りの3分の2の人は我慢しているか、薬局で市販薬を買って紛らわしているようです。

Q1 花粉症を我慢しているとどうなりますか?

A1 鼻三大症状の他に咽頭痛、喘息、頭痛、睡眠不足、うつ状態、集中力低下などがでてきます。さらに益々アレルギー疾患が年々増悪してきます。

Q2 薬局の市販薬と病院の処方薬に違いはありますか?

A2 薬局の市販薬は、基本的に緊急時の症状を抑える為の薬と考えたほうがよいと思います。第1~2世代の抗ヒスタミン薬が主なので眠気の副作用が出やすい。また点鼻薬は血管収縮薬がメインなので長期使用によって副作用が出やすいので注意が必要です。

病院の処方薬は長期投与が可能で最新の抗ヒスタミン薬を使いますので眠気の副作用は少ない。また鼻噴霧ステロイド薬は、副作用がなく長期使用可能で効果が持続する特徴があります。

また、病型として鼻づまり型と鼻みず・くしゃみ型があります。このような症状に応じて、さらに重症度の応じて薬を選択できます。

患者さんのライフスタイルに応じて薬を選択することもできます。車の運転中、学校の試験中に眠気がでたら大変ですからね。

Q3 薬はいつから飲んだらよいでしょうか

A3 花粉に対する敏感さは個人差がありますから一概にいえませんが、花粉飛散開始日から内服し始めることをお勧めしてます。初期療法(予防投与)といいますが、症状が出る前から内服したほうが少量で持続的に効果があることが実証されています。特に敏感な人は、飛散開始日の3、4週間前から発症しますが、そのような方は発症日から開始したらよいと思います。


Q4 薬の他に治療法はありますか?

A4 スギ花粉シーズン前にする必要がありますが、鼻粘膜レーザー焼灼術があります。10分の外来でできる小手術(片側ずつ)です。個人差がありますが1年間は効果があります。手術料は片側2700円(3割負担)です。

また減感作療法といってスギエキスを少量ずつ注射する方法がありますが根気のいる治療法です。

ステロイド注射療法は日本耳鼻咽喉科学会から副作用が多いため警告が出されておりますので、当院ではやっておりません。

スギ花粉症が疑われる方は、是非、早めに耳鼻咽喉科を受診され、症状を詳しく話されて(問診)、アレルゲンを同定して的確に診断してもらうことをまずお勧めします。そして患者さんのニーズに合った薬をお互いに探していくことが大切だと思います。

スギ花粉のセルフケアは?

スギ花粉対策はセルフケアと病院での治療の2つがあります。

まず、セルフケアですが、花粉を避ける工夫が重要になります。

Q1 どんな日に花粉は飛びますか?

A1 風の強い日、天気のいい日、雨の降った翌日の天気の良い日にはかなり花粉は飛びます。できるだけ外出は控えたほうがよいです。また、朝より夕方のほうが飛散しますので外出は午前中にすませる。逆に雨に日はほとんど飛散しません。

Q2 外出する時の注意は?

A2 マスク、ゴーグル眼鏡、帽子、花粉が付着しずらい衣服の着用に気を付ける。帰宅時には洗顔、うがい、鼻をかむなどが大切です。

Q3 室内に持ち込まない工夫は?

A3 飛散の多い日は、窓や戸を閉めておく。帰宅時には衣服や髪をよく払う。掃除は丁寧に、拭き掃除をこまめに。洗濯物は外に干さない。

Q4 生活上の注意は?

A4 ストレスやウイルス感染は、症状をさらに悪化させるので、日常生活も規則正しく過ごすよう心掛ける。

Q5 花粉症でない人も、セルフケアは必要ですか?

A5 将来花粉症になる可能性のある、花粉症予備軍を含めるとスギ花粉症は国民の半数もいます。無防備にスギ花粉を吸い続けると発症する可能性が高くなりますので、花粉症の方と同様にセルフケアしたほうがよいでしょう。

弘前の2011年のスギ花粉飛散は昨年の2~3倍

Q1 今年のスギ花粉量は多いってホント?

A1 今年(2011年)のスギ花粉は全国的に昨年の夏の猛暑の影響で雄花の発育がよく、花粉量が例年の2倍から10倍と多い予測がでております。

弘前大学耳鼻咽喉科教室の松原篤先生主宰の青森県花粉情報研究会の発表では、弘前の今年のスギ花粉飛散量は3700個~4200個/cm2と予測しています。昨年が1649個/cm2でしたので今年は2~3倍多く飛散することになります。2年前は比較的大量飛散の年(3533個/cm2)でしたが、今年はそれ以上になりますから注意が必要です。

Q2 スギ花粉飛散開始日は?

A2 1月21日からの一日最高気温3℃を超えた日数と3℃を超えた温度の積算値で飛散開始時期が決まります。ですから、これからの気温の上がり次第でで大きく変わります。昨年の初観測が3月12日でした。飛散開始日は3月21日でした。本格飛散は4月上旬でした。天気予報や花粉情報を日々チェックしてもらいたいと思います。

Q3 花粉に対する敏感さに個人差はありますか?

A3 飛散開始日前の1か月前の2月初旬から目のかゆみ、鼻みずの症状がでる人がいます。一方、花粉飛散がピークになった4月上旬に初めて発症する人もいます。敏感さは個人差が多いです。事前に皮膚反応テストや特異的IgE血液検査でアレルゲンの種類と強度を調べるとともに、経験上から自分の感受性を知っておくことが大切です。

よって、セルフケア、初期療法開始の目安に、花粉情報とともに自分の感受性を大いに参考にしてもらいたいと思います。

Q4 スギ花粉はいつ終了しますか?

A4 5月中旬には終了します。しかし、4月中旬からヒノキ花粉が飛散開始しますので、ヒノキ花粉症の方は引き続き治療が必要です。スギ花粉症の7割がヒノキ花粉にも反応すると言われています。

また5月中旬からイネ科のカモガヤも飛散しますので、前もってアレルゲンを同定しておくことは大切です。

スギ花粉には早めの予防、対策を

弘前はまだまだ雪の中、冬真っ盛りですが、それでも日照時間は長くなり徐々に春は近付いてきております。

春の到来は誰よりも雪国の人々には待ち遠しいものです。しかし、国民の3分の1の人にとって憂鬱な季節の到来でもあるのです。

それはスギ花粉の飛散。くしゃみ、鼻みず、鼻づまり、目鼻のかゆみ。たまりませんね。

今年は去年に比べるとスギ花粉の飛散量が2~3倍ともいわれています。そろそろ、花粉症の方は予防、対策をしなくてはなりません。花粉症でない方も油断は禁物です。今年の大量飛散でスギ花粉症デビューするかもしれません。

Q1 スギ花粉症は日本の国民病?

A1 スギ花粉症有病率は日本の国民の26%です。0~4歳が1%、5~9歳が14%、10~19歳が30%、20~50歳も30%、特に40歳代は40%もいます。この10年間で10ポイントも上昇しました。しかも低年齢化してきております。
しかも、スギ花粉症予備軍も入れると50%にも達します。


Q2 なぜ、スギ花粉症は増えたのか?

A2 複数の生活環境の変化が原因だと言われています。もっとも大きな要因は、スギ花粉量の増加です。戦後の国土復旧のための植林が盛んに行われました。花粉が沢山産生する樹齢30~40年のスギの木が非常に増えています。スギの木1本から平均1kgの花粉が産生します。日本のスギ林は日本の国土面積の12%ですから年間450万トンのスギ花粉量が飛散していることになります。

住宅環境の変化も要因のひとつです。マンションのような通気性の少ない住宅で、ベットやソファー、じゅうたんのある冷暖房完備の部屋は莫大な量のダニの温床となります。そこで乳幼児期に生活するとダニ抗体を保有してしまい、次にスギ花粉に感作されます。

Q3 スギ花粉症の診断は?

A3 スギ花粉症の症状は風邪の初期症状と似ているため鑑別できないことがあります。鼻みずを綿棒でとって顕微鏡で好酸球検査をします。これで陽性な場合、アレルギー性鼻炎が疑われます。

さらに原因となるアレルゲンを調べます。アレルゲンエキスの皮膚反応テストと特異的IgE抗体の血液検査の2種類があります。
皮膚テストは約8種類のアレルゲンを測定しますが、反応があると皮膚に膨疹と発赤が現れます。20分で結果がわかります。費用は約1000円(3割負担)とリーズナブルです。血液検査は結果が出るまで3,4日かかり約3400円(3割負担)と少し割高です。しかし、多数の抗原を同時に定量的にわかり、花粉症予備軍であるかもわかります。

まず、アレルゲンを調べることが大切です。スギ花粉症の方はダニや他の花粉にも感作されていることが多いです。4月のヒノキ、5月のカモガヤ、9月のブタクサ、ヨモギなど重複して感作されている人が多いのです。原因がわかれば対策がたてやすくなります。

2011年1月8日土曜日

Kenzの活動量計はモチベーションを維持できます



これは従来で言うところの万歩計ですが、さらに多機能な性能を持ったもので、活動量計といいます。株式会社スズケンが製造発売しているKenz3軸センサー活動量計e-style2というものです。4200円くらいです。

この特徴は、歩数は勿論、運動量、総消費量、速歩時間を算出できます。2分毎の身体活動の強さをレベル0~4の5段階でグラフ表示します。ゆっくり歩行でレベル2、速歩がレベル3、軽いジョギングがレベル4です。カロリー燃焼ラインがレベル3以上でカロリーの燃焼量がわかります。これより一日24時間の生活リズムが把握できるわけです。

身体活動には運動と生活活動がありますが、日本人の平均的な総消費量の内訳では運動が9%、生活活動が14%あるということですので、全体の4分の一を占め、身体活動が活発な人ほど、健康的であるといわれています。

仕事で忙しく、時間を割いて運動できないと言う人も、この活動量計を使えば仕事の中にも活動量を高める機会を探せることができるし、また掃除や洗濯などの家事の中にも活動量を増やす工夫を見つけられるかもしれません。

一日の歩行数や総消費量の目標も設定でき達成したら嬉しいメッセージが表示したり、ささやかな報酬も用意されています。

また、睡眠時に装着すると熟睡度が把握でき、ノンレム睡眠、レム睡眠のリズムを知る手掛かりになります。

さらに、1週間の合計もわかりますから活動量の少なかった週はもう少し頑張ろうかという風にモチベーションを維持することができます。