2011年9月9日金曜日

ウオーキングから始めるアンチエイジング(入門編4)

ウオーキングとはまさしく歩くこと、どんなに運動が苦手な人でも歩くことはできるはず。でも誰でもできるからといって、侮ってはいませんか?老人の暇つぶしと思っていませんか?

アンチエイジング医学にとってウオーキングはローリスク・ハイリターンのエクササイズです。しかも善玉ホルモンを一挙放出する玉手箱なんです。

まず、ウオーキングの優れた点も紹介します
①だれでもできる(高齢者、生活習慣病の持病者、運動の苦手な人、膝、腰の弱い人)
②運動強度を自由に変えられる
③手軽にいつでも、どこでもできる
④日常生活の中に習慣化しやすい
⑤怪我をする危険が少ない
⑥得るものが多い(スタミナ、心肺機能、筋力、基礎代謝、丈夫な骨)
⑦ストレス解消
⑧病気予防
⑨健康維持
⑩ダイエット

次に善玉ホルモン放出する玉手箱だといわれる所以を説明します。
①インスリンの働きを高まり、糖質燃焼が活発になります。よって糖尿病予防になります
②善玉コレステロールといわれるHDLコレステロールが分泌します。これによって動脈硬化を予防し血圧を下げます。
③脂肪燃焼が活発になります。これによって脂肪の善玉ホルモンのアディポネクチンが分泌し免疫力が上がりウイルスやガンに対して抵抗力が向上します
④良質のミトコンドリアが増えます。よって健康に長生きできるスタミナがつきます。
⑤体の酸化を防御する物質が増えます。よって老化を予防します。
⑥成長ホルモンが分泌します。よって、元気が出ます。
⑦癒しのホルモンであるセロトニンが分泌します。よってストレスが解消できます。
⑧着地のたびに骨に重力がかかり骨が丈夫になり骨粗しょう症を予防します。

これだけのホルモンが、もしサプリメントで売っていたとしたら、(実際は売ってませんが)毎月100万円はかかるかもしれません。
でも、ウオーキングさえしたら、只で手に入るのです。しかも、自家製だから免疫拒否反応もなく、体に素直に効いてくれます。
まさに、ウオーキングはスーパーサプリメントだと思いませんか?こんな優れたエクササイズは他にはありませんし、利用しない手はないですよね。

痩せる食事から始めるアンチエイジング(入門編3)

③痩せる食事から始めるアンチエイジング

前回2回は肌と体型の若返りからアンチエイジングを取り上げましたが、3回目の今日は、痩せるためのアンチエイジング食についてお話します。
私自身、4年前は体重が78kgありましたが、今は58㎏と20kgの減量に成功しました。今も同様の食事メニューですが、リバウンドもなく健康を害することもなく、シンプル故に楽しく無理なく長期間実践しております。

この食事法は地中海式メニューに似ておりますが、医学的にいえば糖質制限食ということになります。つまり、炭水化物や糖質を制限する食事です。最近では京都の江部康二先生が糖尿病患者さんに実践して有名です。
まず、簡単で無理がなく、楽であるということが長期間持続できる要素です。

私の場合は一食の五穀米のご飯の量を90gと決めています。茶碗普通盛りの半分になります。糖質量に換算すると31gほどになります。食卓秤で正確に測ります。和食か地中海食に近いものでフライ物や肉類は多くは摂りません。ただ、油はオリーブオイルかエゴマ油に決めています。それ以外はあまり以前と変わりません。ビールも普通に飲んでます。

注意したいのは極端に糖質を制限しないことです。極端だと脳と筋肉に悪い影響がでるのでよくありません。一日糖質量は最低限60gは必要だと思います。

また、食べる順番は決めています。まず生野菜のサラダをゆっくり10分かけて食べます。できれば一日量350gが目標です。次に、酢の物(野菜や海草類)、次に主菜の魚や肉です。次に、ご飯の上に納豆や昆布佃煮や紫蘇ひじきをトッピングして食べます。最後に果物を食べます。

この順番は糖質の少ない順番です。これによってインスリンの分泌を節約できるので糖尿病になりにくく、満腹中枢も満足します。

朝食と夕食はしっかり食べますので、昼はソイジョイやナッツやリンゴで空腹感を紛らわしています。

注意点は、糖質制限食をすると筋肉内のブドウ糖も消費しますので、筋肉も痩せていきます。すると基礎代謝も低下するのでリバウンドの原因になります。ですから筋肉トレーニングはする必要があります。

カロリー制限食と脂質制限食と糖質制限食の3群でダイエット効果を比較した医学論文がありますが、一番減量したのは糖質制限食でした。しかもリバウンド率が一番低かったのも糖質制限食でした。

これまでダイエットに失敗した人の原因は、①医学的根拠のない誤ったダイエット法をしていること、②短期間の無理なダイエット計画を立てたこと、③運動を取り入れてなかった、などにあるのではないでしょうか。

疲れたときやストレスを感じているときに甘いものは脳に幸福感を与えてくれます。ストレス社会といわれる現代において糖質は一種の麻薬みたいなものです。この糖質中毒になって肥満に陥っている人は世の中に多くいます。

このような方は、正しい痩せる食事法を知って、健康に痩せてほしいと思います。また、糖質制限食を経験しアンチエイジングの素晴らしい世界に足を一歩踏み入れてほしいと思います。

体型の若返りから始めるアンチエイジング(入門編2)

前回は見た目の若返りの第一弾としお肌の若返りを取り上げましたが、今回はお肌の次に加齢に伴い気になるところ、体型の崩れを取り上げます。

大手下着メーカーであるワコールでは1964年から45年間もの長い間4万人の女性の人体計測をしてきました。20代から50代になるまでの30年間の追跡調査をした人は100人に上ります。

この調査でわかったことは、すべての人が同じ順序で体型変化するということ、大きく変わる変化は5つあります。
①バストが下がる
②お腹がでる
③ヒップが下がる
④ウエストに脂肪がつく
⑤ウエストのくびれがなくなる

20代の頃は桃のように丸かったヒップが台形型になり、上を向いていたバストは重さと揺れの刺激でクーパー靭帯が伸びて垂れさがります。これはだれもか経験する老化現象ですから仕方のないことです。

しかし、体型変化の大きい人と少ない人のグループに分かれました。
体型変化の少なかった人たちには共通点がありました。
①体脂肪が少ない、
②持久力、筋力があり、
③すぐ眠れ、ストレスをうまく解消できる、
④生活習慣病を持っていない

また、体型維持をしている人の共通の生活習慣として、
①よく歩く、姿勢に気を付けて生活している、
②活動的な生活をしている、
③食事は食べ過ぎず、バランスよく食べている、
④ジャストフィットした下着を選んでいた

一方、体型が大きく変化した人は、25年間でウエストが10センチ太くなり、腹囲がバストと同じサイズになり、体重も5kg増量しました。体脂肪も増加しておりました。

やはり、肥満は、体型の崩れにも大きく影響することがわかりました。太っているだけで老けて見えますからさらに加齢によって尚更、体型が崩れて老けて見えるのは耐え難いですね。

見た目が若い人は体も健康であるということを証明する調査結果だったと思います。

体型を維持し見た目がきれいな人の特徴である、姿勢よく歩く、食べ過ぎず、バランスよく食べ、活動的に生活するということは、そんな特別な方法でもないですね。高級下着をつけるわけでもなく、エステに通っているわけでもなく、実にシンプルですぐ今日から実践できますよね。

アンチエイジング医学はは高額で手が出ないと勘違いしておられる方が多いですが、意外と基本的な医学的知識さえ持っていればお手軽に実践できることがおわかりだろうと思います。

ただ、美肌を維持することと同じで日々の健康生活を地道に積み重ねられるかというところに尽きます。継続は力ですね。

肌の若返りから始めるアンチエイジング(入門編1)

アンチエイジング医学とは、日本語で抗加齢医学といいます。つまり、加齢に伴う老化現象の速度を遅らせるための予防医学、究極をいえば、若返りということになります。

今回の企画は、アンチエイジングに対して少しだけでも興味を持っていただくためのものです。

アンチエイジングの医学的専門用語を極力使わず、わかりやすく、入門しやすいテーマであろう、「見た目」のアンチエイジングに的を絞り、特に①美肌と②美しい体型と③ダイエット食と④簡単にできるエクササイズについて、説明しようと思います。

さて、あなたは加齢に伴って心配しているところはどこですか?
容貌?スタイル?病気?

4000人の平均年齢41歳の日本人男女にアンケート調査をしました。あなたは加齢に伴って気になるところはどこですか?
女性の場合、8割が見た目と答えました。2割は体の中身でした。見た目のダントツトップは肌でした。2位以降はおなか回り、髪、お尻、首の順でした。男性の場合でも、5割が見た目でした。1位が髪、2位がおなか回り、3位が肌でした。

男女の違いでアンチエイジングの興味にも違いがあることがわかりますが、意外に男性でも見た目を気にしていることにびっくりします。

平均年齢が70歳だと、調査結果も大きく変わり、ガンや認知症や寝たきりとか体の中身の心配が大きなウエートを占めてくるだろうことは容易に想像できます。それぞれの年齢で心配部位が異なり、アンチエイジング医学はさらにそこから進行しないように予防する手段を提供しています。

しかし、18歳が成長のピークであとは徐々に老化の一途をたどるわけですから、アンチエイジングへの入門は若い時ほど良いことになります。

また、見た目を若く保つということは、健康的な日々の生活の積み重ねであり、結果的に体の中身を若く保つことに繋がり、健康長寿が可能になるわけです。

さて、多くの女性の興味のトップであった肌ですが、きめの細かい、張りがあって、色白で、透明感がある肌が現代の美肌といえましょう。

それに対して老化した肌とは、しわ、たるみがあり、しみ、くすみのある肌です。

肌老化の4大原因は紫外線、乾燥、酸化、糖化だと言われますので、お肌ケアとして大切なのは、紫外線対策をしっかりする、保湿剤を塗る、抗酸化剤である野菜をたくさん摂る、甘いものは控えることで予防できます。また、ストレスの少ない、規則正しい生活と睡眠はいうまでもありません。

また、老化により頭がい骨の骨格も変わります。前歯が出て、あごがしゃくれてきます。また、目が窪んできます。お猿さんに似てきます。これは特にカルシウム低下や女性ホルモンの低下により骨粗しょう症の進行が原因です。

これは特に閉経後の女性のかたの問題となりますが、予防するには日ごろから骨の原料となるカルシウムやビタミンDをたくさんと摂り、女性ホルモン様物質であるイソフラボンを摂り、適度の運動をして、骨を鍛えておく必要があります。美肌を獲得するためには全身の健康からということです。

ハイドロキノンの美白剤を塗ったり、ピーリングしたり、ヒアルロン酸やボトックスを注射してしわを消したり、たるんだ皮膚を切ったり、引っ張ったり、色々なことができるよい時代にはなってきてはおりますが、大切なことは美肌のための正確な医学知識を身に着けて、日々コツコツと健康的な生活を積み重ねることです。