スギ花粉症の対策として、セルフケアと病院の治療があります。病院の治療についてお話します。
実はスギ花粉症の方で病院に受診する人は3分の1だそうです。残りの3分の2の人は我慢しているか、薬局で市販薬を買って紛らわしているようです。
Q1 花粉症を我慢しているとどうなりますか?
A1 鼻三大症状の他に咽頭痛、喘息、頭痛、睡眠不足、うつ状態、集中力低下などがでてきます。さらに益々アレルギー疾患が年々増悪してきます。
Q2 薬局の市販薬と病院の処方薬に違いはありますか?
A2 薬局の市販薬は、基本的に緊急時の症状を抑える為の薬と考えたほうがよいと思います。第1~2世代の抗ヒスタミン薬が主なので眠気の副作用が出やすい。また点鼻薬は血管収縮薬がメインなので長期使用によって副作用が出やすいので注意が必要です。
病院の処方薬は長期投与が可能で最新の抗ヒスタミン薬を使いますので眠気の副作用は少ない。また鼻噴霧ステロイド薬は、副作用がなく長期使用可能で効果が持続する特徴があります。
また、病型として鼻づまり型と鼻みず・くしゃみ型があります。このような症状に応じて、さらに重症度の応じて薬を選択できます。
患者さんのライフスタイルに応じて薬を選択することもできます。車の運転中、学校の試験中に眠気がでたら大変ですからね。
Q3 薬はいつから飲んだらよいでしょうか
A3 花粉に対する敏感さは個人差がありますから一概にいえませんが、花粉飛散開始日から内服し始めることをお勧めしてます。初期療法(予防投与)といいますが、症状が出る前から内服したほうが少量で持続的に効果があることが実証されています。特に敏感な人は、飛散開始日の3、4週間前から発症しますが、そのような方は発症日から開始したらよいと思います。
Q4 薬の他に治療法はありますか?
A4 スギ花粉シーズン前にする必要がありますが、鼻粘膜レーザー焼灼術があります。10分の外来でできる小手術(片側ずつ)です。個人差がありますが1年間は効果があります。手術料は片側2700円(3割負担)です。
また減感作療法といってスギエキスを少量ずつ注射する方法がありますが根気のいる治療法です。
ステロイド注射療法は日本耳鼻咽喉科学会から副作用が多いため警告が出されておりますので、当院ではやっておりません。
スギ花粉症が疑われる方は、是非、早めに耳鼻咽喉科を受診され、症状を詳しく話されて(問診)、アレルゲンを同定して的確に診断してもらうことをまずお勧めします。そして患者さんのニーズに合った薬をお互いに探していくことが大切だと思います。
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