2010年10月20日水曜日

オーソモレキュラー療法(栄養療法)という医学

9月20日の第10回抗加齢医学の実際というセミナーに、新宿溝口クリニックの溝口徹先生が講師をされました。

溝口先生は栄養の不足から病気を診断し、治療していく医学を学んでいます。栄養療法、オーソモレキュラー療法といってライナス・ポーリング博士とエイブラム・ホッファー博士が確立した医療です。

特に得意とする疾患は、ビタミン不足から来るうつや統合失調症などの精神疾患やコレステロール低下による子供の行動異常や糖分の取り過ぎによる乱降下型低血糖によるパニック発作や不安症などです。

また、ビタミンやタンパク質不足から来る神経伝達物質の欠乏による集中力低下や鉄不足からくる頭痛や冷え症、めまい、耳鳴りなども、検査により診断し、栄養補給することで、患者さんは改善しているようです。

考えてみれば、我々の身体は自分の細胞から作られるホルモンの作用により代謝が旨く行っているわけで、ホルモンの原料である外からの栄養が不足すれば、正常な代謝は機能しなくなるのは当たり前のことであります。

現代の西洋医学は、血液検査ででたデータの正常範囲と言われる数値が非常に幅広いように思います。確かに異常値なら、そこに着目して治療するでしょうが、数値の下限値であったも、その数値から栄養不足を推測することはあまり、なかったと思います。

現代の医学は、あまり栄養学を重視してこなかった経過があります。これは大変反省すべきことだと思います。

ですから、溝口先生の講演は大変有意義でありました。

興味のある方は、以下の本を参照ください。

「脳の栄養不足」が老化を早める! 溝口徹著  青春新書
「うつ」は食べ物が原因だった!  溝口徹著  青春新書
心療内科へ行く前に食事を変えなさい 姫野友美著 

2010年10月16日土曜日

高効率ミトコンドリアを鍛える

高齢者の方で若者以上にお元気な方がいらっしゃいます。果たしてお元気な方とはどこが違うのか?長年の疑問でした。しかし、解明してきました。それはミトコンドリアの性能です。

ミトコンドリアとは、私たちの筋肉細胞のなかにあるエネルギー製造工場のことです。脳や心臓にもありますが、80%は筋肉の中にあります。一つの筋肉細胞の中に2000個ほどのミトコンドリアが住んでいます。酸素を消費して大量のATPというエネルギーを産生してくれます。同時に酸素をうまく使えなかった時には活性酸素を産生します。活性酸素は私たちの身体に傷害を与え、老化の元凶でもあります。

ミトコンドリアは車のエンジンに例えることができます。ブドウ糖と脂肪が燃料のガソリンとなり、エンジンの馬力となるATPを生み出します。排気ガスに当たるのが活性酸素ということになります。

性能の良いミトコンドリアとは、少量の燃料で沢山のエネルギーを産生し、少ない排気ガスを出すものと言えます。まさにエコカーです。高効率ミトコンドリアと呼んでいます。

高効率ミトコンドリアを手に入れるにはどうしたらいいか?
それはちょいきつめの運動です。運動をするとミトコンドリアは酸素不足になります。すると、筋肉細胞は虚血状態になり、これが信号となりPCG-1を活性化して、ミトコンドリアの数を増やそうと働きます。

きつめの運動だと逆に大量の排気ガスである活性酸素を産生し細胞に傷害を与えてしまいます。ですから、ちょいきつめの運動というのがポイントとなります。

筋肉の老化に関わる遺伝子596個のなかの179遺伝子が運動により回復すると言われています。

まさに運動は、若返りのスーパーサプリメントと言われる所以であります。